本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
東レは、繊維材料・化成品・炭素繊維などを製造する大手繊維メーカー。1926年に三井物産がレーヨンの国産化を目的として設立。1930年代にはレーヨンの生産拡大を進め、化学繊維の普及に多大な貢献を果たした。1950年代には合成繊維の生産に乗り出し、米・デュポン社との契約に基づきナイロン繊維の生産を本格化。1990年代には炭素繊維・先端材料などへの事業拡大を本格化することで、繊維事業への依存を低減。現在では、繊維材料・機能化成品・炭素繊維などを幅広く展開する総合素材メーカーとして、多種多様な素材製品を展開。炭素繊維では世界シェア首位を誇り、米・ボーイング社に航空材料として納入する航空部品サプライヤーでもある。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:68(上位)
繊維業界のトップ企業であり、一般知名度は高い。ただし、業績横ばいで利益率も高くはなく、従業員の待遇も企業規模なり。企業イメージ先行の感は否めない。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
総合職の採用数は年間150人~200人とそこそこ多め。理系採用枠においては数多くの大学から幅広く採用しているが、文系採用枠は40人ほどのため難易度はより高くなる。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・名古屋大学・九州大学・北海道大学・神戸大学・千葉大学・岡山大学・大阪公立大学・名古屋工業大学・京都工芸繊維大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・同志社大学・東京理科大学・武庫川女子大学など(出典:大学通信オンライン)
業績動向
✔売上高と営業利益
東レの売上高は2021年に1.88兆円に下落したが、同年以降は2.2兆~2.5兆円のレンジで推移している*1。営業利益は2018年に過去最高となる1,564億円に到達したが、同年以降は伸び悩む。2021年・2024年のみ営業利益500億円台に下落しているが、同年を除けば1,000億~1,560億円ほどで推移している。
*1:2021年に売上高1.88兆円まで急落した理由は、COVID-19感染拡大による影響(参考リンク)。外出制限による服飾需要の急減で繊維事業が打撃を受けた他、渡航制限による航空需要の激減で米・ボーイング社向けの炭素繊維の需要も急減する事態に陥った。
✔セグメント別の状況
東レは、繊維事業(ナイロン・ポリエステル・アクリル・不織布・人工皮革など)、機能化成品事業(樹脂・樹脂化成品・フィルム加工品・ファインケミカルなど)、炭素繊維複合材事業(炭素繊維・複合材・成形品)、環境エンジニアリング事業(エンジニアリング・マンション・産業機械・情報機器・住宅材料など)、その他事業(医薬品・医療機器など)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、一般的に抱かれがちな「繊維メーカー」という印象よりもはるかに広く、実態としては高機能素材を中核とする総合材料メーカーとなっている。祖業である繊維事業は現在でも売上高の約37%・利益の約36%を占め、今なお重要な収益源である。1990年代から日本の繊維業界は斜陽化が著しいが、当社は付加価値の高い繊維製品に特化することで繊維事業を維持しており、ファーストリテイリングと連携した新商品開発にも注力(参考リンク)。他方で、繊維事業で培った高分子化学と加工技術を活かして、自動車・航空機・電子部材・水インフラといった成長分野にも事業多角化を進めている。炭素繊維複合材料は軽量化需要の高まりによって航空宇宙・モビリティ分野で存在感を持ち、水処理膜も世界的な水需要の拡大を追い風として、当社の技術力を象徴する事業となっている。すなわち当社は、繊維で安定収益を確保しつつ、先端素材や環境分野で成長を取り込む構造を築いている。
✔最終利益と利益率
東レの純利益は2016年に過去最高となる994億円を記録したが、同年以降は伸び悩む。過去8年間においては2021年・2024年を除けば720億~840億円ほどで推移している*2。営業利益率は2%~5%ほどで推移しており、利益率はそれほど高くない。
*2:2021年・2024年に純利益が急減した理由は、①機能化成品の販売低迷による利益急減、②欧米における風力発電所の着工減少による炭素繊維の販売減少、③買収した炭素繊維メーカーにおける減損損失の計上(参考リンク)、など。
✔自己資本比率と純資産
東レの自己資本比率は2020年から緩やかな増加傾向にあり、2025年には51.9%と健全な水準。負債に依存しすぎない事業運営ができており、財務健全性に特段の不安はない。純資産は2021年から増加傾向が続いており、2024年には1.84兆円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
東レの平均年収は2024年まで670万〜760万円ほどで推移していたが、2025年は820万円に上振れ。総合職の場合、30歳で年収650万〜750万円ほど、課長職レベルで年収900万〜1,100万円が目安となる。平均年齢は2021年から増加傾向にあり、2025年は40.8歳となっている。
✔従業員数と勤続年数
東レの単体従業員数は2017年から減少傾向がみられ、2024年は7,010人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4.8万人ほど。平均勤続年数は17.7年(2025年)と大手企業の標準的な水準をやや上回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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