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【勝ち組?】ビザ・ワールドワイド・ジャパンの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

Visaは、アメリカに本社を置くクレジットカード運営管理会社。1958年に米・バンク・オブ・アメリカがクレジットカード会社として設立。設立当時は『BankAmericard(バンカメリカード)』として発行されていたが、1976年には『Visa』ブランドへと転換。2008年にはニューヨーク証券取引所に株式上場を果たした。現在ではクレジットカード国際ブランドとして世界シェア1位、日本国内でも50%以上のシェアを誇る。加盟店は全世界1.3億店以上に及び、世界の決済市場においてなくてはならない存在である。

POINT

・クレジットカード国際ブランドとして世界1位に君臨、アメリカ発祥
・売上高・利益いずれも成長傾向で高利益率、財務体質も極めて健全
・担当職で年収1,400万~1,500万円ほど、ホワイトな労働環境で知られる

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:79(頂点)

サラリーマン社会の頂点。全世界的なブランド力は当然、年収2,000万円台を狙える給与水準は圧倒的。高利益率を安定して稼ぐビジネスモデルと、他の追随を許さない高い参入障壁が強み。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:至難

新卒採用はインターンシップ経由となるが日本法人では殆ど実施されておらず、中途採用での入社が現実的。金融サービス業界・コンサル業界などの経験者が優遇されやすい。
採用大学:非公開(出典:Visa採用情報

業績動向

✔売上高と営業利益

Visaの売上高は長期的な増加傾向が続いており*1、2023年には過去最高となる359.2億ドルに到達している。営業利益も増加傾向が続いており、2023年には過去最高となる235.9億ドルに到達。
*1:当社の売上高が成長を続けている理由は、①スマートフォン・ネット通販の普及によるクレジットカード決済需要の急増、②キャッシュレス決済の拡大によるクレジットカード利用の増加、③地盤の北米・欧州地域の景気安定による決済額の高止まり、など。

✔セグメント別の状況

VISAは、決済サービス部門(顧客によるVisa決済サービスの利用に伴う手数料収入など)、データ処理部門(決済に伴う承認・精算、リスク対応ソリューション、顧客間の情報処理システムの提供など)、国際決済部門(国際取引処理および為替換算による手数料収入)、その他部門(顧客企業向けアドバイザリー・マーケティング、Visaサービスのライセンス料など)、の4部門を有する。
当社はクレジットカード運営管理に特化した企業であり、『Visa』ブランドの運営以外の事業は持たない。最近ではフィンテック分野における新興企業との提携を増やしており、IT領域への知見を高めている(参考リンク)。本業が極めて高利益率で安定しているために、無暗な事業多角化よりも現在の地位を確保し続けることを優先していると評価できるだろう。

✔最終利益と利益率

Visaの純利益は急激な増加傾向が続いており、2023年には過去最高となる197.4億ドルに到達している。営業利益率は長期的に60%以上で推移しており、金融業界の中でも傑出して高い利益率を安定的に確保している点において驚異的である。

✔自己資本比率と純資産

Visaの自己資本比率は微減傾向がみられるが、長期的に40%以上で推移している。傑出した高利益率を安定的に確保できる事業構造であるうえ、米国企業としては保守的な財務体質を築いている。純資産も緩やかな増加傾向が続いており、2023年には391.3億ドルに到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

Visaの平均年収は非公開。日本法人の場合、担当職レベルで1,400万~1,500万円ほど。マネージャークラスで1,800万~2,500万円ほど。金融業界としてはトップクラスの給与水準であり、RSU制度によりVisa株も付与される。

✔従業員数と勤続年数

Visaの従業員数はグローバルで3.02万人レベル。日本法人における従業員数は100人ほどと推定される。日本法人における平均勤続年数は非公開。

総合評価

企業格付け:AAA

クレジットカードの国際決済ブランドとして世界首位。ライバルは『Mastercard』『JCB』『UnionPay』などであるが、やはり当社が世界シェア・決済額・認知度いずれも断トツ首位に君臨している。業績においては右肩上がりの成長が続いており、2023年には過去最高となる売上高359.2億ドル(日本円にして5.36兆円)に到達。2010年代以降のスマートフォンやネット通販の爆発的な普及によって世界的にクレジットカード決済需要が高まっていることが、業績の追い風となっている。特筆すべきは傑出した高利益率であり、営業利益率60%以上を安定して確保し続けている。まさしく成長性と高利益率を兼ね備えたスーパー企業であろう。更に、クレジットカード国際決済ブランドは(全世界的に加盟店を集めることが必須であるが故に)参入障壁が極めて高いビジネスであり、新たな競合の出現リスクさえも少ない。

就職格付け:AAA

クレジットカード分野における世界1位の企業であり、金融サービス業界としても世界最高峰の企業。日本においては、日本法人にあたるビザ・ワールドワイド・ジャパン社を通じて事業を展開している。給与水準においては金融業界トップクラスであり、外資系投資銀行に次ぐ水準。具体的には、担当職レベルで1,400万~1,500万円ほど、マネージャークラスで1,800万~2,500万円ほどが目安。年収1,000万円超えは優に超えるうえ、年収2,000万円以上も現実的に狙える類稀な企業である。福利厚生においても卓越しており、特にワークライフバランスにおいて優れる。外国人の従業員も多い為に、年数回に渡って1~2週間以上の長期休暇を取得できる。競合が少ない安定したビジネスモデルであるために長時間労働や激務も見受けられず、定時間労働+αで退社できる企業文化。まさしく高収入とホワイトを両立した企業であり、日本国内においてトップクラスに恵まれた待遇であると評価できよう。強いて言えば、日本法人の組織体制は100人規模と推定され、入社するための門戸が狭い&参考事例が非常に少ない点が挙げられるだろう。日本法人では新卒入社の事例は少ないと推定され、当社を目指す場合には中途入社の求人を探す方が好ましい。

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出典:Visa Inc.(Investor Relations)