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京セラの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

京セラは、電子部品・ファインセラミック・情報機器・医療機器・太陽光発電システムなどを主力とする大手電子部品・電機メーカー。1959年に稲盛和夫がファインセラミック専業メーカーとして京都セラミックを創業。創業直後から絶縁部品やIC部品を製造して急成長を果たし、1982年に現社名の京セラへと社名変更。1984年には第二電電企画(現・KDDI)の創業24社のうちの1社に名を連ね、情報通信分野へも進出。現在では祖業の電子部品・半導体のみならず、機械工具・太陽光発電パネル・医療機器・携帯電話端末・複合機など多種多様な事業を展開。創業以来、黒字系を堅持してきたことでも著名。

POINT

1.コンポーネント部品に強みを持つ電子部品・電機メーカー、創業者は稲盛和夫
2.売上高・利益いずれも長期的な成長基調が継続、財務体質は超優良
3.平均年収723万円とそこそこ、福利厚生はそこそこ

業績動向

✔売上高と営業利益

京セラの売上高は長期的な成長が継続しており、2022年には売上高2.03兆円に到達して過去最高を更新*1。営業利益は2019年までは900億~1,000億円レベルで安定していたが、2021年以降には営業利益1,200億~1,400億円レベルへと上昇*2。
*1:2021年以降は世界的な半導体・電子部品の需要拡大により京セラの売上高は増加。電気自動車・5G通信機器における需要増加が特に追い風に。
*2:2022年は営業利益が前年から減少したが、これは①世界的な原材料価格の高騰による原価上昇、②携帯電話事業からの撤退に伴う一時費用の発生、が原因。

✔セグメント別の状況

京セラはコンポーネント事業(ファインセラミック部品・自動車部品・光学部品・医療機器・宝飾商品など)、電子部品事業(電子部品・コネクタ・センサなど)、ソリューション事業(機械工具・情報機器・通信機器・太陽光発電システム・蓄電池・燃料電池・ディスプレイなど)、その他事業の4事業を有する。
京セラは事業多角化が進んだ企業であるが、業績貢献の大きい主力事業はコンポーネント事業・ソリューション事業である。コンポーネント事業は全社利益の約50%を稼ぎ出しており、事業部門の営業利益率は約15%にも及ぶ。ソリューション事業は売上高の約52%を稼ぎ出すが、利益貢献はそこまで大きくはない。

✔最終利益と利益率

京セラの純利益は2019年までは900億~1,000億円レベルで安定していたが、2021年以降には1,200億~1,400億円レベルへと上昇*3。営業利益率は5~8%ほどの水準を安定的に確保できており、大手メーカーとしては標準的な利益率。
*3:京セラは長年に渡って黒字経営を堅持してきた企業であり、創業から純損失に転落したことがないことで有名。利益率はそこまで高くはないが、利益体質の安定性は優れている。

✔自己資本比率と純資産

京セラの自己資本比率は長年に渡って75%前後の高水準で推移しており、財務体質は極めて健全。京セラは事業経営の基礎として株主資本比率を高くすることを重視、負債が極めて少ない財務体質を確立してきた歴史がある。純資産は長期的に増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産3兆円を突破。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

京セラの平均年収は長年に渡って680~720万円ほどの水準で安定的に推移、業績成長の割には従業員の給与水準は横這いが続いている。大卒総合職は30歳前後で年収550万~700万円ほど、課長職レベルで年収850万~900万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

京セラの単体従業員数は長年に渡って増加傾向が続いており、2021年には2万人を突破。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は8.12万人ほど。平均勤続年数は直近で16.1年とそこそこ長め。

総合評価

企業格付け:BB

ニデック・オムロンなどと比較されやすい京都の有力企業、BtoB分野・BtoC分野いずれも幅広く展開している。業績は長期的な成長が続いており、2022年には売上高2兆円に到達して過去最高を更新。営業利益・純利益も過去最高レベルでの推移が続いており、業績好調そのもの。半導体分野・電気自動車分野における需要拡大は中長期的に継続するとみられ、今後の業績は当面安定か。財務体質は自己資本比率70%以上を確保しており、極めて堅牢。京セラは稲盛和夫の時代から堅実な財務基盤の構築を重要視してきた歴史があり、現在においても財務体質は極めて優良である。M&A巧者としても知られ、液晶メーカーのオプトレックス、プリンタメーカーの三田工業、水晶デバイスメーカーのキンセキ、リョービの電動工具部門などを過去に買収。中長期的な業績成長のために事業領域をM&Aを活用しながら拡大する手腕に定評。

就職格付け:BB

独特の社風で知られる京都の名門企業。創業者の稲盛和夫は全社員を同じ方向へ向けることを重視する経営手法で知られ、現在でも京セラフィロソフィー・アメーバ経営・全員参加経営などの理念が重要視される社風。稲盛和夫の数々の思想は幾多の書籍が出版されている他、稲盛和夫オフィシャルサイトなどでも社内外へ強烈に発信されているため入社を考える場合は必読。従業員として働くならば京セラの核心的理念にどこまで共感できるかを予め知っておきたい。給与水準は平均年収680~720万円ほどで大手電機メーカーには及ばないが、従業員の雇用を重要視する家族型経営の企業であるためにリストラの懸念は薄い点が安心材料。福利厚生は住宅補助・家族手当などがあるが、金額は1~3万円ほどであり特筆すべきほどではない。

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