カテゴリー
電機メーカー

セイコーエプソンの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

セイコーエプソンは、プリンタ・プロジェクター・スキャナーなどを製造する電機メーカー。1942年にセイコーグループの協力会社として創業した大和工業が源流であるが、1959年にセイコー諏訪工場を譲り受けてセイコーの社名を冠するようになった。創業当初から時計製造をコア事業としていたが、1980年代に半導体・プリンタ分野へと進出。現在ではプリンタなどの電機製品が主力製品となっている。現在もセイコーグループは大株主ではあるが保有割合は3.46%に過ぎず、資本関係は極めて薄い。

POINT

1.セイコーG系の電機メーカー、プリンタで世界シェア第3位
2.売上高はやや停滞気味だが直近は為替と値上げの恩恵で急増、財務も堅い
3.平均年収750万円程度、地盤の長野県では極めて評価が高いメーカー

業績動向

✔売上高と営業利益

セイコーエプソンの売上高は概ね1兆円レベルでの横這い推移が続いていたが、2022年には急伸して1.3兆円に到達*1。営業利益は年度による好不調があるが、300~900億円を安定的に確保。
*1:セイコーエプソンは海外売上高比率が75%以上のグローバル企業であり、為替感応度が高い。2022年には急激な円安進行と物価上昇に対応した値上対応を進めたことで売上高が急伸。

✔セグメント別の状況

セイコーエプソンはプリンティングソリューションズ事業(インクジェットプリンタ・ドットプリンタ・スキャナ・POSシステムなど)、ビジュアルコミュニケーション事業(液晶プロジェクター・スマートグラスなど)、マニュファクチャリング・ウェアラブル事業(産業用ロボット・射出成型機・時計・時計ムーブメント・半導体など)の3事業を有する。
セイコーエプソンの祖業は腕時計製造であるが、現在においては売上高の約70%をプリンタやスキャナなどの電機製品が占める。腕時計の製造も継続しているが、売上高の約16%程度に過ぎない。

✔最終利益と利益率

セイコーエプソンの純利益は2019年を除けば*2、概ね400億~900億円レベルで安定的に推移。自己資本利益率は年度による好不調が明暗分かれるが、直近では10.3%と標準的な水準。
*2:2019年はCOVID-19の感染拡大と世界経済の減速によって販売影響を顕著に受けた他、急速に円高が進んだことによる損失も大きく大幅減益に沈んだ。

✔自己資本比率と純資産

セイコーエプソンの自己資本比率は直近で54.2%とそこそこ高水準であり、安定的な利益体質もあわせて考えれば堅実な財務体質。純資産は堅調な増加を継続しており、直近では7,275億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

セイコーエプソンの平均年収は直近で767万円と大手メーカーとしては標準的な水準。大卒総合職の平均年収は750~850万円ほどと推定。平均年齢は40歳を上回っており、社員の年齢構成は高め。

✔従業員数と勤続年数

セイコーエプソンの従業員数は緩やかな増加傾向を続けており、2022年には7.99万人に到達。平均勤続年数は19.3年とかなり長め。社員数を増やしながらも平均勤続年数が高位安定していることから、働きやすい環境であることが推測できる。

総合評価

企業格付け:CC

日本国内における著名なプリンタメーカーであるが、グローバルでも世界シェア第3位に位置する大手の一角。COVID-19感染拡大期には在宅ワーク拡大によるオフィスプリンタ需要の急低迷で先行きが不安視されたが、感染終息後の円安推移と物価上昇の恩恵を受けて、売上高は15年ぶりに1.3兆円規模に回復。ペーパーレス化の煽りで売上高の成長性には期待し難いが、それでもプリンタ需要の喪失は当面考え難く、安定的な財務も考えれば当面は安泰だろう。強いて言えば、プリンティングソリューションズ事業以外の競争力・利益率は凡庸、将来的な成長性が望みにくいプリンタ一本足打法に近い事業展開となっている点は懸念。

就職格付け:CC

業績安定・財務安定で平均勤続年数も長い、いわゆるホワイトメーカー。平均年収767万円ほどと大手メーカーとしては標準的な給与水準は面白みこそないが、事業所の多くが長野県に所在する点に着目すると評価は一変する。長野県で生活する前提であれば十分な給与水準であり、持家取得してそこそこ豊かな人生を楽しむには十分なレベル。居住地と給与水準はセットで考えるべき好例だろう。長野県内では優良メーカーとして知られるため世間体も抜群であり、同県の出身者であれば両親・親族から心からの祝福を受けることができるだろう。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!