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ヤマハ発動機の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ヤマハ発動機は、バイク・自動車用エンジン・船外機などを製造する輸送用機器メーカーである。戦時中に飛行機部品を製造していたヤマハが戦後に民生分野での技術転用を図り、1955年にバイクメーカーとして分離されて設立された。船外機では世界シェア首位を誇り、バイクでは世界シェア4位に位置する。かつてはヤマハの持分法適用会社であったが、2007年にヤマハが保有株の大半を売却。現在ではヤマハとヤマハ発動機が相互に約5%程度の株式を持ち合う対等関係へと移行している。

POINT

1.バイク・船外機・エンジンなど幅広く製造する輸送用機器メーカー
2.2020年から業績好調、売上高2兆円を突破。財務体質も良好。
3.平均年収795万円で大手メーカーとしては凡庸、勤務地は静岡の可能性大

業績動向

✔売上高と営業利益

ヤマハ発動機の売上高は1.5兆円規模で安定的に推移してきたが、2020年から売上高が急伸して過去最高となる2兆円規模に到達している*1。営業利益も売上高に連動して急伸、2022年には過去最高となる2,249億円に到達。
*1:2022年はバイク需要が新興国を中心に堅調、ブラジル・中国・ベトナムなどで販売台数が伸びて売上高が拡大。船外機・プレジャーボートでは需要拡大と値上げが相乗して過去最高の売上高を記録している。

✔セグメント別の状況

ヤマハ発動機はランドモビリティ事業(バイク・バギー・自動車エンジン&部品、電動自転車など)、マリン事業(船外機・ボート・漁船など)、ロボティクス事業(半導体製造装置・産業用ロボット・無人ヘリなど)、金融サービス事業(自社製品の販売金融&リース)、その他事業(ゴルフカー・除雪機)、の5事業を有する。
ヤマハ発動機はバイクやエンジンが強い企業イメージ通り、売上高の大半をランドモビリティ事業が占めている。反面、マリン事業が利益の約48%を占めており、稼ぎ頭の事業となっている。

✔最終利益と利益率

ヤマハ発動機は10年以上に渡って安定的に純利益を確保しており、景気変動に業績を左右されやすい製造業としては安定的。自己資本利益率は概ね10~20%のレンジで推移しており、製造業としてはかなり高めの水準。

✔自己資本比率と純資産

ヤマハ発動機の自己資本比率は直近で45.9%と高水準であり、安定的な利益体質もあわせて考えれば堅実な財務体質。純資産は過去10年以上に渡って増加基調を維持しており、直近では2兆円を突破している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ヤマハ発動機の平均年収は直近で795万円と大手メーカーとしては凡庸な水準だが、大卒総合職の平均年収は750~900万円程度と推定される。平均年齢は40歳を上回っているが、過去10年間に渡って横這いで推移しており高齢化の進行は抑制的。

✔従業員数と勤続年数

ヤマハ発動機の従業員数は過去8年間に渡って横這いで推移しており、5万人規模で安定している。平均勤続年数は20年前後となっており、大手メーカーとしてはやや長めの水準である。

総合評価

企業格付け:B

バイクや船外機などで世界的シェアを誇り、エンジンやダンパーなどの自動車部品を大手自動車メーカーに供給する著名メーカー。売上高は2兆円レベルに到達しており大手メーカーの一角。業績・財務はいずれも堅実で利益率も良好、そのうえメーカーでありながら景気変動への耐性も強い点は見逃せない。長年に渡って売上高の成長が停滞していたことは課題だが、2020年以降には成長軌道に回帰。

就職格付け:B

世界的シェアの高さに加えて、ヤマハとの歴史的関係性も密接であることからブランドイメージは抜群、世間体も良い。業績が安定しており平均勤続年数も長めである為、安定した終身雇用を期待する場合には優良企業か。ただし、事業所の大半が静岡県に集中しているため都心志向が強い場合には注意。年収は大手メーカーとしては凡庸な水準にも感じるが、居住地が静岡県であることを加味すれば、持家取得してそこそこ豊かな人生を楽しむには十分なレベルであろう。

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