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ヒロセ電機の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ヒロセ電機は、電気製品・自動車・産業機械向けのコネクタを主力とする電子部品メーカー。1937年に廣瀬銈三が通信部品メーカーとして創業、終戦直後の1948年からコネクタ分野へと進出した。電子部品同士を接続するコネクタにおいて技術力を高めたことで、現在ではスマートフォン・パソコン・自動車など多種多様な製品に採用されている。現在ではコネクタ業界で世界上位10社に数えられる大手であり、国際標準コネクタとして選定された実績を多数持つ。

POINT

1.神奈川地盤の大手コネクタメーカー、コネクタで世界上位10社の一角
2.売上高・利益いずれも好調で成長基調、財務体質は驚異的な健全性
3.平均年収895万円と大手電機メーカーも凌駕、福利厚生は薄め

業績動向

✔売上高と営業利益

ヒロセ電機の売上高は長年に渡って1,100億~1,200億円で安定していたが、2020年から成長基調へ転換。2022年には売上高1,832億円に到達して過去最高を更新*1。営業利益も2020年から増加傾向に転じて、2022年には468億円に到達。
*1:2020年から業績好調に転じた要因は、①新車生産台数の増加による車載向けコネクタの販売好調、②スマートフォン・ワイヤレスイヤホン向けコネクタの需要回復、③製造業の自動化投資活況による産業機械向けコネクタの販売増加。

✔セグメント別の状況

ヒロセ電機は、多極コネクタ事業(丸形コネクタ・角形コネクタ・プリンタ配線板用コネクタなど)、同軸コネクタ事業(同軸コネクタ・光コネクタなど)、その他事業(マイクロスイッチなど)、の3事業を有する。
ヒロセ電機は売上高・利益の約90%を多極コネクタ事業に集中。多極コネクタが搭載されている製品はスマートフォン・通信機器・計測機器・産業機器・医療機器など。それゆえ、納入先企業の最終製品の販売が上向くとヒロセ電機の業績も上振れしやすい。

✔最終利益と利益率

ヒロセ電機は純利益も2021年から急増しており、直近の2022年には純利益346億円に到達して過去最高を更新。営業利益率は不調時を除けば20%以上の高水準で推移しており、電子部品メーカーとしてはトップクラスの高利益率を誇る。

✔自己資本比率と純資産

ヒロセ電機の自己資本比率は長期的に90%前後の超水準で推移しており、有利子負債にまったく依存しない財務体質を確立。高い利益率だけではなく、財務健全性も極めて優良であり非の打ち所がない。純資産も緩やかな増加傾向が続いており、直近では3,499億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ヒロセ電機の平均年収は700万~790万円ほどの水準で長期的に安定。直近の2022年には平均年収895万円に急増。賞与比率が高いため年度による上下変動が激しいが、好調時には大手メーカーをも凌駕する。大卒総合職は30歳で年収650万~840万円、課長職レベルで年収1,000万~1,200万円レベル。

✔従業員数と勤続年数

ヒロセ電機の単体従業員数は2019年頃から900人規模で横ばい。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4,900人ほど。平均勤続年数は直近で13.7年と大手メーカーよりはやや短め。

総合評価

企業格付け:A

日本を代表するコネクタメーカーであり、コネクタ業界においては世界シェア上位10社に数えられる。歴史的にも数々の世界標準規格となったコネクタを生み出してきた名門であり、高い技術力と顧客ニーズ対応力への評価は高い。業績は2020年頃から右肩上がりであり、売上高・営業利益・純利益すべて過去最高を更新。電気自動車・産業用ロボット・スマートフォンなどの需要増加によって、これらの製品に搭載される当社のコネクタの販売増加に繋がっている。財務体質は自己資本比率90%前後という超高水準にあり、有利子負債にまったく頼らない健全すぎる財務体質を実現。そのうえ、独自性・先進性が高い製品ラインナップによって高い利益率を達成。営業利益率は20%前後にも達しており、超優良である。BtoB業態の電子部品メーカーでありながらも、納入先の大手メーカーの利益率を上回っている。業績・財務・利益率すべてに長けており、優れたビジネスモデルを構築した優良企業である。強引に問題提起するとすれば、売上高は1,800億円程であるため、規模感だけで言えば中堅メーカーレベルであることだろうか。

就職格付け:BBB

神奈川県横浜市に本社を置くコネクタメーカー。BtoB業態のコネクタメーカーというニッチ企業であるが故に、一般知名度は壊滅的に低い。が、株式市場においては傑出した業績・財務によって超優良企業として広く認知されている。給与水準は業績によって左右されやすいが、業績悪化時であっても平均年収700万~790万円ほどで安定。業績好調時には平均年収890万円を超える水準に到達する。年間給与における賞与比率が高いために業績動向によりけりではあるが、それでも電子部品メーカーとしては首位級の給与水準を実現している。福利厚生は企業規模の小ささなりであり、住宅補助は独身寮に限られる。東北子会社への配属時には、入社後3年間に限って最大2万円/月が支給される。が、そもそもの給与水準がかなり高いため文句は言えないだろう。業績・財務が極めて健全であるが故に企業存続にはまったく不安がなく、末永く働くことができる安心感は何物にも代えがたいだろう。

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