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【勝ち組?】シグマクシスの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

シグマクシスは、ITコンサルティング・業務変革コンサルティング・ベンチャー投資などを事業とするコンサルティング会社。2005年に三菱商事・米RHJインターナショナルが共同出資して設立。創業期からITコンサルティングを主力としてきた他、ベンチャー企業投資やバリューアップ支援なども手掛ける。2018年には三菱商事が全株式を売却したが、2021年には伊藤忠商事が資本業務提携。現在では伊藤忠商事・伊藤忠テクノソリューションズと連携、IT領域内外のコンサルティング事業を幅広く展開。

POINT

・IT領域に強いコンサルティング会社、かつて三菱商事が設立したがグループ離脱済
・売上高・利益いずれも長期的な成長が続く、財務体質は盤石で実質無借金経営
・平均年収1,000万円以上と高給、裁量労働制かつ福利厚生は薄め

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:71(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用人数は年度によって変動があるものの、最近では新卒40名・中途50名ほど。中途採用にも力を入れており、必ずしも新卒入社する必要はない。昨今のコンサル人気で難化傾向。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・大阪大学・東北大学・名古屋大学・岡山大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・東京理科大学など(出典:ワンキャリア

業績動向

✔売上高と営業利益

シグマクシスホールディングスの売上高は長期的な成長基調が続いており、直近の2022年には売上高173億円に到達して過去最高を更新*1。営業利益も緩やかな成長基調が続いており、景気後退局面にも利益を着実に確保できている。
*1:2010年時点の売上高は26億円に過ぎなかったが、過去10年余りで売上高を拡大。2023年には売上高190億円に到達する見込み。2018年までは三菱商事グループの支援が成長を加速させていた。

✔セグメント別の状況

シグマクシスホールディングスはコンサルティング事業(デジタル・ITコンサル、イノベーション、ビジネスオペレーション改革、プロジェクトマネジメントなど)、投資事業(ベンチャー投資・グロース投資・バリューアップ支援など)、の2事業を有する。
売上高・利益いずれもコンサルティング事業がコアであり、投資事業は補完的な立ち位置。投資事業は年度によって利益・損失が入り乱れる状況にあり、利益の柱までには育っていない。

✔最終利益と利益率

シグマクシスホールディングスの純利益は緩やかな成長が続いており、直近の2022年には純利益22億円に到達。営業利益率は右肩上がりで上昇しており、直近では営業利益率18.6%とかなりの高水準。コンサルティング会社としても優良な利益率である。

✔自己資本比率と純資産

シグマクシスホールディングスの自己資本比率は長年に渡って50%以上の高水準で推移しており、財務体質は極めて良好。2021年には更に増加して自己資本比率70%台に到達*2。純資産も右肩上がりの推移を描いており、極めて健全。
*2:2021年に伊藤忠商事との資本業務提携によって、同社に第三者割当増資を実施。発行済み株式数の8.85%に相当する規模の増資を行ったことで、財務体質が大きく強化された。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

シグマクシスホールディングスの平均年収は1,000万~1,180万円ほどの水準で安定的。2021年以降はやや減少傾向だが、これは持株会社への移行が主要因であり、コンサルタントの年収が下落しているわけではない*3。
*3:2021年に持株会社制へ移行したことで、給与水準が高いコンサルタントは事業子会社へ移籍。持株会社にはバックオフィス機能などが残った為、見かけ上の平均年収が下落した経緯。

✔従業員数と勤続年数

シグマクシスホールディングスの単体従業員数は2021年の持株会社制への移行により、70人規模にまで急減少。平均勤続年数は直近で5年~7年ほどと短いが、コンサルティング会社としては標準的な水準。

総合評価

企業格付け:A

かつて三菱商事グループのコンサルティング会社として創業しながら、現在では伊藤忠商事グループと親密な立ち位置にある中堅コンサルティング会社。規模こそ業界中堅クラスであるが、大企業向けの大型案件などの良質な案件をこなす実力派。2010年代には日本航空の基幹システム刷新(総費用800億円)に常駐支援をした実績などもある。業績は売上高・利益いずれも好調であり、増収増益が続いている状況。かつて2010年代初頭には純損失を繰り返した時期もあったが、現在ではすっかり安定企業へと変わることに成功している。伊藤忠商事による第三者割当増資により自己資本比率は70%を上回っており、財務体質も盤石。

就職格付け:A

ITコンサルティングを中核としつつ、経営戦略・業務変革・プロジェクトマネジメントなど幅広いコンサルティング事業を展開する中堅コンサルティング会社。実力派ではあるが知名度はいまいち振るわず、一般知名度は同業他社よりもかなり低いのは否めないか。とはいえ、一定以上のリテラシーがある層ならば誰もが知っている他、上場企業として自主独立の道を歩んでいる点は評価されて良いか。給与水準はかなり恵まれており、新卒初任給でも年棒600万円を保証、上級コンサルタントであれば年収1,200万~1,500万円にも到達する。ただし、初年度から裁量労働制であるため残業代がない点には注意するべきであり、残業代で稼げる大企業にも給与水準で逆転される可能性も大いにある。福利厚生も年棒に含みであり、家賃補助制度・社宅制度などはない。総じて終身雇用・マッタリ高給を期待する会社ではまったくないが、コンサルティング会社への就職意欲が高い場合にはそこそこ良い会社であろう。

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出典:株式会社シグマクシス・ホールディングス(有価証券報告書)