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小売流通会社

良品計画の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

良品計画は、無印良品・MUJIブランドで家具・食品・生活雑貨・服飾品などを展開する大手小売会社。1980年に大手スーパーの西友がプライベートブランドとして開発した「無印良品」が源流であり、1989年に良品計画として企業化された。小売業の常識である「ブランド化による価値向上」に疑問を呈し、ノーブランド商品として展開(参考リンク)。現在では簡素で実用的なアイテムをラインナップしつつ、設計・材料調達・製造・物流・販売までを自社で行うことで高品質・低価格を実現。現在では世界32ヶ国に進出するグローバル企業でもある。

POINT

1.無印良品・MUJIブランドで著名、世界進出に意欲的な大手小売会社
2.売上高は長期的な成長基調、財務体質も自己資本比率50%以上で優良
3.平均年収620万円とそこそこ、総合職は全国転勤を伴う

業績動向

✔売上高と営業利益

良品計画の売上高は長期的な成長基調が続いており、2023年には過去最高となる5,814億円に到達*1。営業利益は300億~400億円で安定的。2020年のみ決算月変更・COVID-19影響で売上高・利益が急減しているが一過性。
*1:良品計画は2030年度に売上高3兆円を長期目標として掲げて出店攻勢を継続(参考リンク)。年100店舗以上のペースで店舗数を増やしており、売上高の積極拡大に取り組んでいる。

✔セグメント別の状況

良品計画は国内事業(日本国内の無印良品・カフェなど)、東アジア事業(中国・香港・台湾・韓国など)、東南アジア・オセアニア事業(シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナムなど)、欧米事業(北米・イギリス・フランス・イタリア・ドイツなど)の4事業を有する。
無印良品は世界32ヶ国に店舗展開するグローバル企業。既に店舗数は海外の方が多くなっており、国内532店舗に対して海外604店舗。

✔最終利益と利益率

良品計画の純利益は200億~340億円ほどで安定的。2020年のみCOVID-19影響で純損失に転落したが一過性。営業利益率は5~10%と小売業としては優秀な水準。

✔自己資本比率と純資産

良品計画の自己資本比率は長期的に減少傾向だが、直近でも自己資本比率50%以上を確保できており高水準。純資産も長期的に増加傾向にあり、財務体質は安定的。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

良品計画の平均年収は長年に渡って500万円レベルで推移してきたが、2023年には平均年収600万円を越えた。役割に応じたグレード制の賃金制度であり、店長クラスで年収550万~650万円ほど、ブロックマネージャーで年収700万~750万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

良品計画の単体従業員数は出店攻勢に応じて増加傾向、直近では2,800人ほどの組織規模。非正規社員・グループ会社なども合わせた連結従業員数は2万人ほどである。平均勤続年数は直近で8.31年と長くはないが、小売業としては悪くない水準。

総合評価

企業格付け:C

小売業界における製造小売(SPA)を導入によって大きな成功を収めた点においては、ニトリと双璧を為す企業。設計・材料調達・製造・物流・販売までを自社で行うことで高品質・低価格を実現しており、根強いファンを多く抱えている。売上高は出店攻勢により成長が続いており、日系小売業としては上位25社にはランクインする規模感に到達。2030年に売上高3兆円を目標としているが、これは現在におけるヤマダ電機の約2倍、ローソンの約3倍となる規模感であり実現性は未知数。出店攻勢への投資で利益面は伸び悩むが、それでも営業利益率5%以上を確保しているため小売業としては良好な水準。財務体質は自己資本比率50%以上をキープしており、業界トップクラスである。

就職格付け:DD

日本人ならば知らない者はいないであろう小売会社。ただし、地方都市においては店舗数が限られる為、地域によっては「名前は聞いたことがある」レベルでもある。給与水準は小売業界大手にやや劣る程度。2022年に平均年収600万円を越えたものの、業界トップランナーのファーストリテイリング(平均年収959万円)やニトリ(平均年収835万円)には及ばない。店長候補採用の場合には全国転勤を伴うため、1~3年サイクルでの転勤が発生するのも辛い。第二新卒採用やカムバック採用にも積極的であるため、必ずしも新卒入社にこだわらないのは美点。無印良品の商品性や哲学に強い関心がある場合であれば良い就職先かもしれない。

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