本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
東海東京フィナンシャル・ホールディングスは、東海東京証券を中核子会社とする準大手証券グループ。2000年に東海丸万証券と東京証券が合併して誕生。当時の証券業界はバブル崩壊後の株価低迷とネット証券の台頭に直面しており、東海地方の法人・個人顧客に強い東海丸万証券と、首都圏を地盤とする東京証券が統合することで、全国型の準大手証券会社への再編を進めた。2010年にはトヨタファイナンシャルサービス証券を吸収合併し、トヨタグループとの関係性を拡大。2020年代からは地方銀行による証券子会社の設立を支援し、浜銀TT証券・とちぎんTT証券・十六TT証券・西日本シティTT証券などを相次いで設立。地方銀行との共同運営モデルという独自路線を築いた。現在では北は仙台から南は福岡まで店舗網を広げ、証券業界では上位10社に数えられる準大手証券グループとして確固たる地位を築いている。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:部門別=68/総合職=60(中堅)
部門別:高度金融に携われるキャリアが確約される採用コース。金融マーケットの根幹に関わる経験を積めるキャリア価値は高い。
総合職:大手証券会社には知名度・規模で及ばないが、中部地方では一定の知名度。実力次第では大手メーカー並みの給与を得られる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:部門別=難関/総合職=中難易度
採用実績は年間140名~170名ほど。人格重視の採用方針のため、中堅大学からも幅広い採用実績がある。部門別採用は高度金融を志望するハイレベル大学からの入社者もある。
採用大学:【国公立】東京大学・名古屋大学・滋賀大学・岐阜大学・三重大学・名古屋市立大学・愛知県立大学など、【私立】明治大学・法政大学・関西大学・立命館大学・南山大学・日本大学・中京大学・名城大学・中部大学・愛知淑徳大学・フェリス女学院大学・白百合女子大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔営業収益と営業利益
東海東京フィナンシャル・ホールディングスの営業収益は2020年に616億円に下落したが、同年以降は緩やかな増加傾向に転換。2025年は営業収益863億円に増加しているが、同業他社と比べると増加幅は緩慢である*1。営業利益も年度により好不調が分かれているが、2025年は117億円となっている。
*1:当社の営業収益が伸び悩む理由は、①当社の顧客年齢別シェアは50代以上が約90%と顧客基盤が高齢化している点(参考リンク:P.9参照)、②取引手数料が安価なネット証券が顧客数を急増させている点、など。特に若年層では、店舗や営業担当者を介さずにスマートフォンで取引を完結させる利用形態が一般化しており、新規顧客の獲得競争ではネット証券が優位に立ちやすい。
✔セグメント別の状況
東海東京フィナンシャル・ホールディングスは、投資金融サービス事業(有価証券売買・委託媒介、引受け・売出し・募集など)のみの単一事業会社である。
当社の事業構造は、個人富裕層や法人向けの株式・債券・投資信託などの金融商品の販売を中核として成立している。顧客から預かった資産を運用商品へ仲介することで売買手数料や信託報酬、資産管理に伴う各種手数料を獲得するほか、債券や仕組債などの販売、自社による引受業務、M&Aアドバイザリー、IPO支援なども収益源となっている。地方銀行との共同出資による証券会社(浜銀TT証券・十六TT証券・とちぎんTT証券など)の設立を積極的に進めており、地方銀行の顧客基盤と当社の証券ノウハウを組み合わせることで、全国へ営業網を拡大している点が最大の特徴である。地方銀行にとっては証券機能を獲得でき、当社にとっては新規顧客を効率的に開拓できるため、双方にメリットのあるビジネスモデルとなっている。一方で、証券会社の宿命として株式市場の低迷局面では売買代金の減少によって手数料収入が落ち込みやすいほか、ネット証券との手数料競争や若年層の対面証券離れも中長期的な課題である。
✔最終利益と利益率
東海東京フィナンシャル・ホールディングスの純利益は2018年のみ253億円に急増しているが、これは一過性の要因*2。同年以降は純利益10億~131億円で推移しており、年度による好不調の差が大きい。営業利益率は好調時には20%前後にまで急伸するが、不調時にはマイナス圏に低下する。
*2:2018年に純利益253億円まで急伸した理由は、高木証券の連結子会社化に伴い、持分法による投資利益として負ののれん発生益111億円を計上したことが主要因。純資産に満たないディスカウント価格で高木証券を買収したことで特別利益が発生した背景がある。
✔自己資本比率と純資産
東海東京フィナンシャル・ホールディングスの自己資本比率は12.9%(2025年)と低水準だが、これは証券業の特性によるもの。顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。純資産は1,600億~1,950億円ほどで推移している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
東海東京フィナンシャル・ホールディングスの平均年収は794万円(2025年)となっているが、これは持株会社の143名のみの平均年収。事業会社の場合、総合職・30歳で年収680万〜790万円ほど、課長職レベルで1,000万〜1,200万円ほど。実力があれば20代でも1,000万円を超えるが、成果を残せなければ中高年でも給与は伸び悩む実力主義の色彩が強い。
✔従業員数と勤続年数
東海東京フィナンシャル・ホールディングスの単体従業員数は143人(2025年)に留まり、従業員の殆どは事業会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,528人ほど。平均勤続年数は3.42年(2025年)と極端に短いが、これは持株会社の143名のみの平均勤続年数である*3。
*3:事業会社の平均勤続年数は13.3年(2025年)となっており、証券会社に世間が抱くイメージほど短くはない。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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