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化学メーカー

信越化学工業の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

信越化学工業は、塩化ビニル・シリコンウエハーなどを主力とする大手化学メーカー。石炭窒素を製造する為に信濃電気と日本窒素肥料が合弁会社として1926年に設立した信越窒素肥料を源流とし、戦前の1940年に現社名の信越化学工業に社名変更。塩化ビニル・合成石英・フォトマスクブランクス・シリコンウエハーなど現代社会に不可欠な素材で世界シェア1位を掌握し、レアアース・電子材料など先端素材でも世界的存在感。化学セクターで時価総額1位、全上場企業トップ10社に食い込む(2023年5月時点)。

POINT

・世界シェア首位級の製品多数の化学メーカー、化学業界で断トツの利益率
・売上高は2兆円超に急成長、利益率も高水準で財務も著しく堅実
・平均年収886万円と意外に普通だが、平均勤続年数20年超でホワイト

業績動向

✔売上高と営業利益

信越化学工業の売上高はかつて1兆円超で安定していたが、2021年以降に急成長を遂げて2兆円規模に拡大。2022年には2.81兆円に到達*1。営業利益も売上高に比例して急成長を遂げ、2022年には9,982億円に到達。
*1:業績好調の理由は、①最主力の塩化ビニール樹脂での値上げ効果、②世界的な半導体不足による半導体用シリコンウエハーの需要急増、③為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

信越化学工業は生活環境基盤事業(塩化ビニル樹脂・か性ソーダ・メタノールほか)、電子材料事業(半導体シリコン・希土類磁石・フォトレジスト・半導体封止材など)、機能材料事業(シリコン・セルロース誘導体・塩ビ酢ビ共重合成樹脂・エラストマーほか)、加工・商事・技術サービス事業(樹脂加工・技術プラント輸出など)の4事業を有する。
生活環境基盤事業が売上高の約40%を支えており、電子材料事業も売上高の約30%を抑える。需要が安定的な基盤材料を基軸に据えつつ、市況に応じて利益が乱高下する先端材料を組み合わせることで「好況期に大きく稼ぐが不況期にも底堅い」事業構造を構築できている。

✔最終利益と利益率

信越化学工業の純利益は売上高に連動して増加基調、2022年には過去最高となる7,078億円に到達。2023年はやや減益*2したが、依然として巨額の利益を稼いでいる。営業利益率は化学メーカー屈指の高さを誇り、直近でも29%の高水準にある。
*2:2023年の減益要因は、①主力の塩化ビニール樹脂における需要減速による利益縮小、②半導体材料の需要緩和による利益減少、など。COVID-19後の急激な市況回復の反動とも。

✔自己資本比率と純資産

信越化学工業の自己資本比率は80%以上の超高水準にて推移、安定した利益体質を加味すれば倒産リスクとはおよそ無縁。有利子負債は極端に少なく、無借金経営に等しい。純資産も右肩上がりでの成長を遂げており、直近では4.42兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

信越化学工業の平均年収は830~850万円のレンジで極めて安定的な推移。著しい好決算と成長をしているにも関わらず、従業員の給与水準に向上が見られないのは不思議。総合職であれば30歳で550万〜650万円、課長職レベルで1,050万〜1,150万円ほど。平均年齢は長期的に42歳前後のレベルで安定的。

✔従業員数と勤続年数

信越化学工業の単体従業員数は業績成長に連動して増加基調にあり、直近では3,680人に到達。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は2.49万人ほど。平均勤続年数は20年を上回っており、大手メーカーの中でも特に長い。離職率が非常に低いホワイト企業である。

総合評価

企業格付け:AAA

化学業界において三菱ケミカルグループに次いで第2位の売上高を誇り、利益では他企業を引き離して断トツの首位。他社との違いは優れた事業ポートフォリオにあり、塩化ビニル樹脂や半導体シリコンなど高利益率製品で世界シェア首位級を抑えている。売上高・利益いずれも化学業界の優良児として知られていたが、2020年以降は主力製品の旺盛な需要と為替レートの円安恩恵をフル享受、2022年には営業利益率35%という驚異的水準に飛躍を遂げた。大手化学メーカーの営業利益率が軒並み1桁%台に留まることを思えば、頭二つ飛びぬけている。財務も自己資本比率80%以上と堅牢すぎる財務体質にあり、総じて隙が無い。

就職格付け:AA

優良企業が多いと言われる化学業界において最高峰の1社であり、日系最大手メーカーの中でも最優良の1社。業績・財務いずれも隙がなく、直近では過去最高水準の業績を更新中。最先端素材から基盤素材までを網羅しており、特定製品に依存しない多角化された事業ポートフォリオにより安定性も高い。強いて言えば、これだけの優良企業であるにも関わらず平均年収800万円台に留まっており、そこまでの夢はない。過去最高益を連続更新しているにも関わらず平均年収は過去8年間に渡ってほぼ不変。株主への配当金は業績に応じて増配されているため、従業員への還元強化が望まれる所だろうか。とはいえ、平均勤続年数は20年を上回っておりホワイト企業の名に恥じない水準。社員の定着性は非常に良いため、給与水準を上げるまでもないのだろうか。

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出典:信越化学工業株式会社(有価証券報告書)