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【勝ち組?】オリエンタルランドの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

オリエンタルランドは、『東京ディズニーリゾート』を運営する京成グループのリゾート会社。1960年に京成電鉄が千葉県浦安沖の埋立事業地開発を目的として創業。1979年に米ウォルト・ディズニーと業務提携契約を締結し、1983年に『東京ディズニーリゾート』を開業。この『東京ディズニーリゾート』は米ウォルト・ディズニーが直営しない世界で唯一のディズニーランドであり、当社は契約期間の範囲内でロイヤリティを支払い続けることで同園を経営できる立場にある。

POINT

・東京ディズニーリゾートを運営する京成グループのリゾート企業
・売上高・利益はCOVID-19で打撃を被るも、2023年は過去最高圏に飛躍
・平均年収594万円、総合職・30歳で年収550万~600万円ほどに留まる

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:66(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:至難

総合職の採用数は年間20名~60名ほど。数多くの熱狂的なファンを抱えるために応募数は多く、採用枠もそれほど多くはないため入社難易度は極端に高い。必ず他社も併願しておきたい。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・東北大学・東京外国語大学・京都市立芸術大学など、【私立】慶応義塾大学・関西学院大学・国際基督教大学・多摩美術大学・武蔵野美術大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

オリエンタルランドの売上高は2020年・2021年のみCOVID-19影響によって急減したが*1、2023年には過去最高となる6,184億円に到達。営業利益も2020年・2021年のみ赤字転落しているが、同年を除けば960億~1,650億円ほどで推移している。
*1:当社はCOVID-19感染拡大により甚大な被害を被った1社であり、売上高・営業利益いずれも劇的に悪化。2019年2月29日から2020年7月1日までの約4か月に渡って臨時休園を継続したうえ、営業再開後も入園者数を絞っての対応を強いられた(参考リンク)。
*2:2023年に売上高・利益が増加した理由は、①COVID-19感染終息を鑑みた入園者数の引き上げ、②入園チケットの値上げ・変動価格制の導入による収益増加、③ディズニー・プレミアアクセスの導⼊による収益増加(参考リンク)、など。

✔セグメント別の状況

オリエンタルランドはテーマパーク事業(東京ディズニーリゾート内におけるアトラクション&ショー・飲食店・土産物販売など)、ホテル事業(東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、東京ディズニーランドホテルおよび東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルなど)、その他事業(イクスピアリ・モノレールなど)の3事業を有する。
当社のコア事業は『東京ディズニーランド』『東京ディズニーシー』を展開するテーマパーク事業であるが、テーマパークに付帯するホテルを複数運営する他、商業施設『イクスピアリ』やモノレール『舞浜リゾートライン』も手掛けている。2028年からはクルーズ船事業にも進出する予定(参考リンク)。

✔最終利益と利益率

オリエンタルランドの純利益は2020年にCOVID-19影響によって純損失▲541億円を計上したが、2023年には過去最高となる1,202億円に到達。営業利益率は2020年・2021年を除けば20%以上で推移しており、米ウォルト・ディズニーへのロイヤリティを支払っても尚、利益率は極めて良好な水準。

✔自己資本比率と純資産

オリエンタルランドの自己資本比率は70%~80%ほどで推移しており、極めて良好な水準。COVID-19以前には自己資本比率80%台に到達しており、著しく健全な水準を維持していた。純資産は2021年まで伸び悩んでいたが、2023年には9,495億円まで増加している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

オリエンタルランドの平均年収は2019年に708万円に到達したが、同年以降は450万~590万円に下落*3。総合職の場合、30歳で年収550万~600万円、課長職レベルで年収850万~950万円が目安。専門職*4の場合、30歳で年収350万~450万円が目安となり、昇給幅は限られる。
*3:当社は2019年にテーマパーク運営スタッフを待遇改善・長期雇用のため、パート・アルバイトから直接雇用の正社員に引き上げた(参考リンク)。この影響により平均年収が大幅に下落している。
*4:当社における専門職とは、テーマパークマネジメント職・調理スタッフ・ホテルスタッフなど。これらの職種は総合職とは異なる給与テーブルとなっており、昇給幅が限られる。

✔従業員数と勤続年数

オリエンタルランドの単体従業員数は2019年にテーマパークマネジメント職制度の導入によって急増。2023年には5,631人規模の組織体制となっている。平均勤続年数も2019年に同制度の導入によって急落、2023年は10.4年と大企業の標準的な水準を下回る。

総合評価

企業格付け:B

国内屈指のテーマパークである『東京ディズニーリゾート』を経営する京成グループのテーマパーク会社。世界で唯一、米ウォルト・ディズニー社からフランチャイズ経営を認められた企業である(東京を除く全世界のディズニーリゾートは米ウォルト・ディズニー社による直営である)。開園当時はロイヤルティーの高さにより成功を疑問視されたが、卓越したテーマパーク運営によって、国内屈指のテーマパークへと発展させた立役者。業績においては、2020年・2021年のみCOVID-19感染拡大により売上高・利益が急落したが、2023年には過去最高圏へと飛躍。最近では入園者1人あたりの収益性を高めるため、①入園チケットの値上げ・変動価格制、②ディズニー・プレミアアクセス(参考リンク)、などを矢継ぎ早に導入している。数百億単位でのロイヤルティーを支払っても尚、営業利益率は20%台で高位安定しているのも強み。が、当社にとって最大の事業リスクは「米ウォルト・ディズニー社とのフランチャイズ契約」であろう(同契約が解約となればミッキーマウスをはじめとするディズニー関連の商標がすべて使用不可能となる)。同契約は2046年に失効する予定であったが、米ウォルト・ディズニー社との交渉の末に「最長2076年まで」に更新することに成功しており、当面は一安心といった状況になっている(参考リンク)。

就職格付け:CCC

言わずと知れた超人気企業であり、ディズニーファンを中心として絶大な就職人気を誇る。が、給与水準においては平均年収594万円(2023年)とそれほど夢はなく、業績不振に見舞われた2020年には平均年収451万円までの下落に見舞われた。ただしこれはテーマパークマネジメント職も含めた平均年収であるため、総合職に限れば、30歳で年収550万~600万円、課長職レベルで年収850万~950万円が目安にはなる。総じて、卓越した利益率と財務体質の割には、給与水準が微妙という印象は拭えない(筆頭株主かつ親会社の京成電鉄の給与水準を上回れないという事情はあろうが)。COVID-19感染拡大期には早期退職制度により55歳以上の社員が急減したほか、平均勤続年数も10.4年(2023年)と長くはない。福利厚生も特筆すべき点には乏しく、30歳までの若手社員は独身寮に入寮できる程度(参考リンク)。東京ディズニーリゾート内での社員割引制度はあるが、敢えてそれ狙いで入社する理由にはなり得ない。入社難易度は極めて高い一方で、その先で得られる待遇を加味するとやや格付けを落とさざるを得ないだろう。強いて言えば、勤務地が千葉県に集約され転勤リスクがない点は意外なメリットか。

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出典:株式会社オリエンタルランド(有価証券報告書)