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電機メーカー

アルプスアルパインの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

アルプスアルパインは、電子部品・センサ・カーナビ・音響機器などを製造する電機メーカー。2019年にアルプス電気とアルパインが合併して誕生、電子部品大手(アルプス電気)とカーナビ・音響大手(アルパイン)の合併によって車載向け部品~コンポーネントまでを扱える電機メーカーとなった。スマートフォン向け電子部品でも大手であり、内蔵カメラ手振れ補正アクチュエータで世界的シェアを獲得。電子振動部品では世界シェア首位であり、ニンテンドースイッチなどゲーム機にも振動部品が採用されている。

POINT

1.自動車・スマートフォン向け電子部品大手、東北地盤
2.売上高は微増するも利益は停滞気味、財務体質は大いに健全
3.平均年収623万円だが課長職なら900万円以上、福利厚生が充実

業績動向

✔売上高と営業利益

アルプスアルパインの売上高は2021年まで7,500億~8,500億円レベルでの横這いが続いていたが、2022年には売上高9,331億円に増加*1。営業利益は2017年の719億円をピークに減少しており、直近の2022年は営業利益336億円に後退。
*1:2022年に売上高が増加した要因は、①為替レートが1ドル150円近傍まで迫る円安となったことによる為替効果、②自動車メーカーの新車生産の正常化による車載向け製品の販売回復、など。

✔セグメント別の状況

アルプスアルパインは、コンポーネント事業(自動車向け・スマートフォン向けスイッチ類・アクチュエータ・ハプティックなど)、センサ・コミュニケーション事業(自動車向け・スマートフォン向けのセンサ・通信デバイス)、モジュール・システム事業(自動車向けナビゲーション・ディスプレイ・音響機器など)、その他事業(システム開発・金融事業・物流事業など)、の4事業を有する。
アルプスアルパインは自動車・スマートフォン向けの電子機器メカ―であり、売上高の約半分を自動車向けのナビゲーション等に代表されるモジュール・システムが占めている。が、利益面ではコンポーネント事業以外は赤字であり、同事業が全社利益を支えている状況。

✔最終利益と利益率

アルプスアルパインの純利益は2017年の474億円をピークに減少傾向が継続。2019年~2020年に純損失に転落していたが、2021年には純利益を確保できるように改善*2。営業利益率は2019年以降は1~4%ほどに留まっており、減少傾向にある。
*2:2019年~2020年には世界的なCOVID-19感染拡大によって自動車向け・スマートフォン向けの製品出荷が急低迷したことで最終赤字となった。2021年以降は同混乱は解消したが、世界的な原材料・物流コスト増および新製品開発コスト増によって利益率が悪化。

✔自己資本比率と純資産

アルプスアルパインの自己資本比率は2018年以降は50%以上の水準で安定推移。業績は低空飛行が続くものの、財務体質は大いに良好である。純資産は2017年以降は伸び悩んでおり、3,900億~4,200億円レベルで停滞している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アルプスアルパインの平均年収は長年に渡って600万~630万円ほどの水準で安定的。売上高9,000億円の大企業であるが、電機メーカーとしては平均的な給与水準に留まる。大卒総合職は30歳で500万~650万円、課長職レベルで900万~1,000万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

アルプスアルパインの単体従業員数は2020年に7,100人規模に到達したが、直近数年はやや減少傾向。2019年のアルパインとの経営統合により従業員数が急増した構造。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.9万人ほど。平均勤続年数は直近で18.1年とかなり長めであり、従業員の定着は相当に良い。

総合評価

企業格付け:CC

自動車・スマートフォン向け電子部品・カーナビ大手。2019年にアルプス電気とアルパインが合併して誕生したが、もともとアルパイン自体がアルプス電気・米モトローラの合弁企業として誕生した企業であるため、縁戚企業同士の経営統合によってシナジー効果を創出することが狙い。が、業績は2017年をピークに停滞感が強い状況。売上高こそ2022年に過去最高を更新したが、利益は低迷が続いており予断を許さない。更に、最近の新型車ではカーナビゲーションが自動車の一部として標準搭載されているため、アルパインのような社外製品が付け入る隙が乏しくなってきている状況。同業のJVCケンウッド・パイオニアはカーナビ市場の急縮小によって業績悪化に直面しており、業界自体が衰退に向かいつつある状況。直近では電子部品を扱うコンポーネント事業だけが利益を稼いで、他事業の赤字を補っているのが実態である。財務体質は自己資本比率50%を優に上回っており大いに健全な水準である為、当面は問題ないであろう。電子部品においてはハプティック技術をはじめとして世界的シェアを誇る製品群も健在であるため、ここから復活の目を探っていくのだろう。

就職格付け:CC

宮城県・新潟県・福島県を地盤とする電子部品メーカー。BtoB事業が主力であるため一般知名度はそこまで高くはないが、”アルパイン”ブランドが社外ナビ・音響において著名であるために自動車に興味がある人間であればそれなりの知名度がある。給与水準は平均年収600万円台と業界平均に近いが、大卒総合職であれば30歳で500万~650万円に到達する他、課長職レベルになれば900万~1,000万円と大手企業並みの待遇を得られる。福利厚生もかなり充実しており、家賃補助制度・借上げ社宅制度も良好。30歳までは独身寮・家賃補助によって住宅コストを大きく削減できるため、給与水準が安い若手社員へのフォローが良い。家族がいる社員については借上げ社宅制度もあるため、若手のうちに独身寮をでて結婚することも容易。持ち家の取得時には、住宅資金貸付制度によって従業員へお金を貸し付けてくれる制度も。その甲斐もあってか、平均勤続年数も18年とかなり長めの水準にあり従業員の定着が良いホワイト企業であることを想起させる。事業所の大半が居住コストが安い東北エリアに集中しているため、平均年収の以上にリッチな生活を送ることが可能だろう。東北エリアで大企業に就職したい場合には、ぜひ視野に入れたい。

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