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【勝ち組?】リンクアンドモチベーションの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

リンクアンドモチベーションは、組織人事コンサルティング・キャリア指導・人材マッチングサービスなどを主力とするコンサルティング会社。2000年にリクルート出身の小笹芳央らが東京都で創業。創業直後から「モチベーションエンジニアリング」を基幹技術として掲げ、実効性・再現性がある組織人事コンサルティングを展開。2016年からは組織改善クラウドサービスを展開、顧客企業の組織データの収集から改善実行までを一気通貫で対応。個人顧客向けのキャリアスクールや学生向け個別指導塾「SS-1」なども展開。

POINT

・「モチベーションエンジニアリング」を核とする組織人事コンサル会社
・売上高は横ばいだが利益は急回復、やや負債が多めの財務体質
・平均年収664万円だが福利厚生は希薄、平均年齢30歳前後の若い組織体制

就職偏差値

60(中堅)

日本企業における中堅クラスの1社。数ある日本企業の中でも一定の成功を収めた企業群であり、各業界における有名企業である。まずは入社して堅実にキャリアを重ねるも良し、更なる大手企業への転職も狙うことも良いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

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業績動向

✔売上高と営業利益

リンクアンドモチベーションの売上高は、長期的に290億~330億円ほどで横ばい。営業利益は年度により波があるが20億~40億円のレンジで推移。2022年には過去最高となる営業利益46.2億円を記録。
*1:2022年に業績好調となっている理由は、①クラウドサービス「モチベーションクラウド」の顧客基盤が拡大したことによる急成長、②転職市場の活況による子会社・オープンワークの業績拡大、③キャリアスクールのオンライン授業拡大、など。

✔セグメント別の状況

リンクアンドモチベーションは、組織開発事業(モチベーションエンジニアリング・コンサルティング・クラウドサービス・IR支援など)、個人開発事業(キャリアスクール・学習塾・中学受験個別指導塾など)、マッチング事業(人材紹介サービス、小・中・高等学校向け英語指導請負サービス)、その他事業(レストラン運営)、の4事業を有する。
当社は組織開発事業・マッチング事業が売上高・利益の大半を占めるコア事業。組織開発事業は基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を活用した組織改善・人材開発ソリューションを顧客企業へと提供しており、マッチング事業は子会社・オープンワークによるジョブマッチングが主力。

✔最終利益と利益率

リンクアンドモチベーションの純利益は2020年に▲9.9億円に赤字転落*2したが、同年以外は9億~28億円レベルで推移。営業利益率は年度による変動が大きい*3が、好調時には10%を超える水準となる。
*2:2020年はCOVID-19感染拡大による混乱で組織開発・キャリア開発のニーズが減少。本業における利益が縮小した上、個人開発事業において減損損失16億円が発生した。

✔自己資本比率と純資産

リンクアンドモチベーションの自己資本比率は2019年・2020年を除けば*3、長期的に25%~30%ほどで推移。純資産は2020年に急減したが、同年以降は再び増加を果たして2022年には129億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

リンクアンドモチベーションの平均年収は590万~660万円ほどで安定的。コンサルティング会社としては低めの水準だが、平均年齢30歳前後の若い組織体制であることも影響。総合職の場合、新卒入社から3年ほどで年収480万~550万円に到達、課長職レベルで年収750万~830万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

リンクアンドモチベーションの単体従業員数は急激な増加傾向にあり、2022年には470人まで増加。平均勤続年数は5年~7年で推移しているが、人員増強を進めている点や年齢構成が若い組織体制である点を考慮すれば違和感はない。

総合評価

企業格付け:CCC

■業績動向
回復傾向。2020年にはCOVID-19影響で純損失転落に見舞われたが、早々に業績回復を遂げており2022年には過去最高益を更新。利益の不安定性は課題ではあるが、好調時には営業利益率10%以上に達するのは強み。なお、景気後退局面になると多くの企業で組織開発・採用活動を縮小するため、景気後退局面で業績を落としやすい(リーマンショック直後にも純損失に転落している)。

■財務体質
やや弱い。自己資本比率は30%前後での推移が続いており、中堅コンサルティング会社としてはやや低めの印象。手元の現預金は70億円以上を確保しており流動性は十分にあるが、有利子負債は110億円規模。歴史的に積極的M&Aで買収して規模拡大してきた経緯もあり、有利子負債を積極活用して成長してきた裏返しでもある。

■ビジネス動向
人的資本経営への社会的関心の高まりが追い風。従業員エンゲージメント改善が企業成長・人材確保に直結することが常識となりつつあることを活かし、組織人事コンサルティング・モチベーションクラウドなどの自社サービスを積極的に売り込む。2019年にオープンワークを買収。同社が保有する膨大な口コミデータを入手すると共に、人材マッチング分野への拡大も果たした。

就職格付け:CC

■給与水準
平均年収664万円とコンサルティング会社としては低め。が、平均年齢が30歳前後の非常に若い組織体制であるため、平均年収が低くなりやすい事情を考慮すれば、さほど給与水準が低いと考える必要はない。優秀であれば20代でマネージャーへと昇進でき、年収800万円前後にまで到達可能。ただし、福利厚生が薄いため自己負担支出が多い点には注意が必要。

■福利厚生
薄い。家賃補助制度・借上げ社宅制度・独身寮はいずれもなし。みなし残業代45時間/月が含みであるため、残業代は45時間/月以上しないかぎりはつかない。原則として週2回出社・週3回テレワーク。3カ月を1年とする独自カレンダー制度があり、3カ月ごとに3日程度の連続休日がある。

■キャリア
コンサルタント・ITエンジニアの2職種制。平均年齢が若い組織であるため、20代からメインプレーヤーとして活躍することが求められる。年功序列色はまったくなく、実力次第で早々に昇進することが可能。アイカンパニーブランディング制度として、自分のキャリア開発の方向性を会社側に企画書として提出して共有することも求められる。

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出典:株式会社リンクアンドモチベーション(有価証券報告書)