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外食会社

すかいらーくホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

すかいらーくホールディングスは、ガスト・ジョナサン・バーミヤン・しゃぶ葉などのレストランを展開する大手外食会社。1962年に食料品店して創業、外食会社への転換を目指して1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開店。1980年代には多店舗展開により1,000店舗を達成。1990年代には業績不振で一時迷走するも再建に成功。現在では約2,950店舗を有する巨大外食チェーン。日本全国10拠点のセントラルキッチンで下調理を済ませることで、効率的な店舗運営を可能としている。

POINT

・ファミリーレストラン最大手、20以上の店舗ブランドによって和洋中華すべて網羅
・売上高・利益いずれも2019年から急悪化、財務体質も普通レベル
・総合職で30歳・年収500万が目安、福利厚生・休日日数は外食業界トップクラス

業績動向

✔売上高と営業利益

すかいらーくホールディングスの売上高は2019年から急激に低下、同年以降は売上高2,600億~3,000億円ほどで推移している*1。営業利益は2016年の312億円をピークに低迷しており、2019年・2021年は営業損失に転落。
*1:業績悪化の要因は、①多人数来店を前提とするファミリーレストラン業態がCOVID-19で大打撃を受けた点、②2021年からの世界的な原材料高・人件費高騰によるコスト急増、③店舗数削減により約3,200店舗から約2,950店舗まで減らした点、にある。

✔セグメント別の状況

すかいらーくホールディングスは、レストラン事業(すかいらーくグループの20以上の外食レストラン・洋菓子店などの製造販売)のみの単一事業会社である。
主力の「ガスト」は売上高の約43%であるほか「しゃぶ葉」や「バーミヤン」の存在感も大きい。和洋中華まで多様な店舗ブランドを有しているうえ、それぞれの店舗ブランドがいずれも高い認知度を誇っている点は大きな強み。かつては「すかいらーく」店舗も数多く存在していたが、2009年にすべて廃止されて「ガスト」へと転換されている。

✔最終利益と利益率

すかいらーくホールディングスの純利益は2019年までは110億円~180億円ほどで安定していたが、同年以降は低迷。2021年は黒字転換したが、これも一過性の特殊要因*2。営業利益率も2019年以降は低空飛行が続く。
*2:2020年は政府による時短営業への協力要請に従ったことで、協力金427億円を受給。本業は不振であったが巨額の協力金で黒字圏まで浮上した。

✔自己資本比率と純資産

すかいらーくホールディングスの自己資本比率は25%~40%のレンジで不安定な推移。2021年には自己資本比率が急回復したが、これは公募増資によるもの*3。純資産も2021年の公募増資により急増、直近では純資産1,577億円。
*3:2021年にCOVID-19影響による大幅な業績悪化をうけて公募増資を決行。約450億円を調達したうえで、デリバリー拡充・借入金返済・店舗再編の資金とした経緯がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

すかいらーくホールディングスの平均年収は直近の2022年は655万円と悪くないが、これは持株会社の538人の平均年収。総合職で入社すると、早ければ入社3〜5年目で店長に昇格して450万円~500万円ほどになる。平均年齢が47.7歳と高めだが、これは持株会社の538人の平均年齢。

✔従業員数と勤続年数

すかいらーくホールディングスの単体従業員数は2016年の持株会社制への移行によって急減しており、直近の2022年には538人のみ。事業会社も含めた連結従業員数は5,800人ほど。平均勤続年数は直近で21.0年と極めて長いが、これは持株会社の538人の平均勤続年数なので参考にならない。

総合評価

企業格付け:D

■業績動向
苦しい。2020年にはCOVID-19感染拡大の影響が直撃、巨額損失を連続計上。ウィズコロナ時代を迎えた後も業績不振が長期化しており、2022年も赤字に沈んだ。2023年には黒字回復する見込みだが、早々に業績回復した同業他社と比べて数年は出遅れた感は否めず。

■財務体質
普通。COVID-19による業績悪化で一時は自己資本比率25%まで低下するも、2021年に公募増資による資金調達で自己資本比率は37%まで回復させた。株式の希薄化を招いたものの、COVID-19影響が吹き荒れる中で構造改革の必要資金を確保するためには致し方なかったか。

■ビジネス動向
業績回復に向けてロードマップを策定。店舗IT化によって人件費増加に対抗しつつ、アフターコロナ時代のニーズに合致した店舗ブランドへのテコ入れを強化。2025年までを再建フェーズと定めて再出発を急ぐ。2022年には3,000台もの配膳ロボットを店舗へ配備。

就職格付け:DDD

■給与水準
平均年収は655万円と外食大手のなかでは悪くない方だが、これは持株会社の平均年齢47歳•538人の平均年収なので割り引いて見る必要あり。持株会社制へ移行する前の平均年収576万円(2015年)の方が、一般社員4,200人から算出されているため参考になる。

■福利厚生
外食業界では最上位級。年間休日117日は外食大手トップクラス。年2回の7連休取得制度を推進しており、取得率も97%と高い。会社都合の転勤なら借上げ社宅が与えられ、自己負担は半額程度で済む。食事補助も良心的であり、出社時には1食356円で1日2回まで食事できる。

■キャリア
他の外食大手と同様、入社後は店舗に配属され、店舗オペレーションを学ぶ。総合職なら3年目以降に店長へと順次昇進して、一店舗の責任者に。本社部門への異動もあり、マーケティング・商品開発・生産管理・人材開発などを幅広く経験する道も。ただし、他の外食大手とは異なり、社員からのフランチャイズオーナーとしての独立のハードルは高い。

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