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小売流通会社

ライトオンの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ライトオンは、アメカジスタイルを中心とした衣料品を取り扱う衣料品チェーン。1980年に東京都・高円寺でジーンズ販売店として創業。ジーンズブランドの代表格である「リーバイス」「エドウィン」を中核とした、アメカジスタイルの商品展開を得意としてきた。1985年頃から好立地なショッピングモール・郊外ロードサイドに多店舗展開を開始、地方都市の若者から絶大な支持を受けた。1990年代にはアメカジブームを追い風として企業規模を急拡大させ、現在では国内373店舗を展開する。

POINT

・アメカジ・ジーンズを得意とする衣料品チェーン、自社開発製品にテコ入れ
・売上高は減少傾向が続き利益低迷、純資産の毀損が痛い状況
・平均年収381万円と低めだが、借上げ社宅制度が大いに手厚い

業績動向

✔売上高と営業利益

ライトオンの売上高は右肩下がりの減少傾向*1が続いており、2020年にはCOVID-19影響で529億円まで急減。同年以降も売上高は回復せずに微減傾向が続く。営業利益は2016年に37.3億円を確保したが、同年以降は慢性的な赤字体質に苦しむ。
*1:売上高が縮小し続けている理由は、①ユニクロをはじめとする同業他社に顧客を奪われ続けている点、②当社が得意とするアメカジスタイルが不人気化した点、が主要因。
*2:2017年以降に赤字が続いている理由は、①売上高の衰退に対して店舗数・人員の削減が追いつかずコスト負けしている点、②COVID-19感染拡大による衣料品の販売不振、③販売挽回に向けた在庫品が不良在庫化した点、など。

✔セグメント別の状況

ライトオンは、衣料品事業(ジーンズを中心としたアメカジスタイル衣料品の販売、自社開発ブランドの製造販売など)のみの単一事業会社である。
当社はジーンズ販売店として創業して以来、アメカジスタイルの衣料品を中心に取り扱うアパレルショップとして店舗展開を進めてきた。ジーンズの売上が高いこともあり、ボトムス商品群が売上高の約35%を占める。

✔最終利益と利益率

ライトオンの純利益は2016年・2018年を除けば純損失が慢性化しており、2019年・2020年には純損失57億〜61億円を連続計上*3。営業利益率は損益ギリギリを彷徨い続けており、利益をだしにくい体質が定着している。
*3:2019年の純損失61.4億円は戦略転換の失敗が主要因。ユニクロなどの同業他社との差別化を図るためにジーンズ・アメカジ分野への集中投資を進めたが、販売不振がより深刻化して特別損失を計上。今やアメカジスタイルは一般消費者に好まれないことが浮き彫りに。

✔自己資本比率と純資産

ライトオンの自己資本比率は長期的に40%前後の水準で安定しており、負債レベルとしては高すぎない水準を維持できている。が、純資産は長年に渡る赤字体質で毀損しており、過去8年間で345億円から126億円まで減少。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ライトオンの平均年収は2020年まで440万円台を維持していたが、同年以降は380万円台へと後退。総合職の場合、30歳の店長クラスで年収380万〜450万円となる。本部課長・ブロック長レベルで年収580万〜690万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

ライトオンの単体従業員数は2019年を境に急激に減少。店舗削減・業績悪化に伴う離職のほか、2021年に希望退職者を募集したことも要因。平均勤続年数は直近で12.4年とアパレル業界としては長めであり、長く勤続し続けている社員が多いことが伺える。

総合評価

企業格付け:EEE

■業績動向
売上高減少•赤字体質が苦しい。ユニクロなどのファストファッションが高品質・低価格を確立したことで、マス層の顧客流出が激しい。かといって、マニア層はアメカジを流行遅れとして敬遠しており、マス層・マニア層いずれも顧客になりにくい状況。現在にもアメカジを愛するニッチ層は一定数いるが、当社は全国373店舗もの企業規模であるためニッチ層だけでは利益回復できる公算は低い。

■財務体質
苦しい。業績悪化に苦しみつつも自己資本比率は40%台を維持できているが、純資産の減少が著しい。純損失が相次いだことで過去8年間で純資産は345億円から126億円まで毀損。これからも純損失が続くことは避けたい水準である。

■ビジネス動向
プライベートブランド「バックナンバー」「キャンプ7」へのテコ入れを急ぐ。とりわけアウトドア志向の「キャンプ7」はトレンドを掴んだラインナップで2021年には前年比60%以上の大幅成長を遂げた。2023年までにはプライベートブランドの販売比率を半分にまで高め、従来型のビジネスモデルからの転換を狙う考え。

就職格付け:D

■給与水準
平均年収381万円に留まる。アパレル業界の上場企業は平均年収420万〜460万円ほどが相場であるため低めの印象となるが、当社には後述する借上げ社宅制度があるため実生活水準は他社同等。総合職は入社2〜3年で店長クラスへと昇格するため年収380万〜450万円には届くが、そこから先の昇給を目指すならブロック長レベルを目指すことが必要。

■福利厚生
良い。借上げ社宅制度が充実しており、自己負担は家賃額の25%であるため、これだけでも年間40万〜60万円ほどの恩恵。2021年には希望退職者の募集に応じた47人への特別退職金8,200万円を計上しており、1人あたり174万円を支給した計算。退職者にも手厚い対応ができるのは上場企業ならではである。

■キャリア
ナショナル社員・ブロック社員の2職種制。いずれも入社後は店舗に配属され、店舗オペレーションの基礎を学び、入社2年〜3年ほどで店長へと昇格する。ナショナル社員は転勤がないものの店長クラスまでの昇格に留まり、本部社員(企画・マーケティング・調達・経理・人事)やブロック長以上の役職者にはなれない。

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