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サカタのタネの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

サカタのタネは、自動車用バックミラー・電子ミラー・光学部品などを製造する自動車部品メーカー。1913年に坂田武雄が神奈川県で開いた農園を源流とし、1910年代半ばには種子・球根類を欧米向けに輸出。1930年には世界初となる完全八重咲きペチュニアの種子を発売して欧米で大ヒットを記録。現代においてもブロッコリー・メロン・チンゲンサイなどの種子開発で先行、世界的シェアを誇る種子製品を多数擁する。世界170ヵ国以上に種子を輸出するグローバル企業である。

POINT

1.ブロッコリーなどで世界シェア上位の種苗会社、海外売上高比率70%以上
2.売上高・利益いずれも好調、利益率が高い上に実質無借金経営
3.平均年収683万円だが増加傾向が継続的、福利厚生もかなり充実

業績動向

✔売上高と営業利益

サカタのタネの売上高は2019年までは580億~620億円ほどで推移していたが、2020年以降は売上高が右肩上がりで増加中*1。営業利益は2019年までは70億円ほどで安定したいたが、2020年からは90億~100億円レベルへ上昇。
*1:サカタのタネの業績拡大の主要因は、①COVID-19感染拡大期において在宅で楽しめる園芸趣味が普及拡大した点、②為替レートの円安推移による為替効果、③国内外におけるブロッコリーなど主力種子類の販売好調、など。

✔セグメント別の状況

サカタのタネは、国内卸売事業(国内向け野菜種子・花手指・球根・苗木、農園芸資材など)、海外卸売事業(海外向け野菜種子・花手指・球根・苗木、農園芸資材など)、小売事業(一般園芸向け商品)、その他事業(官公庁・民間向け造園工事施工、人材派遣)、の3事業を有する。
サカタのタネは海外卸売事業で売上高・利益いずれも70%以上を稼ぎ出しており、海外比率が特に高いグローバル企業。とりわけブロッコリー・トルコギキョウでは世界シェア70%以上を確保しており断トツ首位となっている。

✔最終利益と利益率

サカタのタネの純利益は2021年に過去最高となる123億円に到達したが、直近の2022年には95億まで後退*2。営業利益率は長期的に12%以上の水準で極めて安定しており、高い利益率を長く維持している点において優秀。
*2:2021年の純利益には米カリフォルニア州に保有していた巨大な土地資産を売却した固定資産売却益が含まれている。2021年が特殊要因による急増だったと見るのが正しい。

✔自己資本比率と純資産

サカタのタネの自己資本比率は長期的に80%以上の超高水準で安定的に推移。利益が安定していることに加えて、財務体質も極めて良好であり、実質無借金経営を達成している。純資産は長期的な増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産1,381億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

サカタのタネの平均年収は長年に渡って緩やかな増加が続いており、直近の2022年には683万円に到達。ただし平均年齢が30代後半と比較的若いため、他社比較時にはもう少し多めに見てもよいだろう。大卒総合職は30歳で520万~590万円、課長職レベルで750万~950万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

サカタのタネの単体従業員数は長期的に650人~700人ほどで横這い。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,600人ほど。平均勤続年数は直近で15.2年と大手企業並みの水準にある。

総合評価

企業格付け:CC

種苗業界において世界上位10社に数えられる大手企業であり、日系種苗会社としてはタキイ種苗に並んで業界首位級。戦前から欧米市場に積極進出してきた名門企業でもあり、野菜種子に限れば世界上位5社に食い込める実力を有している。業績は2020年頃から大いに好調であり、売上高・利益いずれも過去最高圏にある。海外売上高比率70%以上であるため、昨今の為替レートの円安推移による追い風も大きい。利益率においても優秀であり、営業利益率12%以上を余裕で上回る水準を過去8年に渡って継続し続けている。財務基盤も輪をかけて優秀であり、自己資本比率80%以上で安定的。実質無借金経営であり、利益率の高さも加味すれば堅実すぎるほどに堅実である。種苗業界は国内市場が頭打ちである反面、海外市場は依然として成長基調が継続しているため、グローバル企業としての当社の存在意義はますます拡大していくものと見込まれる。

就職格付け:CCC

種苗業界というマイナー業界において業界首位の大手企業。家庭菜園向けの製品も多数販売しているため、一般知名度もかなり高い。世界19ヵ所に研究所を保有しており、全世界の従業員の20%が研究者という研究開発型の企業でもある。給与水準はそこそこであり、直近の平均年収683万円。ただし過去8年間に渡って給与水準が安定的に増加し続けている為、平均年収700万円の突破もそう遠くないかもしれない。福利厚生もそこそこ恵まれており、住宅支援では30 歳未満の独身社員については家賃の20%相当の金額で住める独身寮を提供している。有給休暇の取得促進にも力を注いでおり、全社員の有給休暇取得率は70%以上。総じて優良企業であり、安定的な業績・財務からして長期的に安心して働き続けることができるだろう。ただし主要事業所は国内複数個所に分散気味であり、北海道・神奈川・千葉・長野・静岡などに立地。転勤距離が遠距離になる点には留意が必要か。

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