カテゴリー
コンサルティング

【勝ち組?】船井総研の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

船井総研ホールディングスは、独立系のコンサルティング会社。1970年に船井幸雄が流通業向けコンサルティング会社として創業、1972年に出版した”変身商法”がベストセラーとなったことで業容を拡大。1985年には船井総合研究所へと改名、流通業以外への経営コンサルティングにも進出。日本国内の中小企業を主要顧客としており、①コンサルタントが定期訪問する顧問契約コンサルティング、②会員経営者を集めて開催する経営研究会、③特定課題を解決する為のプロジェクト型コンサルティング、などを提供。

POINT

・中小企業に特化した経営コンサルティング会社、大阪に本社を置く
・売上高・利益いずれも成長基調、財務体質は自己資本比率80%以上で堅実
・平均年収669万円、自分で稼いだ粗利によって年収が決まる

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:60(中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用数は年間100名~150名と中堅コンサル会社としては門戸は相当以上に広い。最近のコンサル人気によって難化傾向にあるが、採用数が多いために狙い目ではあるかもしれない。
採用大学:【国公立】大阪大学・神戸大学・広島大学・横浜国立大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・明治大学・立教大学・法政大学・関西大学・学習院大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

船井総研ホールディングスの売上高は2019年~2021年まで減少傾向がみられたが、同年以降は成長傾向に転換*1。2024年には過去最高となる売上高306億円に到達。営業利益も2021年から増加が続いており、2024年には過去最高となる83.2億円に到達。
*1:2019年以降の売上高の停滞は会計基準の変更が主要因。2020年3月31日から収益認識に関する会計基準が新たに適用され、同基準に従ったことが変化点(参考リンク)。

✔セグメント別の状況

船井総研ホールディングスは、経営コンサルティング事業(企業経営アドバイザリー・企業診断コンサルティング・会員制経営研究会・セミナーなど)、ロジスティクス事業(物流コンサルティング、物流業務の設計・構築・運用)、その他(ITコンサルティング・コールセンターコンサルティング・ダイレクトリクルーティングなど)、の3事業を有する。
当社は中小企業向けの経営コンサルティング・物流コンサルティング・その他コンサルティングの3分野に注力。売上高の約73%が経営コンサルティングである一方、重点領域としている物流コンサルティングの売上高でも約14%を稼いでおり、特定分野に依存しない事業展開を志向。

✔最終利益と利益率

船井総研ホールディングスの純利益は緩やかな増加傾向が継続しており、2024年には過去最高となる59.9億円に到達。営業利益率は20%~28%ほどの高水準で安定的に推移している。

✔自己資本比率と純資産

船井総研ホールディングスの自己資本比率は長年に渡って80%前後での推移が続いており、財務体質は極めて健全。純資産は2022年まで増加傾向が続いていたが、同年の277億円をピークに停滞している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

船井総研ホールディングスの平均年収は660万~690万円ほどで推移しており、コンサルティング業界としては中庸な水準。入社初年度の年収は360万円ほどだが、その後は完全実力主義の給与制度。自分で稼いだ粗利の約20%が給与として還元されるため、粗利を意識して業務遂行することが求められる。

✔従業員数と勤続年数

船井総研ホールディングスの従業員数は100人ほどで推移しており、従業員の殆どは事業会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1,530人ほど。平均勤続年数は9.4年(2023年)とやや短めだが、コンサルティング会社としてはそこそこ長め。

総合評価

企業格付け:CC

大阪に本社を置く独立系の経営コンサルティングファーム。中小企業向けコンサルティング会社としては国内最大手の一角であり、財務・人材・IT・物流など多角的アプローチによって企業課題を解決できる点が強み。業績においては長年に渡って成長基調が続いており、売上高・利益いずれも過去最高を更新。創業当時は流通業向けのマーケティングコンサルティングに特化していたが、業績拡大と共に対応分野を拡大。現在ではあらゆる業態の中小企業の経営課題に対応できる一大ファームにまで発展を遂げている。財務体質においても極めて堅実であり、自己資本比率80%前後の高水準を長年に渡って維持し続けている。時代ごとに変化する中小企業の経営課題を機敏に捉える点にも秀でており、2023年2月には新たな中期経営計画を策定。新たに「中堅・中小企業を中心としたデジタル×総合経営コンサルティング」を掲げ、DXコンサルティング・デジタルソリューションの領域に注力する方針を示している(参考リンク)。

就職格付け:C

中小企業向けコンサルティングファームとしては国内有数。創業一族である船井家が筆頭株主として発行済み株式数の10%強を保有しているが、現在では船井家の影響力はそこまで強くはない状態。創業社長が一代で築き上げたコンサルティングファームでありながら、良い意味で創業一族からの独り立ちができた企業でもある。給与水準においては、平均年収600万円台が定着しておりコンサルティング会社としては中庸な水準。売上高の粗利からインセンティブが支給される仕組みである為、個々人のコンサルティング能力だけでなく営業力が非常に試される企業文化である。福利厚生も希薄であり、家賃補助制度はない。自宅が片道2時間以上離れている場合には社宅が提供されるが、それも入社2年目までとなっている。大卒総合職の初任給は29.5万円/月だが、これは固定残業代45時間が含まれた金額。手当を差し引いた実質的な初任給は21.5万円/月である。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:株式会社船井総研ホールディングス(有価証券報告書)