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【勝ち組?】カッパ・クリエイトの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

カッパ・クリエイトは、回転寿司チェーン『かっぱ寿司』を展開するコロワイドグループの大手外食会社。1973年に個人寿司店として長野県長野市で創業。同業他社に先駆けて「高度に自動化された大型店舗で100円寿司を提供する」業態を開拓したことで、1990年代には回転寿司業界で首位に君臨した。が、2000年代以降にはスシロー・くら寿司・はま寿司などのライバル会社が躍進、現在では業界4位に位置する。デリカ事業にも進出しており、コンビニ弁当や惣菜パンの製造も手がける。

POINT

・1990年代までは回転寿司業界1位を誇った大手、現在は4位まで後退
・売上高は減少傾向で利益も低迷、財務体質も悪化傾向が続いており苦しい
・平均年収450万円と外食大手では低め、固定残業制・年間休日も少なめ

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:51(準中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとして準中堅クラスの待遇を得られる。世間一般に見劣りすることのない、普通の人生を送ることができるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:易しい

親会社・コロワイドグループとの合同採用となっており、年間の採用数は100人~150人ほど。かなりの大量採用で門戸が広いうえ、アルバイトからの正社員登用も可能である。
採用大学:【国公立】山形大学・弘前大学・鹿児島大学など、【私立】青山学院大学・日本大学・駒澤大学・甲南大学・成城大学・名城大学・龍谷大学・神奈川大学・立正大学・二松学舎大学・帝京平成大学・千葉商科大学・北星学園大学・日本体育大学・相模女子大学・東京家政大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

カッパ・クリエイトの売上高は2012年の941億円をピークに減少傾向*1が続いており、2020年には648億円まで低下。同年以降はやや回復傾向にあるが、2024年は売上高732億円に留まっている。営業利益は2003年の86億円をピークに低迷しており、過去8年間は▲21億~17億円ほどで横ばい*2。
*1:当社の売上高が減少した理由は、①2010年代に低品質のイメージが広がったことによる顧客離れ、②寿司以外のサイドメニューを充実させなかったことによる家族層の顧客離れ、③ブランドに差別化要素たる特徴がない点、など。
*2:2020年から営業利益が低迷している理由は、①世界的な原材料費・人件費の高騰によるコスト増加、②歴史的な円安による海鮮品価格の高騰、など。

✔セグメント別の状況

カッパ・クリエイトは、回転寿司事業(回転寿司「かっぱ寿司」の店舗運営)、デリカ事業(コンビニ・スーパー向けの弁当・惣菜パンの製造販売)、の2事業を有する。
当社は売上高の約80%を祖業の回転寿司事業が占めるが、デリカ事業も残る20%を占めており意外と同事業の存在感は大きい。日本全国に『かっぱ寿司』295店舗を展開しており、回転寿司チェーンとしては業界6位の店舗数となっている。2014年に大手外食会社・コロワイドに買収され、現在では同グループにおける回転寿司分野を担う位置づけとなっている(参考リンク)。

✔最終利益と利益率

カッパ・クリエイトの純利益は安定性が低く、純損失への転落を繰り返している*3。2022年には純損失▲30.4億円に転落しており、苦戦傾向がみられる。営業利益率は2020年から2022年までマイナス圏に沈んでおり、2024年も1.96%と低空飛行が続いている。
*3:2016年に構造改革として、①長年親しまれたキャラクターの廃止、②大規模な店舗改装、③リブランディングの広告宣伝費投下、などを断行。しかし、結果が伴わずに2016年に純損失58億円を計上。同年以降も再浮上することなく低迷が続いている。

✔自己資本比率と純資産

カッパ・クリエイトの自己資本比率は29%~41%ほどで停滞しており、負債比率がやや高めとなっている*4。2024年は自己資本比率34.9%に微増したが、外食業界としては低めの水準になっている。純資産は2022年に86億円まで減少したが、2024年には108億円に回復している。
*4:長期間に渡って純損失への転落を繰り返してきたことで、財務体質にダメージが及んでいる。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

カッパ・クリエイトの平均年収は410万~440万円ほどで推移していたが、2024年には450万円にやや増加。総合職で入社すると、早ければ入社3年~5年目で店長に昇格して430万~480万円ほどになる。平均年齢は39.4歳(2024年)と大手企業の標準的な水準をやや下回る。

✔従業員数と勤続年数

カッパ・クリエイトの単体従業員数は微減傾向が続いており、2022年には664人となっている。業績悪化で店舗閉鎖を続けたこともあり、従業員数は減っている。平均勤続年数は14.0年(2024年)となっており、他の回転寿司大手よりも勤続年数はかなり長い。

総合評価

企業格付け:EE

■業績動向
厳しい。売上高は縮小傾向が続いており、回転寿司業界で1人負けの様相。利益も苦戦しており、直近8年間は損益ギリギリの状態が続いている。売上高の減少に挽回策を打とうにも、利益に乏しい状況ゆえに打つ手も限られてくる。2023年には同業他社の値上げが相次いだこともあって、相対的な割安感によって来客が増加したが、一過性の要因であろう。

■財務体質
悪化傾向。業績低迷の長期化によって自己資本比率34.9%(2024年)まで低下。2022年に純損失▲30.4億円を計上したことで、純資産も目減り。当面は持続可能なレベルではあるが、本業の業績悪化に歯止めをかけないと苦しい。

■ビジネス動向
業績改善に向けて三本柱を策定。①回転レーンをなくしたフルオーダー店舗の増強(食品ロス削減)、②1貫50円での商品提供スタート、③店舗限定の食べ放題サービス。積年の課題であった競合他社との差別化を強め、反転攻勢にむけた動きを加速させる。

就職格付け:E

■給与水準
平均年収は450万円(2024年)と外食大手のなかでは低めの水準。一見すると、くら寿司(平均年収499万円)に近いが、くら寿司は当社よりも平均年齢が7.4歳も下である。35歳店長で年収450万円ほどであるから、家庭を持つには店長クラスへの昇進は必須。

■福利厚生
外食業界では良い方。35歳までは店舗周辺の賃貸物件に借上げ社宅扱いで入居できる(自己負担額は2万円/月のみ)。ただし、店長クラスは固定残業制(45時間/月)で深夜残業30時間込み。外食業界の例に漏れず、年間休日は114日とかなり少なめである。

■キャリア
まずは店舗配属を経て、店長を目指すのがロールモデル。総合職であれば早ければ2年目で店長に昇進して、店舗責任者として管理・運営を任される。その後、複数店舗を渡り歩いていくことになるが、見込まれた場合には本社部門・スーパーバイザーへと抜擢される。

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出典:カッパ・クリエイト株式会社(有価証券報告書)