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【勝ち組?】東急不動産の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

東急不動産ホールディングスは、東急グループに属する大手総合不動産デベロッパー。1953年に東京急行電鉄(現・東急)から分離独立して設立された。1910年代から大規模な不動産開発に取り組んできた名門企業。現在でも不動産業界上位5社に数えられ、電鉄系の不動産会社としては傑出した規模を誇る。マンション・オフィスビル・商業施設・リゾートまで幅広く手掛けており、近年では渋谷大規模再開発を主導して渋谷スクランブルスクエアなどの整備に取り組んでいる。

POINT

・業界5位の大手総合不動産デベロッパー、電鉄系としては最大手
・COVID-19感染拡大から復活して売上高1兆円越えは目前
・大卒総合職なら年収1,000万円に横並びで到達、企業ブランドも高い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:74(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

財閥系不動産ディベロッパーに比べるとやや下がるが、総合職の採用人数は年間30人ほどと門戸が狭い。総合職は東京大学・慶應義塾大学・早稲田大学などで固められており、国内最高峰レベルの人材が集結。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・一橋大学・大阪大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・国際基督教大学など(出典:unistyle

業績動向

✔売上高と営業利益

東急不動産ホールディングスの売上高は緩やかな増加基調が続いており、2022年には1兆円の大台を突破。営業利益も2020年を除けば*1、売上高に連動して成長しており、直近では1,202億円に到達。
*1:2020年はCOVID-19感染拡大による外出規制で、リゾートを主力とするウェルネス事業と東急ハンズ事業の採算が悪化。これら2事業で営業損失396億円を計上した事情による。

✔セグメント別の状況

東急不動産ホールディングスは都市開発事業(オフィスビル・商業施設の開発・賃貸、マンション開発分譲など)、戦略投資事業(再エネ発電施設・物流施設の開発、REIT・ファンド運営、海外不動産投資など)、管理運営事業(マンション・ビルの総合管理・改修工事、会員制リゾートホテル・ゴルフ場・スキー場など)、不動産流通事業(不動産売買仲介、販売代理など)、の4事業を有する。
東急不動産ホールディングスの売上高の柱は管理運営事業であり、マンション・ビル・リゾートホテルの管理運営による売上高が約38%を占めている。新規物件を分譲するだけでなく、過去の物件の運営による収益も得られるのは強みである。

✔最終利益と利益率

東急不動産ホールディングスの純利益は売上高に連動する形で右肩上がりで増加。直近の2023年には純利益685億円に到達している。営業利益率は6%~10%ほどで推移しており、不動産会社としてはまずまずの水準。

✔自己資本比率と純資産

東急不動産ホールディングスの自己資本比率は直近で24.8%とかなり少なめだが、これは大手総合不動産デベロッパーとしては標準的な水準*2。純資産は過去10年以上に渡って増加基調を維持、直近では7,719億円に到達。
*2:不動産デベロッパーは投資額が巨額に及び、投資期間も長期に渡るためため長期借入金などの資金調達で賄うことが多く、自己資本比率は高まりにくい傾向がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

東急不動産ホールディングスの平均年収は直近で1030万円と高水準だが、これは持株会社の89名のみの平均年収。大卒総合職は30歳で850万~950万円ほど、課長職レベルで1,200万~1,300万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

東急ホールディングスの単体従業員数は100名以下で推移しており、従業員の殆どは事業会社に属している。子会社・関連会社を含めた連結従業員数は2.16万人ほど。平均勤続年数は右肩下がりで減少して14.3年となっているが、これは持株会社の89名のみの平均勤続年数であるため参考にならない。

総合評価

企業格付け:AA

■業界ポジション
業界上位の大手総合不動産デベロッパー、1910年代から東京都周辺で不動産開発を手掛けてきた名門企業であり、戦後は東京一極集中の加速が追い風に。歴史的経緯から都内に100以上のオフィスビル・商業施設を保有しており、リゾートホテルやREITファンド運営など大手総合不動産デベロッパーに恥じない事業展開と高い競争力を誇る。最近では、東急グループのお膝元である渋谷が日本有数のIT集積地・文化発信地として発展したことを契機に、渋谷の大規模再開発に着手。

■業績動向
拡大基調。COVID-19感染拡大期には減益に沈んだが、2021年以降には回復。2023年には売上高・営業利益・純利益いずれも過去最高を記録。最大地盤である渋谷圏におけるビル賃貸は勿論、その他の商業施設・ホテルなども好調。世界的な金利上昇が懸念ではあるものの、足元の業績は良好そのものである。

■財務体質
良好。自己資本比率は直近で24.8%(2023年)とそれほど高くはないが、これは不動産業が負債を活用して不動産を取得するビジネスモデルゆえに仕方がない。利益は例年安定しているうえ、当社は東京・渋谷エリアを中核として都心部に数多くの優良不動産を保有しており、含み益は莫大。一時的に業績悪化したとしても余裕で耐え凌げる財務基盤と資産はある。

就職格付け:AA

■給与水準
直近の平均年収は1,030万円と、財閥系大手不動産デベロッパーには及ばないものの不動産業界上位。大卒総合職は30歳で850万~950万円ほど、課長職レベルで1,200万~1,300万円ほど。最近では年功序列色を薄めており、実力があれば早期昇格しやすくなっている。

■福利厚生
まずまず。若手社員向けには家賃補助制度があるが月額5万円ほどと高額ではない。大手不動産会社の割には独身寮・社宅がないのはやや残念。東急ハーヴェストクラブなど東急グループの施設を優待価格で利用できる。

■キャリア
総合職採用のみ。入社後は住宅部門・リゾート部門など各部門に配置されるが、総合職はローテーションを経ながら各部門を巡ることが基本。入社10年目前後までは各部門を経験しながら人脈・専門性を高めていき、その後は実力に応じて昇格ペースが分かれていく。東急グループの企業ではあるが、現経営陣の殆どは当社プロパー入社であり、親会社からの天下り人事が稀である点は大きな美点だろう。

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出典:東急不動産ホールディングス株式会社(有価証券報告書)