本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
双日は、石炭・資源・化学品・食料・自動車・航空機・生活用品などを幅広く展開する総合商社。バブル崩壊後に経営危機に陥っていた日商岩井とニチメンが2003年に合併して設立。前身となる日商岩井は、戦前に日本最大の総合商社として隆盛を極めた鈴木商店の流れを汲む企業であり、資源・エネルギー・鉄鋼を得意としてきた。一方のニチメンは繊維を起点とした機械・化学品・食料など生活産業分野を得意としてきた。2000年代にはブラジル・カタール・エジプトで原油・ガス権益の取得を進め、レアメタル・石炭の権益確保にも努めた。現在では資源・鉄鋼・食料ビジネスに加え、自動車・航空機トレーディングや原子力燃料取引なども手掛けており、航空機分野では国内シェア首位級を誇るほか、中東・アジアでは発電事業にも参画。国内外400社以上のグループ会社を擁し、事業領域は極めて広範に及ぶ。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:74(最上位)
準大手の総合商社として資源・非資源分野をバランスよく展開。五大商社には及ばないとはいえ、商社業界でも上位クラスの給与水準は大きな魅力。キャリア価値は高い。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用人数は年間80人~110人ほど。昨今の商社人気の高まりによって応募者のレベルは上昇傾向、総合商社との併願者も多いため競争は熾烈である。
採用大学:【国公立】東京大学・大阪大学・東北大学・名古屋大学・神戸大学・広島大学・静岡大学・滋賀大学・東京都立大学・小樽商科大学・国際教養大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・立教大学・法政大学・日本大学・東洋大学・中京大学・フェリス女学院大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
双日の売上高は2021年まで1.6兆~1.8兆円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2024年には売上高2.5兆円に到達している*1。営業利益は2021年まで270億~670億円のレンジで推移してきたが、2022年からは760億~1,140億円で推移している。
*1:2022年以降の業績好調の主要因は、①世界的な資源価格高騰による石炭・LNG・レアメタル・鉄鋼価格の上昇のよる採算性の向上、②COVID-19感染終息による航空機・エアライン向け機材の販売拡大、③アジア・中東・中南米における太陽光・風力・火力発電事業の好調による安定的な利益確保、など。
✔セグメント別の状況
双日は、自動車事業(完成車販売・サービスなど)、航空・社会インフラ事業(民間機・防衛機器・船舶・住宅・工業団地など)、エネルギー・ヘルスケア事業(再エネ・電力・原子力燃料・医療)、金属・資源事業(石炭・鉄鉱石・合金・炭素製品など)、化学事業(化学品・樹脂・レアアースなど)、生活産業・アグリ事業(穀物・小麦粉・油脂など)、リテール事業(コンビニ・外食・農産物・衣料品・マンションなど)、その他事業(物流・保険・データセンターなど)、の8事業を有する。
当社の事業構造は、資源・エネルギー・インフラ・航空機・自動車・食料・化学品など多種多様な事業領域へ分散された総合商社型のポートフォリオによって構成されている。資源分野では石炭・金属資源などの権益を保有しており、資源価格の変動による影響を受けやすい一方で、資源市況上昇局面では収益拡大につながりやすい構造となっているとみられる。これに対して非資源分野では、海外における発電事業(IPP)を中心とするインフラ事業が安定した収益基盤となっている他、自動車・航空機トレーディングや化学品、食料関連ビジネスなども展開。特に航空機分野では、航空機販売・機材調達などを通じて国内トップクラスの取扱実績を有している。最近では世界的な資源価格の高騰によって金属・資源事業が稼ぎ頭となっており、同事業が全社利益の約54%を占める。もっとも、本来の当社は(資源価格の乱高下に左右されない安定収益を求めて)非資源分野におけるビジネス拡大を重視する方針を掲げている。
✔最終利益と利益率
双日の純利益は2020年まで270億~700億円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2022年からは純利益820億~1,110億円で推移している*2。営業利益率は長期的に1%~4%と高くはなく、事業規模の大きさによって利益を稼ぐ構造である。
*2:当社の純利益は2021年・2022年は過去最高圏にあり、2003年の発足から過去最高を連続更新。かつてバブル崩壊で経営危機に瀕した日商岩井・ニチメンが合併を選んだ当時とは隔世の感がある。
✔自己資本比率と純資産
双日の自己資本比率は長年に渡って25%~30%レベルで推移している。商社は自己資本比率が高まりにくい事業構造であるため一見すると低く見えるが、財務の健全性に問題はない*3。純資産は2022年から右肩上がりで増加しており、2025年には1兆円に到達している。
*3:総合商社は規模・信用を活かして多額の資金を調達して事業に投資するビジネスモデル。常に新たな事業への投資を模索しているため、自己資本比率は高まりにくい業態。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
双日の平均年収は2023年から1,200万円台に増加しており、2025年は1,274万円となっている。さすがに財閥系の大手総合商社には及ばないが、大手専門商社は上回る給与水準となっている。総合職の場合、30歳で年収900万~980万円ほど、課長職レベルで年収1,500万~1,700万円が目安となる。
✔従業員数と勤続年数
双日の単体従業員数は2020年まで1,900人レベルで推移していたが、同年以降は2000人レベルに上振れしている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.28万人ほど。平均勤続年数は15.0年(2025年)と大手企業の標準的な水準。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
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