カテゴリー
電機メーカー

【勝ち組?】ソニーグループの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

ソニーグループは、映像機器・エンターテイメント分野・ゲーム・金融サービスなど多岐にわたる製品・サービスを提供する大手電機メーカー。1946年に東京で小型ラジオ修理店として創業後、1950年代にはトランジスタラジオの製造販売で急成長。1960年代にテレビ・音響機器など主力製品とし、ウォークマンなどの世界的ヒット商品を開発。1990年代にはゲーム分野・音楽・金融など事業を多角化。現在では、アニメ・金融・音楽・電機製品など多種多様な事業を展開する大手コングロマリットとなっている。

POINT

・ゲーム・映画・音楽・電機製品・金融に強い世界的コングロマリット
・売上高・利益いずれも好調で過去最高を更新、財務体質も良好
・平均年収1,100万円以上、大卒総合職なら30歳で年収950万円前後

✔就職偏差値:75(最高峰)

日本企業における最高峰クラスのキャリアであり、誰もが勝ち組として認めるレベルの待遇・名声が得られる。入社するためには人並み外れた能力・努力は当然、運も必要である。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用数は年間300人規模とそれなりに採用数は多いが、有名企業だけあって高倍率。技術系採用・事務系採用いずれもハイレベル大学からの採用が多く、旧帝大・早慶クラスがボリューム層。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・大阪大学・東北大学・名古屋大学・東京工業大学・電気通信大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・東京理科大学など(出典:大学通信ONLINE

業績動向

✔売上高と営業利益

ソニーグループの売上高は2019年頃から成長トレンドにあり、2022年には過去最高となる売上高11.53兆円に到達*1。営業利益は2016年頃は振るわなかったが、2017年以降は右肩上がり。
*1:2017年頃までソニーグループは業績停滞していたが、2018年以降の経営改革により利益率が急回復。平井一夫前社長による高採算事業へのテコ入れの功績が大きい。

✔セグメント別の状況

ソニーグループはゲーム事業(家庭用ゲーム機・ソフトウェアなど)、音楽事業(音楽制作・音楽出版・映像プラットフォームなど)、映画事業(映画製作・テレビ番組制作・配信サービスなど)、エンターテイメント・テクノロジー事業(映像・音響機器、スマートフォン、産業用機器など)、イメージング&センシング事業(イメージセンサ―など)、金融事業(生命保険・損害保険・銀行など)、その他事業(ディスク・記録メディア・マーケティングなど)の7事業を有する。
ソニーグループは多種多様な事業を展開するコングロマリット企業であるが、売上高・利益いずれも特定事業に依存しないバランス型。強いて言えば、ゲーム事業が売上高において首位であるが、利益面では音楽事業が僅差で首位である。

✔最終利益と利益率

ソニーグループの純利益は2017年頃から回復、同年以降は5,000億円~1兆円レベルで推移している*2。営業利益率は10%前後で推移しており、大手電機メーカーとしては相当に高い利益水準を誇る。
*2:平井和夫前社長による経営改革による利益改善の他、イメージセンサ―の利益率向上やゲーム事業の好調なども追い風となっている。

✔自己資本比率と純資産

ソニーグループの自己資本比率は長年に渡って15~20%前後で推移。大手企業としては低水準であるが、これは金融事業を有する特殊性に起因*3。純資産は右肩上がりの増加が続いており、直近では7兆円規模に到達。
*3:金融事業はは顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ソニーグループの平均年収は900万円~1,100万円のレンジで推移している。2018年以降は業績好調により平均年収も大台越えが続いている。大卒総合職であれば30歳前後で850万~950万円、課長クラスで1,500万~1,700万円に到達する。

✔従業員数と勤続年数

ソニーグループの単体従業員数は2,445人に過ぎず、従業員の大半は持株会社の傘下に置かれる事業会社に所属。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は11万人ほど。平均勤続年数は16.4年前後とやや長め。

総合評価

企業格付け:AA

■業界ポジション
日系企業においてトヨタ自動車に並び立つ世界的なブランド力を有する企業。かつては大手電機メーカーの一角であったが、現在では電機メーカーとは言えない程に事業多角化・脱製造業化。とりわけエンターテイメント領域での強みは大きな優位性であり、スパイダーマン・ジェラシックワールド・鬼滅の刃など大ヒット作に恵まれ、プレイステーションという世界三大ゲームハードも擁する。

■業績動向
絶好調。2010年代には業績不振に苦しみ、パソコン事業売却やテレビ事業分社化などの痛みを負ったが、それも昔の話。2020年代は売上高・利益いずれも過去最高圏で推移しており、まさに全盛期を迎えている。とりわけゲーム事業の好調ぶりは著しく、ゲーム事業だけで売上高4兆円を上回る水準に達している。2012年頃にはテレビ・携帯電話の不採算事業化で巨額赤字を計上して負け組企業とも言われていたが、現在では完全復活を遂げたといっていい。

■財務体質
良い。自己資本比率は20%前後と大手メーカーと比較すると低いが、これはグループ内にソニー銀行・ソニー生命などの金融事業を抱えていることが主要因。有利子負債は直近で3.8兆円と大きいが、純資産7兆円レベルの企業であること思えば問題にはならないだろう。

就職格付け:AA

■給与水準
平均年収1,101万円とメーカー最高峰の給与水準。大卒総合職であれば30歳頃に年収850〜950万円ほど、35歳頃までには1,000万円を越える。大卒総合職であれば30歳前後までは概ね横並びで昇進するため、新卒入社すれば年収1,000万円プレイヤーは確定的だろう。ただし、高い平均年収の代償として福利厚生が薄めであり、諸々込みの平均年収であると考えておきたい。

■福利厚生
微妙。外資系企業に近い発想であり、福利厚生よりも給与水準の底上げにリソースを配分している。大手メーカーによくある家賃補助制度はなく、全額が自己負担となる。ただし、20代の若手社員のみ独身寮・借上げ社宅が提供される制度設計となっており、給与水準がまだ低いうちには一定の補助が得られる。

■キャリア
コース別採用かつグループ採用。新卒採用・中途採用いずれもジョブポストを明確にした採用方法となっており、欧米型雇用に近い。採用時点で職務内容が明確化されるためミスマッチングがないのは優位だが、人気職種は相当な高倍率となる。社是として「自分のキャリアは自分で築く」を掲げており、社内募集制度を通じた異動も活発。現代表執行役会長は財務・通信畑の出身、前社長・平井和夫は音楽・エンタメ畑の出身である。

■事業売却リスク
事業の取捨選択にはシビアな企業であり、事業売却・分離リスクが大きい。歴史的にもパソコン事業・ケミカル事業・電池事業・ディスプレイ事業など売却された事業は数知れず。これは企業としての強さの源泉でもあるが、売却事業でキャリアを歩んでいた従業員としては辛い。当社のようなコングロマリット企業に勤務する上でのリスクとして念頭に置いておきたい。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:ソニーグループ株式会社(有価証券報告書)