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重工メーカー

【勝ち組?】小松製作所の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

小松製作所は、建設機械・鉱山機械などを幅広く製造する総合重機械メーカー。1917年に吉田茂の兄にあたる竹内明太郎が小松銅山操業に必要な機械製造のため小松鉄工所として創業、1921年には分離独立して小松製作所が設立された。戦前から鉱山機械・農業用トラクターなどを生産していたが、戦後にはブルドーザー・フォークリフト・ダンプトラックなど製品ラインナップを拡充。現在では世界148カ国に展開するグローバル企業であり、建機分野では米キャタピラーに次ぐ世界シェア第2位を誇る。

POINT

・世界シェア2位の建機メーカー、工作機械や防衛機器も展開
・売上高・営業利益いずれも急拡大、堅調な建機需要と資源価格高騰が追い風
・平均年収780万円だが大卒総合職は30代・800万円以上、借上げ社宅の恩恵大

就職偏差値

70(最上位)

日本企業における最上位クラスの1社であり、数多ある大企業の中でも特筆すべき存在。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

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業績動向

✔営業収益と営業利益

小松製作所の売上高は成長基調が続いており、2023年には過去最高となる3.86兆円に到達*1。営業利益も2021年から増加傾向が続いており、直近では6,071億円に到達して過去最高を更新。
*1:売上高が急増している要因は、①COVID-19感染終息後の世界的な建機需要の急回復、②2021年以降の資源価格の急騰による資源投資の活性化による鉱山機械・運搬機械の販売増加、③販売価格の値上げ浸透による単価上昇、④為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

小松製作所は建設機械・車両事業(掘削機械・積込機械・運搬機械・整地機械・鉱山機械・地下建設機械・エンジンほか)、リテールファイナンス事業(販売金融)、産業機械他事業(鍛造機械・板金機械・工作機械・防衛機器など)の3事業を有する。
小松製作所のコア事業は建設機械・車両事業であり、売上高・利益のそれぞれ約90%を占める。重機製造で培った技術をベースに工作機械や防衛機器も展開するが、売上高・利益に占める比率は精々10%に満たない。自衛隊向け装甲車両の開発からは撤退を予定。

✔最終利益と利益率

小松製作所の純利益は2021年から増加傾向が続いており、直近の2022年には純利益3,934億円に急増して過去最高益を更新。営業利益率は概ね10%以上で推移しており、大手メーカーとしては良好な利益率を確保できている。

✔自己資本比率と純資産

小松製作所の自己資本比率は、過去8年間に渡って50%近傍で推移しており良好。業績成長を果たしつつも負債に依存しすぎない財務規律を維持できている。純資産は堅調な増加を継続しており、直近では3.2兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

小松製作所の平均年収は700万円台で横ばいの推移が継続。大卒総合職であれば30代前半で700~850万円ほど、課長職レベルなら1,000万~1,200万円ほど。平均年齢は直近で40.4歳、大手メーカーとしては標準的な水準。

✔従業員数と勤続年数

小松製作所の単体従業員数は微増傾向にあり、直近では1.22万人まで増加。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は6.43万人ほど。平均勤続年数は16.4年と大手メーカーとしては標準的な水準に留まっている。

総合評価

企業格付け:AA

■業界ポジション
グローバル建機業界で米キャタピラーに次ぐ第2位に位置する首位級メーカー。米キャタピラーの売上高の規模はコマツの2倍以上あるため業界2位の座は当面不変。日本国内におけるライバルにはクボタ・神戸製鋼所・日立建機などがあるが、得意領域はあまり被らない。

■業績動向
好調。売上高・利益いずれも過去最高圏を推移しており、足元の業績は好調そのもの。為替レートの円安は勿論、建設機械・鉱山機械がいずれも販売好調である点が追い風。2022年以降の資源価格の高騰により、資源投資が活性化しており、資源採掘に要する鉱山機械の特需が発生したことも大きい。

■財務体質
良い。自己資本比率は直近で53.8%と大手電機メーカー最上位級。業績拡大フェーズにありながら財務体質の良化も並行して実現しており、これもまた高評価。建機業界はリーマンショックなど極端な景気後退に陥ると一気に縮小する業界でもある為、不景気を乗り越えられるだけの財務基盤を固めている。。

就職格付け:A

■給与水準
直近の平均年収は780万円であり、建機業界としてはトップクラス。大卒総合職であれば30代前半で700~850万円ほど、課長職レベルなら1,000万~1,200万円ほどになる。そのうえ借上げ社宅制度により住宅コストの負担が40代まで抑制できるため、大手メーカーとしてもかなり恵まれた環境。

■福利厚生
良い。独身寮・借り上げ社宅制度が整備されており、住宅コストの負担は相当以上に軽減される。特に借り上げ社宅制度は手厚く、転勤・結婚を機会に会社負担7割・自己負担3割で借上げ社宅に居住可能(最大10万円・最大12年間)。会社名義で家賃が支払われる為、フル活用すれば額面年収+120万円/年の効果。家賃補助と異なり額面給与が増えないため税金を多く支払う必要もない。国内における製造拠点は創業地の北陸エリアに多いものの、大阪・兵庫・滋賀・湘南・栃木など多岐に渡るため地方部をを含めた全国転勤の覚悟は必要。

■キャリア
事務系総合職・技術系総合職の2職種制だが、入社後の職種を固定する職種決定コースや事業所採用などの採用枠も存在する。事務系総合職は営業・生産管理・調達・経理・人事・総務などに配属され、技術系総合職は研究開発・生産技術・サービスエンジニアなどに配属される。入社時の職種で経験を蓄積することが多いが、有望な人材は海外駐在などを通してグローバルでの幹部候補として育成される。海外売上高比率が80%以上のグローバル企業であるため英語力も当然必要。

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出典:株式会社小松製作所(有価証券報告書)