本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
カシオ計算機は、腕時計・電卓・電子楽器・電子辞書などを展開する電機メーカー。1946年に樫尾忠雄が町工場として東京都三鷹市で創業。1960年代にはメモリ機能付き電卓『001』を発売し、欧米市場への輸出を開始。1970年代には家庭向け電卓『カシオミニ』が大ヒットを記録し、東京証券取引所に株式上場を果たした。1980年代には腕時計『G-SHOCK』や電子楽器『カシオトーン』を発売し、脱電卓依存と事業多角化を進めた。2000年代には携帯電話・デジタルカメラ事業の成長によって、全盛期を迎えた。が、2010年代にはスマートフォンの普及による市場縮小を受けて、携帯電話・デジタルカメラ事業から撤退。現在では、腕時計を主力としながら、教育関数電卓・電子楽器などへの選択と集中を強めている。なかでも『G-SHOCK』は、世界累計出荷1億6千万本超の巨大ブランドとなっている。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:66(上位)
かなりの勝ち組サラリーマン。一般知名度と企業イメージは抜群で、従業員も高待遇。が、業績縮小が続いてあり、腕時計以外に有望事業に乏しい。将来性の弱さが査定の足枷。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用数は年間40人~50人ほどに過ぎず、門戸は狭い。一般知名度の高さもあって倍率は相当以上になる。理系・文系いずれも一定以上の大学からの採用が多い。
採用大学:【国公立】大阪大学・東北大学・九州大学・筑波大学・広島大学・千葉大学・横浜国立大学・金沢大学・電気通信大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・立教大学・法政大学・関西大学・日本大学・専修大学・東京理科大学・多摩美術大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
カシオ計算機の売上高は2008年に過去最高となる6,230億円を記録したが、2025年には2,617億円にまで縮小。過去15年間で約60%もの売上規模の減少に直面している*1。営業利益は2020年まで300億円レベルを保っていたが、2025年には142億円に下振れしている。
*1:2010年代から当社の売上高が縮小に転じた主要因は、スマートフォンの爆発的な普及にある。これにより、①2013年に携帯事業を売却して撤退、②2018年にコンパクトデジタルカメラから撤退、など当社にとって売上高の大きかった主力事業を次々と喪失した経緯がある。
✔セグメント別の状況
カシオ計算機は、時計事業(腕時計ブランド『G-SHOCK』『オシアナス』、置時計など)、コンシューマ事業(電子辞書・電卓・電子楽器など)、システム事業(ハンディターミナル・電子レジ・経営支援システム・プロジェクターなど)、その他事業(成型部品・金型など)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、『G-SHOCK』に代表される時計事業を圧倒的な中核事業としつつ、電卓・電子辞書・ラベルライター・電子楽器などを多角的に展開することで成り立っている。かつて当社は、カメラや携帯電話などを主力事業としていたが、2010年代からのスマートフォンの普及によって市場規模が急激に縮小。現在では世界的なブランド力を有する『G-SHOCK』を中核とした事業構造へと転換している。他方で、腕時計以外に収益の柱と呼べる製品群はなく、事業の安定性が時計事業の競争力に強く依存している点は無視できない。すなわち当社は、『G-SHOCK』のブランド力を武器に高収益を確保する一方、その依存度の高さが裏返しの課題でもある。
✔最終利益と利益率
カシオ計算機の純利益は営業利益の縮小に連動して減少傾向が続いており、2025年は80億円に下振れしている。ただし最終赤字にまで転落することは稀*2であり、黒字確保という観点では安定している。営業利益率は5%~10%ほどで推移しており、電機メーカーとしては中庸な利益率を確保できている。
*2:当社が大規模な最終赤字を計上したのは2010年が最後である。同年はデジタルカメラ市場の急失速によって約230億円の純損失を計上した経緯がある(参考リンク)。
✔自己資本比率と純資産
カシオ計算機の自己資本比率は緩やかな増加傾向がみられ、2025年は66.0%となっている。安定的な利益体質もあわせて考えれば、大いに堅実な財務体質にあると評価できよう。純資産は2,000億~2,300億円レベルで横ばいが続いており、成長性には乏しい。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
カシオ計算機の平均年収は814万円(2025年)と、大手電機メーカーとしては高めの給与水準。総合職の場合、30歳で年収520万~630万円ほど、課長職レベルで年収1,000万~1,100万円ほどが目安となる。平均年齢は2020年まで46歳レベルと高齢化が進んでいたが、2025年には44.9歳まで若返っている。
✔従業員数と勤続年数
カシオ計算機の単体従業員数は減少傾向が続いており、2025年は2,200人の組織体制となっている。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は8,800人ほど。売上高の縮小にあわせて組織のスリム化を図っている。平均勤続年数は15.9年(2025年)と、大手企業の標準的な水準にある。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
全業界580社以上の
評価全文が読み放題に
年間150万人以上の就職・転職者がアクセスする、検索シェアNo.1の企業評価サイト。 印象論に左右されない、データと独自取材による「確かな企業評価」を提供します。
有料部分の構成
企業格付けの根拠
就職格付けの根拠
格付評価と、評価全文を掲載しています。
企業選びに、確かな判断材料を。
-
印象論に惑わされず、企業の本当の実力を見極められる
-
世間が知らない隠れ優良企業まで、知識と選択肢が広がる
-
将来の年収・福利厚生とキャリア価値を見極められる
-
企業が教えてくれない、弱点・業績不振・不祥事も理解できる
