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ドリームインキュベータの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ドリームインキュベータは、独立系の戦略コンサルティングファーム・ベンチャーキャピタル。創業者の堀紘一がハーバード大学でMBAを取得後、ボストンコンサルティンググループを経て2000年に創業。戦略コンサルティングの枠を超えた”ビジネスプロデュース”を社是とし、業界を横断した新事業創造を主力事業する。戦略コンサルティングにおける主要クライアントは日系大企業・政府機関など。インキュベーションにも熱心であり、ベンチャーキャピタルとしてスタートアップ企業への出資・支援も手掛ける。2021年には電通グループからの出資を受けて資本業務提携、電通グループが発行済み株式数の約22%を保有する筆頭株主となった(参考リンク)。

POINT

1.日系戦略コンサルティングファーム、ベンチャーキャピタルとしての顔も
2.業績は連結子会社の成長・売却で好調、財務体質は自己資本比率68.5%まで増加
3.平均年収1,000万円以上、2022年は特別賞与により1,776万円に急増

業績動向

✔売上高と営業利益

ドリームインキュベータの売上高は長年に渡って成長基調が続いてきた*1が、2023年1月にアイペット損害保険を売却したことで売上高301億円にやや減少*1。営業利益は▲10億円~18億円のレンジで安定しているが、売上高と比べると地味な推移*2。
*1:ドリームインキュベータの売上高の増加は、連結子会社のアイペット損害保険の成長が主要因。初回資金を注入した2010年からアイペット損害保険の売上高は約11倍に増加。連結決算を通してドリームインキュベータの売上高の増加に貢献。
*2:売上高の急成長に反して営業利益が伸び悩んでいるのは、①アイペット損害保険が規模拡大の割に利益が伸びなかった点、②ベンチャー投資における赤字が他事業の利益を相殺した点、が要因。

✔セグメント別の状況

ドリームインキュベータはビジネスプロデュース事業(大企業向け戦略コンサルティング・M&Aファイナンシャルアドバイザリー・ソーシャルインパクトボンドなど)、ベンチャー投資事業(スタートアップ事業への投資)、ペットライフスタイル事業(連結子会社アイペットホールディングスの展開するペット向け医療保険事業など)、の3事業を有する。
ドリームインキュベータの売上高の約81%は2011年に買収して事業育成したアイペット損害保険が占めている。ビジネスプロデュース事業・ベンチャー投資事業が売上高に占める割合は合計しても約19%に過ぎないが、利益では約67%を占める。2022年にアイペット損害保険を売却した為、翌年以降は事業構造が大きく変化する見通し。

✔最終利益と利益率

ドリームインキュベータの純利益は▲21~10億円ほどのレンジで推移していたが、2022年にはアイペット損害保険の売却で純利益116億円に到達*3。営業利益率は▲3~10%前後で推移しているが、業績におけるアイペット損害保険の売上高が大きすぎるために本業のビジネスプロデュース事業の利益率が低く見えている点には注意。
*3:2023年1月に第一生命ホールディングスがアイペット損害保険へのTOBを発表。株価2,390円に対して1株3,550円で買付したことで、ドリームインキュベータは特別利益182億円を得た。

✔自己資本比率と純資産

ドリームインキュベータの自己資本比率は長年に渡って右肩下がりが続いていたが、2022年に大きな純利益を確保したことで自己資本比率68.5%に急伸。純資産は長年に渡って120億円前後での横這いが続いていたが、2022年位は純資産219億円に急増。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ドリームインキュベータの平均年収は1,000万円ほどで安定的に推移しているが、2022年には平均年収1,776万円に急増*3。ビジネスプロデューサー職(世間でいうコンサルタント職)であれば30代で1,000万円を優に超え、課長級で年収1,500万円を越える。

✔従業員数と勤続年数

ドリームインキュベータの従業員数は100人ほどで推移しており、極めて少数精鋭の組織。新卒採用においても年間10名未満の採用人数となっており、入社難易度は極めて高い。平均勤続年数は3.7年前後とかなり短めの水準。

総合評価

企業格付け:AAA

日系戦略コンサルティングファームとして著名であり、名だたる大手企業を顧客としてビジネスプロデュース事業を展開。事業創造・産業創造に焦点を当てた独自路線を採っており、①戦略コンサルティングを通した大企業との事業創造、②ベンチャーキャピタルを通したスタートアップ企業との事業創造、といずれも新たなビジネスをゼロから創出することを目的としている。業績は売上高が右肩上がりで推移しているが、これは投資先であったアイペット損害保険の成長が主要因。2023年1月にアイペット損害保険を売却したことで、2023年以降は売上高が大きく低落する見通し。財務体質は長年に渡って自己資本比率の低下が続いていたが、アイペット損害保険の売却で巨額の利益を得たことで一気に好転しており、当面は安泰。

就職格付け:S

戦略コンサルティングファームとしての機能に加えて、自ら身を切ってベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルとして事業創造を実践する稀有な企業。コンサルティング企業として顧客企業を支援するだけでなく、事業創造を目指して自らリスクを取ってベンチャー企業へ投資する実戦型企業である。給与水準はビジネスプロデュース職(いわゆるコンサルタント職)であれば、20代後半には年収800万円を優に超え、30代には年収1,000万円を越える。2023年にはアイペット損害保険の売却で得た巨額の利益を従業員にも還元したことで、平均年収1,776万円にまで急上昇。福利厚生は大手企業並みの水準であるが、借上社宅制度では家賃が額面から天引きされるため、節税効果も。平均勤続年数が5年未満と極めて短いが、戦略コンサルティングファームであるが故に起業やハイクラス転職などの前向きな離職が多い背後事情も。2020年にはDIアルムナイ・ネットワークを設立し、過去に在籍していたOB社員との交流ネットワーク構築を開始。

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