企業概要
M&Aキャピタルパートナーズは、M&A仲介・アドバイザリー・マッチング・データベース提供を主力事業とするM&A仲介会社。2005年の創業以来、M&A関連サービスに特化して事業展開。着手金無料を掲げて急成長した企業であり、顧客からの相談~企業価値算定~譲渡先探しに至るまで費用が発生しない手軽さが評判。成約手数料が1億円を超える大型M&A案件にも強く、M&A成約数の約25%が大型案件。金融機関からの紹介に依存せず、自社での営業活動に注力することで高い収益性を誇る。
・大型M&A案件にも強いM&A仲介会社、営業力が強く利益率も高い
・売上高・利益いずれも急成長が続く、財務体質は盤石で実質無借金経営
・平均年収2,277万円以上で億も可能、全日本企業中でも最高峰の給与水準
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:79(頂点)
サラリーマン社会の頂点。全上場企業でトップの傑出した給与水準は、一般知名度の低さを補って余りある魅力。M&A分野の専門性を確立できるキャリア価値も高査定を牽引。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:至難
総合職の年間採用数は非公開。募集要項には「群を抜く誠実さと、高い情熱で経営者に信頼いただき、M&Aについて専門性を日々高め続けられる謙虚さと熱意を持った方」とあり、要求レベルは非常に高い。まさしく並外れた才覚に恵まれた人材のみが入社できる企業である。
採用大学:非公開(出典:M&Aキャピタルパートナーズ新卒採用)
業績動向
✔売上高と営業利益
M&Aキャピタルパートナーズの売上高は2022年まで急成長が続いており、直近7年間で売上高は約5倍にまで拡大*1。が、2022年からは売上高200億円レベルで横ばい傾向にある。営業利益は2022年の97億円をピークにやや減少がみられる。
*1:当社は2005年に創業した新興企業であるが、着手金無料と明朗な手数料体系によって急成長。最近では潤沢な利益をテレビCMにも投下して認知度を拡大、業績拡大を果たした。
✔セグメント別の状況
M&Aキャピタルパートナーズは、M&A関連サービス事業(M&A仲介・アドバイザリー・マッチング・データベース提供・メディア運営など)、のみの単一事業会社である。
✔最終利益と利益率
M&Aキャピタルパートナーズの純利益は2022年に過去最高となる67億円に到達したが、同年以降はやや減少*2。営業利益率は2022年まで39%~46%で推移していたが、2023年からは35%前後に下振れ。
✔自己資本比率と純資産
M&Aキャピタルパートナーズの自己資本比率は長年に渡って80%以上の高水準で推移している。実質無借金経営を達成しており、財務体質は極めて良好。純資産も右肩上がりの推移を描いており、2024年には404億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
M&Aキャピタルパートナーズの平均年収は2,200万~3,160万円ほどで推移している。業績好調時に全日本企業の中でも最高峰の給与水準を誇り、総合商社をも凌駕する。完全な成果報酬制を採用しており年齢による給与レンジは存在せず、実力さえあれば億レベルの給与を得ることも可能。
✔従業員数と勤続年数
M&Aキャピタルパートナーズの単体従業員数は右肩上がりで増加しており、2024年には240人規模の組織にまで拡大。業績に対して従業員数は極めて少なく、従業員1人あたりの生産性が群を抜いている。平均勤続年数は3.09年(2024年)と短いが、新興企業であることと近年の採用拡大による影響が大きい。
総合評価
企業格付け:A
M&Aアドバイザリー業界において、手数料無料と明朗な手数料体系によって急成長を遂げた企業。2016年には老舗M&A仲介会社のレコフと経営統合、同社が保有していた膨大なデータベースを獲得して更なる業績拡大の足掛かりとしている。業績においては2022年まで売上高・利益の急成長が続いていたが、いったん踊り場を迎えた状況。2022年までは景気好調を追い風に大型M&A案件を多数こなしたことが成長を支えたが、同年以降は大型M&A案件の減少によって成長頭打ちとなっている。財務体質においても極めて堅実であり、自己資本比率80%前後と実質無借金経営。そのうえで手元資金を350億円以上も蓄えており、堅実すぎる程に堅実な経営を志向している側面もある。昨今の旺盛なM&A需要によってM&Aアドバイザリー業界には多数の新興企業が参入してきているが、大型案件の成約実績が豊富な当社の競争力は依然として高いため一定以上の競争力が認められるだろう。
就職格付け:SS
すべての日本企業のなかでもトップクラス…ではなく名実共にトップの給与水準を誇るスーパー企業。業績好調時における平均年収は3,000万円を上回り、総合商社ですら霞むレベルの超高給企業である。このレベルの給与を払えるのは、①従業員1人あたり経常利益が7,000万円を越える生産性の高さ、②自社での営業力が強いために他者への紹介料の支払いが少ない点、③M&Aコンサルタントは人材の質が命であるため高い給与水準それ自体が投資となっている点、などがある。これまでは新卒採用をしないことで知られていたが、2023年からは遂に新卒採用をスタートしており、新卒・中途いずれも門戸を叩ける環境が整備された。いずれにせよ、業務内容・給与水準いずれもサラリーマンの域を超えているとさえ言えるだろう。募集要項には「群を抜く誠実さと、高い情熱で経営者に信頼いただき、M&Aについて専門性を日々高め続けられる謙虚さと熱意を持った方」とあり、まさしく人間力で勝負する世界であることが示唆されている。
出典:M&Aキャピタルパートナーズ株式会社(有価証券報告書)