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【勝ち組?】ミズノの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ミズノ(正式表記:美津濃)は、スポーツ用品・スポーツ施設開発・スポーツ施設運営などを手掛ける総合スポーツ用品メーカー。1906年に水野利八・水野利三が水野兄弟商会として創業、野球ボール・スポーツウェアなどを展開。100年以上に渡ってスポーツ用品を展開してきた老舗スポーツ用品メーカーであり、あらゆるスポーツ分野に事業展開。スポーツ施設の運営受託にも進出、全国1,112施設の運営を手掛ける。スポーツ用品業界において世界上位10社に数えられる大手企業。

POINT

・日系スポーツ用品メーカーではアシックスに続く第2位、大阪本社
・売上高・利益は2021年から改善傾向に転換、財務体質は大いに堅実
・平均年収707万円で福利厚生も普通レベル、社内部活制度が充実

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:61(中堅上位)

サラリーマンとして中堅上位の勝ち組。ネームバリューは抜群だが、給与水準は総合職・30歳で年収480万~530万円ほど。2021年から業績は改善傾向にあるが、将来的な日本国内の少子高齢化が逆風。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

スポーツ業界におけるトップ企業の一角であるが、総合職の採用数は年間20人~35人ほどと少ない。体育会系の求職者から絶大な人気を集める企業であり、選考倍率は高い。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・北海道大学・神戸大学・埼玉大学・神戸市外国語大学など、【私立】早稲田大学・上智大学・明治大学・法政大学・日本女子大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

ミズノの売上高は1993年の2,150億円をピークに2020年まで右肩下がりで推移*1していたが、2021年から回復基調に反転。2023年には過去最高となる2,297億円に急増*2。営業利益も2021年以降は増益に反転、2022年には過去最高を更新。
*1:当社の売上高が1993年の2,150億円から減少が続いた理由は、少子高齢化によるスポーツ人口の減少。国内売上高比率が高い為に、日本国内の少子高齢化が打撃となってきた。
*2:2021年から売上高が増加した理由は、①COVID-19終息後における野球・サッカーの盛り上がりによる需要増加、②為替レートの円安推移による為替効果、③新規事業のワーク事業の成長(参考リンク)。

✔セグメント別の状況

ミズノは、野球製品(バット・グラブ・ヘルメット・ボールなど)、ゴルフ製品(ドライバー・アイアン・パターなど)、ランニング製品(シューズ・ウェアなど)、サッカー製品(シューズ・ウェアなど)、インドア製品(卓球・バレー・バスケットボール関連など)、ワーク製品(ポロシャツ・パンツなど)、スポーツ施設(運営受託・施設設備など)、の5事業を有する。
当社は売上高の約61%を日本国内で稼いでおり、残り34%を海外で稼ぐ構造。スポーツ用品メーカーでは世界上位10社に数えられるが、日本国内への依存度が高い為にグローバルでの存在感は微妙。競技別の売上高では野球とゴルフがそれぞれ20%前後を占めており、稼ぎ頭となっている。

✔最終利益と利益率

ミズノの純利益は2020年まで5億~60億円で推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2023年には純利益143億円に到達している。営業利益率も2020年まで0%~4%程度での低空飛行が続いていたが、同年以降は5%以上に上振れ。

✔自己資本比率と純資産

ミズノの自己資本比率は長期的な増加傾向が続いており、2023年には68.6%に到達している。純資産も長期的な増加傾向が続いており、2023年には1,420億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ミズノの平均年収は2022年まで600万~640万円での水準が定着していたが、2023年には707万円に増加。総合職の場合は30歳前後で年収480万~530万円ほど、課長職レベルで年収750万~850万円が目安。平均年齢は直近で42.9歳と、大手企業の標準的な水準である。

✔従業員数と勤続年数

ミズノの単体従業員数は長期的な減少傾向にあり、2023年には1,713人となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は3,580人ほど。平均勤続年数は直近で16.8年となっており、長くも短くもない水準。

総合評価

企業格付け:CCC

スポーツ用品メーカーとして世界上位10社に数えられる大手であり、日系スポーツ用品メーカーとしてはアシックスに続く第2位に位置する。業績においては、2020年まで売上高の減少に苦しんできたが、これは当社が売上高の約61%を日本国内に依存しており、日本国内における少子高齢化やゴルフ文化衰退が逆風となってきたことが理由。2021年からは売上高の増加傾向がみられるが、これはWBC・阪神優勝・世界陸上などが注目を浴びたことによる恩恵が大であった(参考リンク)。為替レートの円安推移による為替効果も業績を下支えしている。が、長期的な日本国内の少子高齢化が向かい風としてあることは何ら変わりなく、グローバル市場におけるブランド価値の向上が急務であろう。業界1位のアシックスは海外売上高比率80%(当社の海外売上高比率は約39%)にも達しており、日本発スポーツブランドの海外進出の先行事例としてベンチマークできるだろう。とはいえ、数字上で捉えれば売上高2,297億円(2023年)と中堅メーカーなりの事業規模であり、世間が思うほどの大企業ではない点には注意が必要か。

就職格付け:CC

日本を代表する総合スポーツ用品メーカーの1社であり、野球・ゴルフ・サッカーを中心するスポーツ用品を幅広く展開。1992年に大阪府住之江区に地上31階建て(高さ147m)の自社ビル・ミズノクリスタを建設しており、現在に至るまで大阪本社ビルとして活用されている(参考リンク)。給与水準においては2022年まで平均年収600万~640万円で推移していたが、2023年には平均年収707万円に増加している。実際には、総合職・30歳で年収480万~530万円ほど、課長職レベルで年収750万~850万円が目安となる。福利厚生においては、30歳まで独身寮にて月1.3万円で生活できる(通勤時間2時間以上の場合のみ)が、それ以外の特筆すべき福利厚生は見当たらない。強いて言えば、月平均残業時間が6.24時間(2023年)と短めである(参考リンク)。スポーツ用品メーカーだけに社内部活制度は極めて充実しており、24組織もの部活動が編成されている。社会人になっても体育会活動を続けたい、生粋の体育会系人間にとっては夢のような環境かもしれない。さすがに有名スポーツ用品メーカーだけあってハイレベル大学からの採用が多いが、それほど待遇面においては傑出しているわけでもないため、コストパフォーマンスや待遇目当てではなく、「人生においてスポーツを何よりも愛している」と考える求職者にこそお勧めしたい。

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出典:美津濃株式会社(有価証券報告書)