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大和証券グループ本社の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

大和証券グループ本社は、国内第2位の大手証券会社グループ。大和証券を中心として大和総研・大和アセットマネジメント・大和ネクスト銀行などが揃い、国内五大証券会社の一角を占める。発祥は1902年創業の藤本ビルブローカー銀行であり、1943年に日本信託銀行と合併して大和證券となった。国内支店数100以上・従業員数1万3千人を誇り、預かり資産額は50兆円を優に上回る。

POINT

1.株式市場の好不調に業績を左右されるが、2011年以降は業績安定
2.営業適性がある場合には学歴・性別に関わりなく超高年収を獲得可能
3.営業適性に自信がある場合は推奨できるが、適性がない場合はリスクを伴う。

業績動向

✔売上高と経常利益

大和証券グループの売上高は概ね6~7000億円前後で横ばい。経常利益は株式市場の好不調に左右されやすい傾向があるが、経常黒字を安定的に確保できている*1。
*1:好景気によって個人投資家や機関投資家のアクティビティが活性化することで手数料収入や大型案件が増加する傾向。

✔セグメント別の状況

大和証券グループはリテール事業(個人・法人向け資産運用コンサルティング)、ホールセール事業(株式・債券・為替・デリバティブ・M&A・IPO)、アセットマネジメント事業(資産運用・投資信託)、投資事業(不動産投資・ベンチャー投資・事業再生ほか)の4事業を有する。
売上高ではリテールとホールセールが高シェアを占めるが、利益面ではリテール・ホールセール・アセットマネジメントが均衡。特定事業に依存しすぎないバランス型の利益構造は強み。

✔最終利益と利益率

大和証券グループ本社は2011年以降は純利益を安定的に確保している*2。利益水準も2018年以降はやや低下しているが、過去10年間は業績が安定的に推移している。
*2:2011年は欧州債務危機と株式市場低迷によって業績が悪化して純損失394億円を計上。

✔自己資本比率と純資産

大和証券グループ本社の自己資本比率は5.0%と低いが、これは証券会社の特殊性が理由であり問題はない。顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるためである。
純資産が2020年に急増しているが、これはCOVID-19の感染拡大一服後の株式市場の活況により保有する有価証券の評価額が増加したことに起因している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

大和証券グループ本社の平均年収は直近で1219万円と高水準だが、持株会社の467名のみの平均年収。大和証券の平均年収は800~900万円程度と推定されるが、営業成績によって給与水準が大きく変動するため年功序列的な給与水準ではない。

✔従業員数と勤続年数

大和証券グループ本社の連結従業員数は増加傾向。平均勤続年数は15年を上回っているが、これは持株会社の467名のみの平均勤続年数である点には注意が必要。

総合評価

企業格付け:BBB

証券業界では野村證券に続く規模を誇る大手証券グループ。あまりにも野村證券が傑出しているため影は薄いが、日系5大証券会社における第2位の地位は盤石であり十分すぎる程に大手である。個人向けビジネスは破格の手数料を武器に顧客を集めるネット証券の勃興で形勢不利とされるが、大手証券会社の営業マンが対面営業をかけるのは富裕層・事業法人などがメインであるため悲観する必要はそこまでない。法人需要・ホールセール・IPO案件などの扱いにおいて大手証券会社の優位性は今でもまったく揺るがない。

就職格付け:AA/BBB

■総合職エキスパート=AAA
新卒で基本給40万円を保証されるうえ、配属先はITもしくは高度金融(クオンツ)部門を確約。証券会社特有のドサ周り営業を経験せず、本社部門へ直行できるキャリアを歩める。採用数が少ないブレイン採用であるため、学生時代に高度な専門性・語学スキルを磨く必要があるが、それに見合った待遇が得られるコースであるため就職格付けは国内最上位クラス。業界2位の大手証券会社でダイナミックな証券ビジネスに携われるロマンは大きな魅力である。

■総合職/エリア職=BBB
証券会社の例に漏れず、体育会系の実力主義社会。大学名や性別に関わらず実力で評価が決まるため、一般職から支店長クラスまでの昇格例もザラである。反面、名門大学を卒業していたとしても営業成績が伴わない場合には大きな失望を寄せられることになるだろう。過去には成績の振るわない社員を”追出部屋”で退職させようとした事件も起こっている(大和証券・日の出証券事件)。営業適性があれば学歴不問で高収入を得られる反面、適性がなかった場合のリスクは高い。学生時代のインターン等で自らの営業適性を確認することを推奨。