本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
NIPPON EXPRESSホールディングスは、陸運・海運・空運をはじめとするロジスティクス全般を主力とする総合物流会社。1937年に戦時下の国策会社として、全国各地の運送会社を統合して設立、1950年には日本通運株式会社法の廃止によって民営化を果たし、陸運だけでなく航空輸送や海外事業へと進出。1990年代には海外拠点が200ヵ所を突破し、世界的な物流ネットワークを構築した。2010年代には宅配便事業から撤退し、企業物流・海外事業への集中を強めた。2022年には持株会社体制へ移行し、NX商事・NX情報システムをはじめとする中核企業を傘下に収めた。現在では57カ国・地域に事業基盤を持ち、国内外に約3,000の拠点・物流施設を展開。陸運・海運・航空輸送を組み合わせた国際複合一貫輸送によって、世界市場で競争する総合ロジスティクス企業への転換を進めている。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:62(中堅上位)
元国策会社の物流業界トップ企業の一角。高利益率とは言い難いが経済の血流を担うがゆえに安定性は高い。物流業界では珍しい一般知名度の高さも魅力となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用数は年間200人~230人とかなり多め。物流業界の不人気もあって、業界トップ企業ながら倍率は高まりにくい。中堅大学からの採用実績も豊富であり、かなりの穴場企業。
採用大学:【国公立】北海道大学・神戸大学・金沢大学・岡山大学・宇都宮大学・大阪公立大学・熊本県立大学など、【私立】早稲田大学・明治大学・中央大学・立命館大学・日本大学・成城大学・中京大学・江戸川大学・流通経済大学・産業能率大学・桃山学院大学・武蔵野大学・名古屋商科大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
NIPPON EXPRESSホールディングスの売上高は2021年まで1.7兆~2.1兆円レベルで推移していたが、2022年には過去最高となる売上高2.61兆円まで急増*1。営業利益は2022年のみ1,555億円まで急増した*2が、同年を除けば510億~790億円ほどで推移している。
*1:2022年に売上高が急増した理由は、①COVID-19影響が緩和したことによる輸送需要の反動増、②国際輸送における航空・海上輸送量の増加による増収、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2022年の営業利益が急増した理由は、COVID-19以降の世界的な物流混乱による航空・海上輸送の運賃高騰が主要因。更に、国際貨物需要の回復、円安による海外売上高の押し上げが重なった経緯がある。
✔セグメント別の状況
NIPPON EXPRESSホールディングスは日本事業(ロジスティクス全般:鉄道・自動車・船舶輸送、倉庫・流通加工、引越・移転など)、米州事業(米州におけるロジスティクス全般)、欧州事業(欧州におけるロジスティクス全般)、東アジア事業(東アジアにおけるロジスティクス全般)、オセアニア事業(オセアニアにおけるロジスティクス全般)、警備輸送事業、重量品建設事業、物流サポート事業(石油販売・不動産・梱包資材・保険代理店など)の8事業を有する。
当社の事業構造は、国内最大級の輸送網と世界各地の拠点を組み合わせ、陸・海・空を横断した企業物流を支える総合ロジスティクス企業として成立している。日本国内では、国内各地の倉庫・物流センター・トラック網を活用し、企業間輸送・在庫管理・輸出入手続きなどを担う。特に、自動車、電機、半導体、医薬品、アパレルなど、物流条件が異なる産業ごとに専門的なサービスを構築している。海外事業では、航空貨物と海上貨物を中心とする国際フォワーディングを展開しており、欧州・米州・アジアなどで現地顧客の開拓を進めている。日本発着の貨物だけに依存せず、世界各地で完結する物流を獲得することが、グローバル企業として成長するうえでの重要課題となっている。
✔最終利益と利益率
NIPPON EXPRESSホールディングスの純利益は2022年のみ1,083億円まで急増したが、同年を除けば170億~560億円ほどで長期的に推移している。ただし、2025年のみ純利益26億円への低迷が起こっている*3。営業利益率は2%~5%ほどで推移しており、物流業としては標準的な水準である。
*3:2025年に純利益が減少した理由は、人員構成の見直しに伴うセカンドキャリア支援制度を実施し、退職支援に関する一時的費用の計上が主要因(参考リンク)。加えて、海外企業買収に伴って支払利息を中心とする金融費用が増加したことも最終利益を押し下げた。
✔自己資本比率と純資産
NIPPON EXPRESSホールディングスの自己資本比率は長年に渡って34%~39%ほどで推移しており、大手企業としては高くも低くもない水準。純資産は2020年から増加傾向にあり、2024年には過去最高となる8,730億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
NIPPON EXPRESSホールディングスの平均年収は2021年まで560万~610万円で推移していたが、同年以降は急増している。ただし、この上昇は2022年からは持株会社の平均年収となったことが主要因である*4。実際には、総合職の30歳で510万~600万円ほど、課長クラスで850万~1,000万円ほどが目安。
*4:2022年以降は持株会社の従業員のみで平均年収・平均勤続年数が算出されている。持株会社は現業職の社員が含まれず、本社勤務の総合職が殆どであるため平均年収が上がりやすくなる。
✔従業員数と勤続年数
NIPPON EXPRESSホールディングスの単体従業員数は2021年まで3.2万~3.5万人で推移していたが、同年以降は持株会社制への移行によって急減少。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は7.79万人ほど。平均勤続年数は2021年まで16年~18年前後で推移していたが、2022年からは持株会社制への移行によって急増している。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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