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【勝ち組?】日本オラクルの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

日本オラクルは、データベース管理システムなどの企業向けソフトウェアを開発・販売する大手IT企業。米オラクルの日本法人として1985年設立。外資系IT企業には珍しく日本国内で株式公開されており、2000年に東証一部に株式上場。最主力のデータベース管理システムでは世界首位級、ERP・CRM・SCMソフトウェアにも注力。2010年にはプログラミング言語Javaを生み出した米サン・マイクロシステムズを買収、同社のハードウェア事業を取り込むことでソフトウェア・ハードウェアを一貫提供できる体制を確立。

POINT

・データベース分野で世界首位級のIT企業、クラウド分野にも注力
・売上高・利益いずれも安定成長で過去最高圏、利益率も高いうえ財務も堅い
・平均年収1,160万円程度と高待遇、高い人材価値を得られる点も魅力

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:75(最高峰)

日本企業における最高峰クラスのキャリアであり、誰もが勝ち組として認めるレベルの待遇・名声が得られる。入社するためには人並み外れた能力・努力は当然、運も必要である。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用数は年間10人~50人ほど、ただし大量採用の年度もあれば採用縮小の年度もある。中途採用枠が多い為に必ずしも新卒入社にこだわる必要はない。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・東京工業大学・大阪大学・名古屋大学・名古屋工業大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・東京理科大学・明治学院大学など(出典:ワンキャリア

業績動向

✔売上高と営業利益

日本オラクルの売上高は緩やかな成長基調が続いており、2022年には2,445億円に到達*1。営業利益も売上高に比例して緩やかな増加傾向が続いており、直近では過去最高となる798億円に到達。
*1:日本オラクルの売上高は1991年時点では14億円に過ぎなかったが、1994年には100億円を突破。1999年には500億円を上回り、過去30年以上に渡って成長基調を維持している。

✔セグメント別の状況

日本オラクルはクラウド&ライセンス事業(データベース管理ソフトウェア・ミドルウェア・アプリケーションなど)、ハードウェア・システムズ事業(サーバー・ストレージ・ネットワーク機器の販売およびサポートなど)、サービス事業(コンサルティング・カスタマーサポートなど)の3事業を有する。
当社は売上高・利益いずれもクラウド&ライセンス事業が主力。祖業であるデータベース管理ソフトウェアに加えて、最近ではクラウド分野にも注力。2022年からはデジタル庁が主導するガバメント・クラウド事業のサービス提供事業者にも選定され、政府・自治体向けサービスも展開(参考リンク)。

✔最終利益と利益率

日本オラクルの純利益は売上高に連動して成長基調ではあり、2023年には過去最高となる556億円に到達。営業利益率は常30%~35%レベルで安定しており、高利益率を安定的に確保できている。

✔自己資本比率と純資産

日本オラクルの自己資本比率は50%~65%のレンジで安定的に推移、安定した利益体質もあわせて考えれば非常に堅実な財務体質。純資産は増加と急落を繰り返す独特の推移だが、これは日本オラクル独自の株主配当戦略に起因しており問題はない*2。
*2:日本オラクルは株主還元として巨額の特別配当金を支払う時があり、2021年は単年で1,469億円を配当金に支出したことで純資産が急落。実質的には日本オラクルの筆頭株主である米・オラクルへの還元でもある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本オラクルの平均年収は1,000万円以上の水準で高位安定、2023年は1,160万円に到達。総合職であれば30代前半で年収1,000万円ほど、マネージャーに昇格すると年収1,200万~1,400万円に到達する。年功序列による昇給はなく、実績と成果に応じて給与額が決定する。

✔従業員数と勤続年数

日本オラクルの従業員数は過去8年間に渡って2,400人~2,500人レベルで安定していたが、直近の2023年には2,257人に減少。平均勤続年数は9.9年と短いが、外資系企業かつIT業界という企業特性から人材の流動性が高いため仕方がない。

総合評価

企業格付け:AA

1990年代から2000年代にかけては米・マイクロソフトと共に世界トップのIT企業として君臨していた企業。当時と比べれば地味になったとはいえ、現在でも世界時価総額トップ50社にはある超グローバル企業の一角。当社にとって強みがあるデータベース分野はあらゆるITシステムの根幹を支える機能であり、現代社会において必要不可欠であり続けることは必定。業績も高利益率が伴ったうえでの成長基調が続いており、財務も堅牢という優れた企業。強いて言えば、データベース環境のトレンド変化は不安。オラクルはオンプレミス型(自社所有)データベースでは首位級だが、クラウド型データベースでは米アマゾンや米マイクロソフトの後塵を拝する。顧客のクラウド志向化トレンドが長期的に続いた場合にはやや不安も。

就職格付け:AA

IT業界における最高峰の企業の1社。データベース分野やJava分野において、現在のIT業界の根幹を支える製品を生み出してきた革新的企業であり、IT業界で知らない人はいない名門企業。高い利益率に裏打ちされた恵まれた給与水準により平均年収1,000万円以上と厚遇であることは勿論、データベース系の知見を蓄積できることでIT業界における高い人材価値を獲得できることも魅力。大卒初任給は年棒制で464万円/年と一見すると外資系コンサル会社よりも見劣りするが、年4回のボーナスがインセンティブとして別途支給される。ただし、実力主義のため昇格すれば給与は上がる反面、年功序列による昇給はまったく期待できない点には注意。BtoBビジネスが主力の企業であるため一般知名度は低めであり、マイクロソフト・Amazonなどのビッグテックと比べると世間体は高くないが、一定以上のリテラシーがある社会人ならば誰もが知る超優良企業であるため気にする必要はない。

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出典:日本オラクル株式会社(有価証券報告書)