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【勝ち組?】三井住友カードの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

三井住友カードは、三井住友フィナンシャルグループ傘下の大手クレジットカード会社。1967年に住友銀行がクレジットカード子会社として設立。日本で初めて米・Visa(当時のバンクアメリカード)と提携して、日本にVisaブランドを普及させた。1989年にはMastercardブランドの取り扱いを開始、2001年には旧三井銀行系・さくらカードからUCカード事業を譲受。現在では、カード会員数で国内3,615万人を擁しており、三井住友FGにおけるクレジットカード事業の中核企業となっている。

POINT

・三井住友FGにおいてクレカ・信販事業を担う中核子会社、業界の老舗企業
・売上高は2020年から増加傾向だが利益は伸び悩む、財務体質は特段の問題ない
・総合職・30歳で年収750万~が目安、福利厚生は企業規模なりで普通

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:67(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

総合職の採用実績は年間60名~80名ほどだが、2024年には160人以上の大量採用を実施。クレジットカード業界におけるトップ企業の一角であり、昨今の金融人気も相まって選考倍率は高い。
採用大学:【国公立】大阪大学・名古屋大学・神戸大学・筑波大学・横浜国立大学・千葉大学・信州大学・大阪公立大学・お茶の水女子大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・立教大学・青山学院大学・関西学院大学・関西大学・近畿大学・明治学院大学・白百合女子大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

三井住友カードの売上高は2018年・2019年のみ急落したが、2020年からは急激な増加傾向*1。2023年には過去最高となる売上高4,549億円に到達している*2。営業利益も2018年・2019年のみ急落したが、同年以降は150億~280億円ほどで推移している。
*1:売上高が2020年に急増した理由は、同じく三井住友フィナンシャルグループ系に属したクレジットカード会社であるセディナを完全子会社化したことが主要因。
*2:当社の売上高が増加している理由は、世界的な景気好調・物価上昇による決済額の増加。クレジットカード業界は決済に伴う手数料ビジネスであるため、好景気で消費が活性化すると伸びる傾向。

✔セグメント別の状況

三井住友カードは、クレジットカード事業(個人・法人向けクレジットカードの発行、キャッシュレス決済サービス、プリペイドカード・ギフトカード発行、加盟店向け販売促進サービス・データベースマーケティングなど)、のみの単一事業会社である。
当社は三井住友フィナンシャルグループにおいてクレジットカード・信販分野を担う事業会社として位置づけられている。自社会員向けに多種多様なクレジットカードを発行する他、カードローン『SMBCモビット』や決済プラットフォーム『stera』なども展開している。

✔最終利益と利益率

三井住友カードの純利益は2018年・2019年のみ急落したが、同年以降は110億~210億円ほどで推移している。営業利益率は2018年・2019年のみ低迷したが、同年以降は4%~10%ほどで推移している。

✔自己資本比率と純資産

三井住友カードの自己資本比率は12.8%(2023年)とかなり低めの水準。大手企業としては低い自己資本比率だが、クレジットカード事業者としては何ら問題ない水準*3。純資産は2020年に急増しており、同年以降は5,400億~5,600億円ほどで推移している。
*3:クレジットカード事業者は顧客から回収する前の決済金額を営業債権として貸借対照表へ計上する必要があり、自己資本比率が低くなりやすい業界事情がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三井住友カードの平均年収は非公開だが、長期的に800万~870万円ほどで推移していると推定される。総合職の場合、30歳で年収750万~900万円、課長職レベルで年収980万~1,250万円が目安。平均年齢は40.7歳(2023年)と大手企業の標準的な水準をやや下回る。

✔従業員数と勤続年数

三井住友カードの5,847人(2023年)ほどの組織体制となっている。平均勤続年数は15.8年(2023年)と大手企業の標準的な水準だが、金融業界としてはかなり長めの水準である。

総合評価

企業格付け:BB

三井住友フィナンシャルグループにおいてクレジットカード・信販機能を担う、同グループの中核子会社の1社。1970年代というクレジットカード黎明期から事業を開始した老舗企業であり、日本におけるVisaブランドの普及に多大な貢献を果たした立役者でもある。業績においては2020年から売上高を急速に伸ばしており、2023年には過去最高となる売上高4,549億円に到達。この理由としては、①2020年に同グループのセディナと完全子会社化した点、②世界的な景気好調・物価上昇による決済額の増加、などがある。ただし、営業利益・純利益はかなり伸び悩んでおり、2017年をピークに停滞傾向。キャッシュレス決済のシェア拡大への先行投資やVポイントサービスの展開など、規模獲得のための先行投資が嵩んでいることも原因であろう。財務体質においては自己資本比率自己資本比率12.8%(2023年)とかなり低いが、これはクレジットカード業界においては普通の水準(顧客の決済金額を営業債権を貸借対照表に計上するため、見た目の自己資本比率が下がりやすい業界事情がある)。

就職格付け:BB

給与水準においては平均年収800万~870万円ほどと推定され、クレジットカード会社としてはトップクラス。総合職の場合、30歳で年収750万~900万円、課長職レベルで年収980万~1,250万円が目安となるだろう。福利厚生においては企業規模なりの制度は一通り揃っており、家賃補助制度では独身者で月額4万円・既婚者で月額6万円が支給される。総合職の勤務地となりうるエリアは東京・大阪・札幌・仙台・横浜・名古屋・神戸・広島・福岡となっており、メガバンクや大手保険会社と比べれば都市圏での生活が約束されるのはメリット。最近ではカムバック採用にも力を入れており、当社から他社へと転職した場合にもUターン再就職がしやすいため将来的なキャリア構築における潰しが効きやすい。

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出典:三井住友カード株式会社(決算公告)