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ヤマハの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ヤマハは、ピアノ・管弦楽器・電子楽器・音響機器・ピアノ教室運営などを手掛ける大手楽器メーカー。史上初の国産オルガンを製作した山葉寅楠が1897年に創業、戦前から日系最大手の楽器製作メーカーとして君臨。1960年代には電子ピアノ・エレクトーンも発売、ピアノ製作の木工技術を活かして自動車内装部品にも進出した。過去50年以上に渡ってピアノ分野で世界シェア首位を確保し続けている他、多種多様な管弦楽器も製作する世界的にも類を見ない総合楽器メーカー。

POINT

1.世界トップ級の総合楽器メーカーでピアノ世界シェア1位、浜松地盤
2.売上高は横這いだが高い利益率が安定的、財務体質も大いに健全
3.平均年収872万円~900万円、福利厚生も極めて恵まれており離職率も低い

業績動向

✔売上高と営業利益

ヤマハの売上高は過去10年以上に渡って3,700億~4,500億円ほどの水準で安定的。過去最高を記録した1998年の売上高6,089億円からは縮小気味。営業利益は350億~520億円レベルで安定的に推移している。

✔セグメント別の状況

ヤマハは、楽器事業(ピアノ・電子楽器・管弦打楽器などの製造販売、音楽教室運営、音楽・映像ソフト)、音響機器事業(オーディオ機器・業務用音響機器・音楽制作機器・通信カラオケなど)、その他事業(電子デバイス・自動車内装部品・ゴルフ用品・リゾート事業など)、の4事業を有する。
ヤマハは売上高・利益いずれも楽器事業で大半を稼いでおり、音響機器事業・その他事業はあくまでも補完的な位置づけ。国内売上高は約1,000億円程度であり、海外売上高比率が約85%に及ぶグローバル企業でもある。

✔最終利益と利益率

ヤマハの純利益は長年に渡って320億~540億円レベルで安定的。2020年のみCOVID-19影響で減益に沈んだが、それでも純利益266億円をしっかり確保*1。営業利益率は長期的に10%~12%ほどで推移しており、メーカーとしては大いに健全な水準。
*1:2020年はCOVID-19感染拡大によって、①直営店舗・音楽教室の長期休業、②生産工場の操業停止、③学校などの楽器需要が一時的に急減、などの影響が発生。利益率を押し下げた。

✔自己資本比率と純資産

ヤマハの自己資本比率は長期的に60%~70%レベルで安定的に推移。有利子負債に殆ど依存しない実質無借金経営を達成。利益が安定しているのみならず、財務体質も極めて良好である。純資産は2020年頃から増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産4,579億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ヤマハの平均年収は長年に渡って850万~900万円ほどの水準で安定的に推移。大手メーカーに勝るとも劣らない良好な給与水準となっており、静岡県の企業としては断トツ首位級。大卒総合職は30代で750万~890万円、課長職レベルで1,000万~1,300万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

ヤマハの単体従業員数は長期的に2,300人~2,400人ほどで安定的に推移。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2万人ほど。平均勤続年数は直近で19.4年と極めて長めであり、日系最大手クラスの大手メーカーをも凌駕する。従業員の定着は極めて良好であり、まさに模範的なホワイト企業である。

総合評価

企業格付け:AAA

長年に渡って世界最大級の総合楽器メーカーとして君臨し続ける名門企業であり、業界2位の河合楽器製作所を大きく引き離す。業績は長期的に横ばいが続いており成長性は薄いが、営業利益率10%台を安定的にキープし続けている点においては圧倒的。日系最大手メーカーのトヨタ自動車やソニーですら過去10年以上に渡ってヤマハ程の利益率を維持できてはいない。そのうえ財務体質も極めて良好であり、実質無借金経営。楽器製作はブランドイメージが生命線である為に、新規参入業者によってシェアを奪われるリスクも極めて薄い。グローバルにおいてもヤマハと同格程の競争力を有する楽器メーカーは数えるほどしか存在せず、そのいずれもが独自のポジショニングを持つために直接的競合は決して多くない。要するに、競合が少ない事業環境下において高い利益率を稼ぎ続けられる点において傑出しているのである。利益の安定性においては鉄道・ガス・電力会社をも上回り、利益率の高さにおいてはトヨタ自動車・ソニーにも匹敵。世の中の多くの人間が思う以上に、優良企業そのものである。

就職格付け:AA

業績・財務の良好さについては企業格付けで述べた通りだが、従業員の待遇においても極めて良好。給与水準は平均年収850万~900万円ほどの水準で安定しており、日系最大手メーカーにも勝るとも劣らない高水準を確立。管理職に昇進すれば年収1,000万円は余裕で超える。高い利益率が安定しているために賞与も安定しており、業績悪化によるボーナスカットに怯える必要すらない。福利厚生においても極めて良心的であり、家賃補助制度は自己負担30%のみ。高い給与水準に加えて家賃の70%を会社が負担してくれるために、貯金に回せる余裕資金が増える。主要拠点は静岡県にすべて集中しており、一部の例外を除けば転勤リスクは非常に少ない。静岡県で暮らすことに抵抗がなければ、転勤リスクがないがゆえに夫婦共働きを継続しやすいうえ、同県は生活コストが抑えられるために相対的幸福度は大いに高い水準で持てる。そのうえ、世界屈指の楽器メーカーということで企業イメージも極めて良好であるがゆえに世間体も良い。総合的に高い幸福度を安定して獲得できる点において超優良企業であろう。そして平均勤続年数19年以上という従業員の定着の良さが、それを証明している。

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