本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
ダイビルは、オフィスビル賃貸を主力とする商船三井グループの大手不動産会社。1923年に大阪商船(現・商船三井)などの出資で設立。1930年代には大阪・東京で相次いで物件を開発し、現在につながる事業基盤を固めた。終戦後には占領軍に『日比谷ダイビル』を接収されたが、戦災で損傷した自社物件の修繕を進めながら事業を再建。1970年代からは物件開発を再び加速させたが、堅実な投資方針を維持したことで、バブル崩壊後の打撃を最小限に抑えた。2004年には商船三井の連結子会社となり、2010年代にはベトナムでオフィスビルを取得して海外進出を開始。現在では東京・大阪・札幌に計36棟のオフィスビル・ホテルビル・商業ビルを所有しながら、インド・オーストラリア・イギリスなどへ海外展開を広げている。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:70(最上位)
関西圏では名門不動産デベロッパーとして知る人ぞ知る企業。給与水準は不動産業界でも上位レベルであり、大阪で働きたい不動産業界志望者にとってはトップレベルの就職先となりうる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
従業員数120人規模の少数精鋭の企業であるため、採用数は年間2人~5人と極端に少ない。高待遇の割には一般知名度が低いが、門戸が狭いために難易度は極めて高い。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・東北大学・神戸大学・大阪公立大学・一橋大学・東京外国語大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・同志社大学・立命館大学・武庫川女子大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
ダイビルの売上高は2023年まで400億~430億円で推移していたが、同年以降は微増傾向がみられる*1。2025年には過去最高となる売上高469億円に到達している。営業利益は過去8年間に渡って100億円〜120億円で極めて安定しており、景気後退局面にも底堅い。
*1:2025年に売上高が増加した理由は、①新規物件の一部持分や信託受益権の取得を継続している点、②2024年に『御堂筋ダイビル』が開業した点、③オフィスビル需要の好調による賃料値上げ、など。
✔セグメント別の状況
ダイビルは、土地建物賃貸事業(大阪・東京・札幌におけるオフィスビル・土地・駐車場・物流施設の賃貸、ベトナム・オーストラリア・インド・イギリスにおける海外不動産の賃貸など)、ビル管理事業(ビル清掃・設備管理・保安業務など)、その他事業(工事請負・工事管理・不動産仲介など)、の3事業を有する。
当社の事業構造は、大阪・東京におけるオフィスビル賃貸を中核としている。創業地でもある関西エリアを地盤としており、旗艦物件『ダイビル本館』『中之島ダイビル』は中之島のシンボルとして認知される。法人テナントとの長期的な関係構築に強みを持ち、10年以上の長期入居テナントが全体の71%を占めるなど、安定性の高い賃料収入を確保している。また、ビル管理事業において設備管理・清掃・警備などを実施することで、自社の保有物件の品質維持やテナント満足度の向上を図っている。最近ではベトナム・オーストラリア・インド・イギリスなどへの海外投資を拡大しており、商船三井グループの資金力や海外ネットワークを活用しながら、収益源の地域分散を進めている。
✔最終利益と利益率
ダイビルの純利益は2024年まで68億~88億円のレンジで推移していたが、2025年には過去最高となる91億円に上振れしている。営業利益率は21%〜28%のレンジで推移しており、不動産業界としても高めの水準。営業利益率に限れば、財閥系不動産デベロッパーにも勝るとも劣らない。
✔自己資本比率と純資産
ダイビルの自己資本比率は40%前後で長期的に安定して推移していたが、2025年には34.0%にやや低下がみられる*2。純資産は2020年まで1,500億円レベルで横ばいであったが、同年以降は増加傾向。2025年には純資産2,043億円に到達している。
*2:不動産デベロッパーは土地建物への投資額が巨額に及び、投資期間も長期に渡る。そのため長期借入金などの資金調達で費用を賄うことが多く、自己資本比率が高まりにくい傾向がある。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ダイビルの平均年収は930万〜980万円で長期的に推移している。2024年には平均年収1,015万円に到達したが、2025年は980万円に回帰。総合職の場合、30歳で年収850万~880万円ほど、課長職レベルで年収1,250万~1,400万円に到達する。財閥系不動産デベロッパーには及ばないが、業界上位の待遇である。
✔従業員数と勤続年数
ダイビルの単体従業員数は増加傾向が続いているが、2025年でも120人と極めて少数精鋭の組織体制。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,206人ほど。平均勤続年数は9.2年(2025年)と短いが、これは積極採用で新入社員の増加が続いている反動でもある。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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