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不動産

【勝ち組?】NTT都市開発の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

NTT都市開発は、NTTグループの大手総合不動産会社。1986年に電話基地局の跡地などNTTグループの不動産活用を目的として設立。1990年代から都内を中心としたオフィスビル開発を本格化、『大手町ファーストスクエア』や『秋葉原UDX』などを竣工。2000年には『ウエリス』ブランドで戸建住宅・マンションの分譲を開始。2009年にはイギリスでオフィスビルを取得して海外不動産にも事業領域を拡大。2023年にはNTTグループが当社株式の100%を取得して完全子会社化、NTTグループにおける不動産デベロッパーとしての地位を固めた。

POINT

・NTTグループの不動産デベロッパー、オフィスビル・商業施設が主力
・売上高・利益は安定的で変動少ないが、財務体質は負債が重い
・総合職・30歳で年収930万円〜が目安、福利厚生は縮小傾向

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:70(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用人数は年間30名~40名と門戸は狭い。大手不動産デベロッパーかつNTTブランドを冠する希少性から人気は高く、就職難易度は極めて高い。
採用大学:【国公立】東京大学・大阪大学・北海道大学・筑波大学・千葉大学・横浜国立大学・東京都立大学・長崎県立大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・明治大学・法政大学・関西大学・日本女子大学・東京理科大学・芝浦工業大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔営業収益と営業利益

NTT都市開発の営業収益は2021年から増加傾向にあり、2024年には1,786億円に到達している。財閥系不動産デベロッパーと比べると事業規模は小さめ。営業利益は190億〜270億円で安定的に推移しているが、良くも悪くも売上高の増加には連動していない。

✔セグメント別の状況

NTT都市開発は、不動産開発事業(オフィスビルの企画・開発・テナントリーシング・プロパティマネジメント、商業施設の企画・開発・プロパティマネジメント、分譲住宅・マンション・賃貸住宅の企画・開発など)、のみの単一事業会社である。
当社はNTTグループにおいてオフィスビル・商業施設・マンションを中核とした不動産開発を担っている。当社が参画した代表的物件は『大手町ファーストスクエア』『秋葉原UDX』『グランフロント大阪』など。NTTグループが日本全国に保有する不動産(社宅跡地や電話局跡地)活用も重要事業となっている。

✔最終利益と利益率

NTT都市開発の純利益は100億〜270億円ほどで安定的に推移している。2023年には純利益272億円に到達したが、2024年には144億円に後退。営業利益率は2022年まで16%~18%ほどで推移しているが、2024年は11.8%まで低下している。

✔自己資本比率と純資産

NTT都市開発の自己資本比率は緩やかな減少傾向が続いており、2024年は14.3%となっている。自己資本比率が低いのは不動産デベロッパーの事業特性*1からやむを得ないが、同業他社よりも相当に低い水準に留まっている。純資産は2018年に2,876億円に到達したが、同年以降は1,900億〜2,100億円で横ばい傾向となっている。
*1:不動産デベロッパーは投資額が巨額に及び、投資期間も長期に渡るためため長期借入金などの資金調達で賄うことが多く、自己資本比率は高まりにくい傾向がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

NTT都市開発の平均年収は非公開だが、989万円(2024年)と推定される。財閥系不動産デベロッパーには及ばないが、不動産業界としては上位クラスの待遇。総合職の場合、30歳で年収930万〜1,030万円、課長職レベルで年収1,200万~1,400万円ほどが目安となる。

✔従業員数と勤続年数

NTT都市開発の単体従業員数は2018年まで400人規模に過ぎなかったが、2023年には600人規模に拡大している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.22万人ほど。平均勤続年数は13.2年(2023年)と、大手企業の標準的な水準を下回る。

総合評価

企業格付け:AA

NTTグループ傘下の大手不動産デベロッパーとしてオフィスビルを中核とした不動産開発を担っている企業。もともとは日本電信電話が日本全国に保有している不動産の活用を目指して設立されたが、1990年代から東京都内の大規模オフィスビル開発に参画したことを契機に不動産デベロッパーとしての地位を固めた歴史がある。業績においては安定感が強い性質となっており、営業利益190億〜270億円・純利益100億〜270億円ほどで安定的に推移している。不動産事業の性質上、良くも悪くも業績の急速な浮き沈みは起こりにくい。財務体質においては自己資本比率14.3%(2024年)と低く、不動産デベロッパーの同業他社と比べても弱い。不動産デベロッパーは不動産投資を借入金で賄うことが多いが、当社の場合は企業規模に比べて負債が大きく、負債負担の重さは課題となるだろう(当社の背後には国内最大規模の企業集団であるNTTグループが控えていることは安心材料ではあるが)。

就職格付け:A

2019年まではNTTグループに属しながらも上場企業として活動していたが、2019年に日本電信電話が株式公開買い付けによって完全子会社化(上場廃止)となった経緯がある(参考リンク)。現在ではNTTグループの不動産事業を統括するNTTアーバンソリューションズ傘下に属しながら事業を展開(建設設計・エンジニアリングを担うNTTファシリティーズも当社同様にNTTアーバンソリューションズ傘下に属している)。給与水準においては平均年収989万円(2024年)と推定され、不動産業界としても上位クラスの待遇。総合職の場合、30歳で年収930万〜1,030万円、課長職レベルで年収1,200万~1,400万円ほどが目安となるだろう。福利厚生においてはNTTグループ内と足並みを揃えつつあり、家賃補助制度では独身4万円/月・既婚者7万円/月が補助される。かつては恵まれた福利厚生が用意されていたが、NTTグループによる完全子会社化を経て、借上げ社宅制度・家賃補助制度が縮小傾向にある。

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出典:エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社(決算公告)