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小売流通会社

ヤマダホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ヤマダホールディングスは、家電量販店「ヤマダ電機」を展開する大手小売企業。1973年に夫婦2人の個人商店として群馬県前橋市で創業。当初は普通の家電量販店に過ぎなかったが、1980年代に大型店舗開発・POSシステム・自前物流網によって低コスト&大量販売体制を実現。他社よりも高く仕入れて安く売るビジネスモデルで、電機メーカー・消費者のニーズを掴んで急成長を果たした。現在では売上高1.6兆円・国内770店舗以上を誇り、家電量販店として断トツ首位。注文住宅やリフォームも手掛ける。

POINT

・家電業界で売上高・店舗数いずれも断トツ首位、地方都市の郊外型店舗に強み
・売上高・利益は安定的、財務体質も業界平均レベルで良好
・一般社員で年収400万円ほど、店長クラスで年収600万円が目安

業績動向

✔売上高と営業利益

ヤマダホールディングスの売上高は1.6兆円レベルで長年に渡って安定。営業利益も270億〜570億円ほどで概ね安定。2020年のみCOVID-19特需により営業利益920億円まで一時急増*1したが、直近2年で元に戻っている。
*1:2020年の業績好調は、COVID-19感染拡大期における巣篭もり需要が主要因。外出自粛の長期化によって家庭消費の矛先が家電製品に向いたことが業績の追い風となった。政府から支給された特別定額給付金の使い道に家電製品が多かったことも一因。

✔セグメント別の状況

ヤマダホールディングスは、デンキ事業(家電・情報家電の販売、リフォーム、家具・インテリア商品販売など)、住建事業(戸建て住宅販売、住宅設備機器の製造・販売)、金融事業(住宅・リフォーム金融、資金決済、保険など)、環境事業(家電製品リユース・リサイクル)、その他事業、の5事業を有する。
当社は「暮らしまるごと」をコンセプトに住宅・家具・生活用品への積極進出を図っており、住建事業へのテコ入れを急いでいる。そのため、デンキ事業が売上高・利益の70%以上を占めつつも、住建事業の存在感も大きい。住建事業は高単価かつ利益率も良いため、戦略事業としての位置付けを強めている。

✔最終利益と利益率

ヤマダホールディングスの純利益は2018年を除けば、250億〜500億円ほどで安定的。営業利益率はCOVID-19による特需期間を除けば、おおよそ2%〜3%ほど。

✔自己資本比率と純資産

ヤマダホールディングスの自己資本比率は長期的に45%〜55%の水準で推移。利益の安定性を鑑みれば財務健全性は十分。純資産は2021年まで増加していたが、直近ではやや減少。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ヤマダホールディングスの平均年収は直近3年間は530万円前後で推移しているが、これは持株会社の600人の平均年収。事業会社の総合職の場合で、入社4年目以降のフロア長で年収500万円、店長で年収600万が目安。実力がなければ昇進はないため給与も頭打ち。

✔従業員数と勤続年数

ヤマダホールディングスの単体従業員数は2020年の持株会社制への移行によって急減しており、直近の2022年は600人のみ。事業会社も含めた連結従業員数は2.52万人ほど。平均勤続年数は直近で11.4年とやや短め。

総合評価

企業格付け:DD

■業績動向
安定。直近8年間は売上高は1.6兆円規模でド安定。良くも悪くも、好景気・不景気いずれにおける変動が少ない。2020年にはCOVID-19感染拡大期の外出自粛によって巣籠り特需が発生。外出自粛で浮いた行楽費が家電消費に向かったことで急激な増益を享受。しかし、COVID-19感染収束が進むにつれて、もともとの利益水準へと戻りつつある。

■財務体質
普通。自己資本比率は47%とそこそこ高めの水準だが、家電量販店としては普通の水準。家電量販店故に土地建物(固定資産)・商品在庫(棚卸資産)を多く抱えている事情があり、直近では総資産1.2兆円のうち固定資産4,395億・棚卸資産3,461億円と巨額。

■ビジネス動向
家電量販店としての成長は頭打ちであるため、市場規模が大きい住宅・家具・生活用品への拡大を狙う。住宅分野ではエスバイエルホームを買収、家具分野では大塚家具を吸収合併。特に住宅分野は高単価であるうえ、家電とセットでの販売が見込めるために期待大。長期的には、地盤とする地方都市の人口減少が不安。

就職格付け:EE

■給与水準
持株会社の従業員の平均年収でも525万円に留まる。2019年までは事業会社の一般社員も含んだ平均年収であったが、当時の平均年収も445万円ほど。フロア長になれば年収500万円には届くが、年収600万円を超えるなら店長クラスに就任する必要がある。店長クラスになると店舗業績により給与が大きく変動するため、どの店舗の店長になるかは重要。

■福利厚生
会社都合の転勤をした社員のみ住宅手当・家賃補助あり。配属先の都道府県によって地域手当が8,500円〜27,000円まで支給される。従業員割引制度により、家電製品を多少は安く買うこともできる。業界トップの上場企業ということもあり、残業時間には気を使っており勤務管理には厳しめ。

■キャリア
入社後は店舗に配属され、まずは一般消費者・法人向け営業活動に従事する。その後はフロア長・店長へと昇進を目指すことになるが、勤務年数による一律昇進はないため実力次第。フロア長よりも上になるとマネジメント能力が問われるため、営業センスだけでは出世できない。

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