本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
国際協力銀行は、長期資金供給を主力事業とする政府系金融機関。1950年に大蔵省・GHQの主導で日本輸出銀行として発足、1999年に海外経済協力基金と合併して国際協力銀行へと改称。国際協力銀行法に基づき日系企業の海外進出・投資への支援を主力業務とする。日本国に2つしかない輸出信用機関の一角でもあり、公的機関として貿易保険・貿易保証なども展開。最近ではSDGs・脱炭素イノベーション・デジタル変革なども重点課題へ組み込み、日本と国際社会の持続的発展への貢献を目指している。
・政府系金融機関の一角、国際性・公益性を加味した海外投資が主力
・業績は変動激しいが事業の性質上やむを得ない、財務体質は大いに健全
・平均年収830万円だが、総合職なら年功序列で年収1,200万円以上に到達
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:76(最高峰)
日本企業における最高峰クラスのキャリアであり、誰もが勝ち組として認めるレベルの待遇・名声が得られる。入社するためには人並み外れた能力・努力は当然、運も必要である。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:最難関級
総合職の採用数は年間30人~40人ほどに過ぎず、かなりの狭き門。倒産リスクとは無縁の政府系金融機関かつ国際色が豊かなビジネスに携われる就職先として不動の人気を誇る。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・一橋大学・大阪大学・北海道大学・九州大学・東京外国語大学など、【私立】早稲田大学・東京理科大学・立教大学・東京女子大学・聖心女子大学など(出典:unistyle)
業績動向
✔経常収益と経常利益
国際協力銀行の経常収益は年度による上下変動が大きい。2020年・2021年は経常収益0.28兆~0.31兆円に留まったが、2023年には1.13兆円まで急増*1。経常利益も浮き沈みが激しく、2021年には173億円まで沈んだ一方、2022年には1,565億円まで急増している。
*1:2022年に業績好調に転換した主要因は、世界的な金利上昇。国際協力銀行においても貸出金利息の上昇だけでも前年比3,787億円もの経常収益の増加を享受。
✔セグメント別の状況
国際協力銀行は、一般業務事業(輸出金融、輸入金融、ローカル・バイクレ、保証業務、証券化業務、海外への資源権益・M&A・販売強化等への投融資など)、特別業務事業(期待利益は十分だがリスクを伴う海外インフラ事業向けの貸付)、の2事業を有する。
当行は日本輸出銀行として設立された経緯から輸出金融・輸入金融を主力とする。日本企業および日系企業現地法人と連携して機械設備の輸出や資源輸入における資金供給を遂行している。最新の中期経営計画では、資源分野・インフラ分野・産業分野・中小企業分野・環境分野の5領域を重点分野として設定(参考リンク)。世界における日本企業の競争力向上・権益確保への投資を遂行している。
✔最終利益と利益率
国際協力銀行の純利益は年度による浮き沈みが激しく、2021年には172億円まで沈んだ*2一方、2022年には1,565億円まで回復。自己資本利益率は平常時には1%~3%ほどだが、好調時には4%を超える。
*2:2019年・2020年に純利益が低迷した要因は、世界的な金利低下による貸出金利息の低迷。世界的な景気後退と金融当局による金融緩和による金利低下が業績を下押しした。
✔自己資本比率と純資産
国際協力銀行の自己資本比率は15.8%(2024年)と低めだが、銀行業界においては高めの水準。銀行業は顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。純資産は2019年から3兆円前後で横ばいが続いている。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
国際協力銀行の平均年収は800万〜830万円ほどで安定的。世間が思うほどには高くないが、これは一般職を含めた平均年収である。総合職であれば30歳で850万円~950万円ほど。年功序列色が極めて強い組織であり、総合職は多くが一定年次で課長へと昇進して年収1,400万~1,600万円レベルに達する。
✔従業員数と勤続年数
国際協力銀行の単体従業員数は緩やかな増加傾向が続いており、2024年は857人の組織体制となっている。平均勤続年数は10.2年(2024年)と長くはない。最近の人員増加による影響があるとはいえ、安定・高給のイメージの割にはそれほど長くはない。
