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外食会社

カッパ・クリエイトの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

カッパ・クリエイトは、回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を展開するコロワイドグループの大手外食会社。1973年に個人寿司店として長野県長野市で創業。同業他社に先駆けて「高度に自動化された大型店舗で100円寿司を提供する」業態を開拓したことで、1990年代には回転寿司業界で断トツ首位に君臨。が、2000年代以降にはスシロー・くら寿司・はま寿司などのライバル会社が躍進、現在では業界4位に位置する。コンビニ弁当や惣菜パンの製造も手がける。

POINT

・1990年代までは回転寿司業界1位を誇った大手、現在は4位まで後退
・売上高は減少傾向で利益も低迷、財務体質も悪化傾向が続いており苦しい
・平均年収429万円と外食大手では低め、固定残業制・年間休日も少なめ

業績動向

✔売上高と営業利益

カッパ・クリエイトの売上高は2012年に記録した売上高941億円をピークに減少傾向が続いている*1。営業利益は2003年の86億円をピークに低迷しており、2016年からは損益ギリギリで推移。
*1:売上高が減少した理由は、①2010年代に低価格・低品質のイメージが広がった点、②寿司以外のサイドメニューを充実させた同業他社と異なり寿司のみに特化し続けた点、③ブランドに差別化要素たる特徴がない点、などに起因。

✔セグメント別の状況

カッパ・クリエイトは、回転寿司事業(回転寿司「かっぱ寿司」の店舗運営)、デリカ事業(コンビニ・スーパー向けの弁当・惣菜パンの製造販売)、の2事業を有する。
かっぱ寿司は売上高の約80%を祖業の回転寿司事業が占めるが、デリカ事業も残る20%を占めており意外と同事業の存在感は大きい。直近の2022年はいずれの事業も赤字転落しており、黒字事業がない。

✔最終利益と利益率

カッパ・クリエイトの純利益は2015年までは安定していたが、同年以降は純損失を繰り返している*2。営業利益率も2015年から損益ギリギリで低迷しており、低空飛行が続く。
*2:2016年に構造改革として、①長年親しまれたキャラクターの廃止、②大規模な店舗改装、③リブランディングの広告宣伝費投下、などを断行。しかし、結果が伴わずに2016年に純損失58億円を計上。同年以降も再浮上することなく低迷が続いている。

✔自己資本比率と純資産

カッパ・クリエイトの自己資本比率は長期的に右肩下がりで低下*3。直近の2022年は自己資本比率29.8%と外食大手の中では低めの水準に。純資産も減少傾向が続いており、直近では純資産87億円まで減らしている。
*3:過去7年間に渡って純損失を何度か繰り返してきたことで、財務体質にダメージが及んでいる。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

カッパ・クリエイトの平均年収は長期的に410万~440万円ほどで推移しており、外食大手の中ではかなり低め。総合職で入社すると、早ければ入社3年~5年目で店長に昇格して450万円~500万円ほどになる。平均年齢が30歳前後と極めて若いため平均年収は低くなりやすい事情はあるか。

✔従業員数と勤続年数

カッパ・クリエイトの単体従業員数は減少傾向が続いており、直近の2022年には674人まで減少。業績悪化で店舗閉鎖を続けたこともあり、従業員数は減っている。平均勤続年数は直近で13.7年あり、他の回転寿司大手よりも勤続年数はかなり長い。

総合評価

企業格付け:EE

■業績動向
厳しい。売上高は縮小傾向が続いており、回転寿司業界で1人負けの様相。利益も苦戦しており、直近7年間は損益ギリギリの状態。売上高の減少に挽回策を打とうにも、利益に乏しい状況ゆえに打つ手も限られてくる。が、2023年は同業他社の値上げが相次いだこともあって、相対的な割安感によって来客が増加。営業利益15億円まで回復する見通し。

■財務体質
悪化傾向。業績低迷の長期化で自己資本比率は低下傾向にあり、直近では29.8%まで低下。2016年・2022年の純損失を計上したことで、純資産も減少傾向。当面は持続可能なレベルではあるが、本業の業績悪化に歯止めをかけないと苦しい。

■ビジネス動向
業績改善に向けて三本柱を策定。①回転レーンをなくしたフルオーダー店舗の増強(食品ロス削減)、②1貫50円での商品提供スタート、③店舗限定の食べ放題サービス。積年の課題であった競合他社との差別化を強め、反転攻勢にむけた動きを加速させる。

就職格付け:E

■給与水準
平均年収は429万円と外食大手のなかでは低めの水準。一見すると、くら寿司(平均年収463万円)に近いが、くら寿司は当社よりも平均年齢が8歳下。35歳店長で年収450万円ほどであるから、家庭を持つには店長クラスへの昇進は必須。

■福利厚生
外食業界では良い方。35歳までは店舗周辺の賃貸物件に借上げ社宅扱いで入居できる(自己負担額は2万円/月のみ)。ただし、店長クラスは固定残業制(45時間/月)で深夜残業30時間込み。外食業界の例に漏れず、年間休日は114日とかなり少なめである。

■キャリア
まずは店舗配属を経て、店長を目指すのがロールモデル。総合職であれば早ければ2年目で店長に昇進して、店舗責任者として管理・運営を任される。その後、複数店舗を渡り歩いていくことになるが、見込まれた場合には本社部門・スーパーバイザーへと抜擢される。

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