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小売流通会社

オートバックスセブンの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

オートバックスセブンは、カー用品店「オートバックス」「スーパーオートバックス」などを展開する大手小売企業。1947年に住野敏郎が自動車部品商として創業。1970年に日本初となるカー用品のワンストップ店舗「オートバックス」を出店、フランチャイズ展開によってカー用品店として最大級のチェーン網を構築。現在では国内567店舗・海外78店舗を展開、カー用品店業界トップ企業として君臨。店舗出店をフランチャイズ展開に特化しており、自社は商品開発・マーケティングに専念。国内直営店は5店舗のみ。

POINT

・カー用品店業界で断トツ首位、直営店は5店舗のみのライセンサー企業
・売上高・利益は増加しており財務体質も良好だが、全盛期には及ばず
・平均年収727万円で業界トップ、福利厚生も業界上位級で恵まれている

業績動向

✔売上高と営業利益

オートバックスセブンの売上高は長期的に増加傾向にあり、2022年には売上高2,362億円に到達。営業利益も緩やかな増加傾向が続いている。が、いずれも2007年頃の全盛期と比べると規模減少したいる。
*1:当社の全盛期は2007年頃であり、当時は売上高2,664億円を誇った。規模縮小した要因は、①カーナビ・カーオーディオなど高単価な後付けアイテムの需要縮小、②趣味嗜好の多様化による自動車趣味の地位低下、③少子高齢化・都市化による自動車利用の減少、などがある。

✔セグメント別の状況

オートバックスセブンは、国内オートバックス事業(国内フランチャイジーへのカー用品卸売・店舗設備リースなど)、海外事業(海外におけるカー用品販売、整備・板金・塗装など)、ディーラー等事業(輸入車販売・サービス、ホームセンター卸売、Eコマースによるカー用品販売、車検整備、板金など)、その他事業(クレジット事業・保険代理店・カー用品開発など)、の4事業を有する。
最主力事業は国内オートバックス事業であり、売上高・利益いずれも大半を占める。当社は店舗数の99%がフランチャイズ店舗であるため、同事業の売上高はフランチャイジーへの商品卸売・ライセンス料などが主力。直近の2022年は国内オートバックス事業以外は赤字であり、同事業が稼ぎ頭。

✔最終利益と利益率

オートバックスセブンの純利益は2019年まで30億~55億円ほどで推移していたが、2021年以降は70億円以上に増加*2。営業利益率も緩やかな改善傾向にあり、直近では5%ほどの水準。
*2:2021年以降の業績好調の要因は、①COVID-19感染拡大後の自動車移動の増加によるカー用品需要増、②新車生産台数の低迷による低年式車両のメンテナンス需要増、③戦略的な販管費削減によるコスト体質改善、が理由。

✔自己資本比率と純資産

オートバックスセブンの自己資本比率は60%以上で長期的に推移しており、財務基盤は安定的。純資産は1,200億円レベルで長期的に横這い。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

オートバックスセブンの平均年収は長期的に690万~740万円ほどで安定。総合職の場合、30歳で年収450万~550万円、課長職レベルで年収750万~900万円が目安。給与制度は年棒制かつ退職金が含みとなっている。平均年齢は直近で44.9歳と、やや高齢化が進んでいる。

✔従業員数と勤続年数

オートバックスセブンの単体従業員数は2017年以降は1,000人前後で推移。街中のオートバックス店舗の99%はフランチャイジー会社の経営であるため、当社の従業員は本社部門がほとんど。平均勤続年数は直近で16.3年と大手メーカー並みの長さ。

総合評価

企業格付け:C

■業績動向
安定。全盛期の2007年頃と比べると規模感はやや縮小したが、直近8年間は売上高・利益いずれも回復傾向。利益も安定しており、2008年の純損失34億円を計上してから約15年に渡って純利益30億~70億円を確保しつづけている。直営店を極力持たないことで、店舗維持の設備投資・人件費についても直営5店舗分のみで済む点は長所。

■財務体質
良好。安定的な利益を活かして自己資本比率60%以上を長年に渡って維持し続けており、手元の現預金は直近で245億円ほどを確保。有利子負債は100億円未満に留めており、負債に依存しない事業運営を志向。直営店舗は5店舗のみだが、東日本・西日本にそれぞれ自前の大型物流施設を保有。

■ビジネス動向
2032年までの長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」を策定。売上高を約2倍となる5,000億円まで増やすべく、①電気自動車ディーラー事業へのテコ入れ、②オンライン販売・店舗販売の連携化、③マイクロモビリティ事業への参入、などを掲げる。2022年には中国BYDとタッグを組んでバックス・E-モビリティを設立。練馬・宇都宮などにBYDディーラーの出店を開始。

就職格付け:CC

■給与水準
平均年収700万円以上で安定しており、業界最高レベル。が、これには理由があり、①直営店が5店舗のみで総合職が大半である点、②退職金制度の代わりにライフプラン手当を支給することで給与が増えている点、③平均年齢44.9歳と給与水準が高めの中高年社員が多い点、が主要因。課長職レベルなら年収900万円前後となるため、業界内では最高峰の給与水準。

■福利厚生
企業規模相応。会社都合の転勤者には借上げ社宅が与えられ、自己負担は月2万円ほど。入社時に片道2時間以上の通勤を要する社員には5年間に限り、家賃補助が支給される。一般社員にも業績連動インセンティブがある。資格取得・自己研鑽に対して年間10万円分まで支援金を支給。平均残業時間は6時間に過ぎず、残業が少ない文化。

■キャリア
入社後は直営店舗に配属され、まずは店頭オペレーションの基礎を学ぶ(最大3年間)。その後は適性に応じて、マーケティング・バイヤー・経営企画・人事・ITなどの部署に配属。ローテーションにより多様な職種を経験することが求められるが、才覚を発揮した場合には専門職コースへの切替も一応可能。総合職が従業員の大半を占めるため、課長職レベルへの昇進はそれなりの実力が求められる。

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