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化学メーカー

【勝ち組?】三井化学の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

三井化学は、石油化学技術をコアとして多種多様な機能性材料や先端・基礎材料を製造する大手化学メーカー。1933年に三井鉱山から化学事業が分離して設立された東洋高圧工業を源流企業とする。ナフサからエチレンやプロピレンなどの基礎原料を生成、樹脂製品に使われるポリエチレン・ポリプロピレンとして加工するまでの一貫した技術を有する。メガネレンズや燃料タンク材料などにおいては世界シェアトップを誇り、フェノール生産量はアジアNo.1の規模である。

POINT

・三井Gの大手化学メーカーで業界6位、ニッチトップ素材多数
・かつて業績不振に陥ったが再建に成功、財務体質も回復が続く
・平均年収892万円に上昇、総合職なら30代で年収800万〜900万円ほど

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:70(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用人数は年間120人前後とそこそこ多め。ただし、事務系総合職は年間20名前後に過ぎず、理系偏重型の採用方針となっている。総合職の出身大学は旧帝大・早慶クラスがボリューム層。
採用大学:【国公立】大阪大学・名古屋大学・北海道大学・東京工業大学・九州大学・千葉大学・東京外国語大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・立命館大学・関西大学など(出典:unistyle

業績動向

✔売上高と営業利益

三井化学の売上高は概ね1兆円規模で推移していたが、2021年から売上高が増加*1。営業利益は2021年に過去最高の1473億円を記録*2したが、同年以降は減益傾向にある。
*1:売上高が2021年から増加傾向となった理由は、①COVID-19感染拡大期の需要急減からの反動増、②ICT関連材料・農薬分野における販売拡大の成功、③原材料価格の高騰を受けた値上げ対応、④為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2022年に過去最高益を記録した理由は、①原材料価格の高騰による在庫評価益の急増、②COVID-19感染収束による経済活動の活性化による需要増加、など。あくまでも一過性の要素が強い。

✔セグメント別の状況

三井化学は、ライフ&ヘルスケア事業(コーティング剤・農薬・機能材・フィルムシート・メガネレンズ素材・不織布・歯科素材など)、モビリティ事業(樹脂素材・バンパー・内装部品など)、ICTソリューション事業(半導体・電子部品部材・光学材料・リチウムイオン電池材料など)、ベーシック&グリーンマテリアルズ事業(石化素材・PET樹脂・フェノール・触媒・ポリウレタンなど)、その他事業、の5事業を有する。
当社は様々な機能性素材を製造しているが、売上高の約40%をベーシック&グリーンマテリアルズ事業が占める。ただし、直近では同事業が赤字転落しており、モビリティ事業が全社利益の半分以上を支える状態となっている。

✔最終利益と利益率

三井化学の純利益は、長期的に500億~800億円ほどで推移。2021年に一時的に急増したが、同年以降は元のレンジに回復。2008年から2013年にかけて純損失が続く経営不振の時期が続た*3が、黒字体質へと回帰することに成功。
*3:三井化学はリーマンショック後の世界的不況期に業績が大幅悪化。景気変動の影響を受けやすく収益性が低い汎用化学品である基礎化学品に依存していたことで、世界的不況が収益性を急激悪化した経緯。

✔自己資本比率と純資産

三井化学の自己資本比率は直近で38.9%と標準的な水準であるが、財閥系の大手化学メーカーとしてはそこそこ高めの水準である。2008年から2013年にかけて巨額損失を計上して痛んだ財務基盤が回復しつつある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三井化学の平均年収は直近で892万円と高めの水準。大卒総合職は30歳過ぎに管理社員に昇格すると年収800万〜900万円ほどになり、課長職レベルで年収1,150万〜1,250万円ほど。平均年齢は40歳を上回っているが、過去10年で少しずつ若返りが進んでいる。

✔従業員数と勤続年数

三井化学の単体従業員数は2017年から増加傾向にあり、直近では5,042人まで増加している。M&Aを散発的に実施しており、事業領域を拡大していることも増加の要因。平均勤続年数は16.8年前後と大手メーカーとしては標準的な水準、右肩下がりで短くなっているがこれは社員数の増加と若返りが主要因。

総合評価

企業格付け:AA

■業界ポジション
化学業界におちめ国内上位6社に数えられる大手。ただし、業界最大手の三菱ケミカルや住友化学とは企業規模に圧倒的な差も。旭化成ほどの知名度もなく、信越化学工業ほどの世界的存在感ある製品もなく、影の薄さは否めない。が、2010年台の経営不振の反省から事業多角化を推進。現在では数多くのニッチトップ製品群を有するに至ったのは美点。

■業績動向
まずまず。売上高は過去最高圏レベルの1.7兆円(2023年)にあるが、営業利益は2021年をピークに減益傾向。基礎化学品を扱うベーシックアンドグリーンマテリアル事業は2023年に営業損失103億円に沈んでおり、他事業の黒字を食い潰している。2010年台の経営不振期と比べて基礎化学品以外の事業が成長しているとはいえ、利益面では好調とまでは言えない状況。

■財務体質
まずまず良い。財閥系化学メーカーとしては上位級の自己資本比率38.9%を確保。2010年代の経営不振期には自己資本比率24.8%(2014年)まで低下していたが、構造改革後の利益蓄積で財務体質は良化。有利子負債は7,567億円(2023年)とやや負債が大きい印象もあるが、企業規模を考えれば妥当の域。

■経営統合
かつて2000年代には住友化学との経営統合が目論まれたが破談に終わり、2023年現在では三菱ケミカルが提唱する石油化学事業の再編に参画するか見送るかが議論されている。日本の化学業界はエチレン製造装置が過剰気味になりつつあり、かつて製鉄業界などで起こった業界再編が近い可能性もある点には注意したい。

就職格付け:A

■給与水準
直近の平均年収は892万円と化学メーカー上位級。大卒総合職は30歳過ぎに管理社員に昇格すると年収800万〜900万円ほどになり、課長職レベルで年収1,150万〜1,250万円ほど。年功序列色が強いため勤続を重ねることで緩やかに昇給していく。管理社員になると平均年収に近い水準にまで急上昇するため、まず管理社員に早期昇格することを目指したい。

■福利厚生
まずまず。若手社員には独身寮・社宅が用意されており、一定の条件を満たすことで入居できる。ただし家賃補助制度はなく、独身寮・社宅を離れた場合には住宅コストは全額が自己負担となる。オフィスワーカーは服装規定が自由化されており、社会的節度を保っていれば自由な服装で勤務できる。

■キャリア
事務系総合職・技術系総合職の2職種制。事務系総合職は営業・経理・購買・法務・総務などに配属され、技術系総合職は研究開発・生産技術・品質保証・ITなどに配属される。基本的には入社時の職種において専門性・経験を蓄積していくことが求められるが、部門間を隔てたローテーションもある。海外ビジネスが多いために海外赴任・駐在の可能性も相応にある。

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出典:三井化学株式会社(有価証券報告書)