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不動産会社

【勝ち組?】三菱地所の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

三菱地所は、三菱グループに属する大手総合不動産デベロッパー。1890年に三菱社が陸軍省から丸の内・神田三岬町の土地35万㎡の払い下げを受けたことを源流としており、1937年に三菱合資会社の不動産部門・建築部門が分社化して設立。終戦直後から都内で大規模オフィスビルの開発を進め、現在では70件以上の高層ビルを保有。1989年にはバブル景気の波に乗ってニューヨークのロックフェラーセンターを買収、その後のジャパンバッシングの火種を生み出した。土地保有額2兆円以上で国内首位。

POINT

・都心部に強みを持つ三菱Gの大手総合不動産デベロッパー
・売上高・利益いずれも回復傾向にあり堅調、マンション販売も好調
・大卒総合職なら年収1,500万円以上に到達、福利厚生も良い

✔就職偏差値:78(頂点)

サラリーマン社会の頂点。誰もが羨望する圧倒的な待遇・地位が約束されるスーパーエリート。入社できるのは同世代の極一握りに限られ、超人的な能力・努力・運がすべて必要となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:至難

言わずもがなの超人気企業であるうえ、総合職の採用数はたったの年間40人ほど。総合職は東京大学・慶應義塾大学・早稲田大学などで固められており、国内最高峰レベルの人材が集結。
採用大学:【国公立】東京大学・一橋大学・京都大学・東北大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学など(出典:ダイヤモンドオンライン

業績動向

✔売上高と営業利益

三菱地所の売上高は緩やかな増加傾向が続いており、直近では1.5兆円を突破。営業利益も堅調な成長を続けており、2022年には2,967億円を記録*1。ロックフェラーセンターを買収したバブル期を上回る業績にある。
*1:三菱地所が得意とするオフィスビル賃料はリーマンショック後に長らく低迷したが、2013年頃から上昇基調で推移したことで収益力が強化された形。企業がオフィスビルに求める機能性も高まっており、施設環境が充実した三菱地所の高層オフィスビルは高い競争力で賃料収入を稼得している。

✔セグメント別の状況

三菱地所はコマーシャル不動産事業(オフィスビル・商業施設・物流施設・ホテルの開発・賃貸・運営・管理など)、住宅事業(マンション・戸建住宅の開発・賃貸・管理・リフォーム・販売仲介など)、海外事業(海外における不動産の開発・賃貸・管理など)、投資マネジメント事業(不動産投資マネジメント)、設計監理・不動産サービス事業(建築・土木の設計監理、不動産総合コンサルティング)の5事業を有する。
三菱地所は不動産に関する事業を網羅的に展開しているが、売上高・利益の柱はいずれもコマーシャル不動産事業となっている。三菱地所は競争力の高いオフィスビルを都心部に多数所有しており、これによる収益力が事業の要となっている状況。

✔最終利益と利益率

三菱地所の純利益は営業利益の成長に連動して増加しており、直近では1,684億円に到達。2020年にはCOVID-19の感染拡大で純利益が低迷*2したが、早々に回復。営業利益率は長期的に15%〜20%のレンジで推移しており、高水準にある。
*2:2020年は三菱地所がCOVID-19により被った損失である約400億円を織り込んだことで同年は減益となった。当初はテレワークの普及で都心オフィスビル需要の激減が懸念されたものの、COVID-19感染拡大の影響は意外にも短期的に留まった。

✔自己資本比率と純資産

三菱地所の自己資本比率は直近で31.7%とやや少なめだが、これは大手総合不動産デベロッパーとしては標準的な水準*3。純資産は緩やかな増加基調を維持、直近では2.62兆円を突破。
*3:不動産デベロッパーは投資額が巨額に及び、投資期間も長期に渡るためため長期借入金などの資金調達で賄うことが多く、自己資本比率は高まりにくい傾向がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三菱地所の平均年収は直近で1,246万円と高水準。30歳で年収850万〜1,000万円ほど、課長職レベルで年収1,500万〜1,800万円ほどになる。年功序列色が強いため若手のうちの給与は意外と普通だが、総合職ならほぼ全員が1,500万円を越える。

✔従業員数と勤続年数

三菱地所の単体従業員数は過去8年間に渡って緩やかな増加基調が続いており、直近では1,000人を突破。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は1万人を越える。平均勤続年数は17.3年と不動産業としては長め、一般職の社員も含めての平均勤続年数のため大卒総合職は更に長いと想定される。

総合評価

企業格付け:S

■業界ポジション
国内屈指の大手総合不動産デベロッパー。売上高では三井不動産の後塵を拝しており東急不動産に追いつかれつつあるが、三菱地所の強みは圧倒的な利益率と保有物件の質。三井不動産の半分の売上高で最終利益はほぼ同格クラスを誇る。保有物件には、新丸の内ビルディング・大名古屋ビルヂング・横浜ランドマークタワー・グランフロント大阪など、都市のランドマークとなる著名ビルが名を連ねておりブランド力は圧倒的。

■業績動向
拡大基調。COVID-19感染拡大期には都心オフィス需要が急減したが、2022年以降はオフィス需要も大幅回復しており商業施設のテナント入居も好調。マンション人気により分譲住宅販売も大いに好調であり、利益拡大に貢献。2024年には過去最高となる営業利益3,000億円の達成を見込んでいる。

■財務体質
良好。自己資本比率は直近で30.8%(2023年)とそれほど高くはないが、これは不動産業が負債を活用して不動産を取得するビジネスモデルゆえに仕方がない。利益は例年安定しているうえ、当社は東京・丸の内をはじめとする一等地に数多くの物件を保有しており含み益も巨額であることを思えば心配するレベルには全くない。

就職格付け:S

■給与水準
直近の平均年収は1,246万円と、不動産業界においてもトップクラスの平均年収。大卒総合職なら30歳で年収850万〜1,000万円ほど、課長職レベルで年収1,500万〜1,800万円ほどになる。総合商社にはやや劣るが、海外赴任なしかつ年功序列で高水準の給与に到達できる魅力は色褪せない。

■福利厚生
良い。我が国を代表する不動産会社だけあって独身寮・社宅は当然完備、いずれも美麗な物件が揃っている。本社は大手町パークビルへと移転しており、オフィス内の環境は最上級。平均勤続年数も17年以上と長く、従業員の定着も良好。

■キャリア
総合職・専任職の2職種制。総合職は、将来の幹部候補としてローテーションを経験しながら人脈・専門性を高むキャリアを歩み、専任職はデジタル部門におけるIT関連業務に特化したキャリアを歩む。意外と年功序列色が強く、40代前後までは横並びでの昇進が殆ど。出世コースから外れたとしても、総合職であれば40代で年収1,500万円は確実に到達できる。

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出典:三菱地所株式会社(有価証券報告書)