本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
ニッスイは、水産業・食品加工業・物流業などを展開する大手水産・食品メーカー。1911年に山口県下関市でトロール漁業会社として創業、戦前から漁業・捕鯨・製氷において発展。戦時中には国策によって事業統廃合を強いられるが、終戦後には再び独立。終戦後には世界各地で漁業・養殖業を展開したが、1977年から200海里規制が始まったことで事業縮小。1980年代からは食品加工・物流など非水産領域を拡充。2008年には海外事業の失敗が重なって業績不振に陥ったが、事業再構築を経て復活。現在では冷凍食品シェアで国内上位、北米地域でも水産冷凍食品でシェア1位。今なお水産事業も有力であり、国内外70箇所以上の養殖場を通じてグローバルな水産物供給網を構築。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:64(中堅上位)
水産業界におけるトップ企業の1社であり、食品メーカーとしても有力。給与水準は食品業界と比べてもやや高めであり、競争力はかなり高い。一般知名度の高さも魅力ではある。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
総合職の採用実績は年間25名~35名とかなり少なめ。一般知名度が高いうえ応募数も多いため、選考倍率は相当に高くなる。海洋・水産系学生からの人気は非常に高い。
採用大学:【国公立】大阪大学・北海道大学・神戸大学・筑波大学・広島大学・鹿児島大学・東京海洋大学・東京農工大学・水産大学校など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・中央大学・法政大学・同志社大学・関西大学・東京理科大学・東京農業大学・北里大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
ニッスイの売上高は2021年に一時減少*1したが、同年以降は回復傾向が続いている。2025年には過去最高となる売上高8,861億円に到達。営業利益は180億〜290億円ほどで長期的に安定しているが、2025年には過去最高となる317億円に上振れしている。
*1:2021年の売上高の減少は、COVID-19感染拡大期において外食需要が激減したことによる業務用食品・水産品の販売急落が主要因。在宅勤務の増加によって家庭用冷凍食品には一定の追い風もあったが、外食向け・業務用需要の落ち込みを補い切れず、全体売上は減少した。
✔セグメント別の状況
ニッスイは、水産事業(チリ・ニュージーランドなどにおける漁業、サーモン・ブリ・サケ・クロマグロなどの養殖、水産物加工・販売など)、食品事業(家庭用冷凍・チルド食品、業務用冷凍食品など)、ファイン事業(医薬原料・機能性原料・機能性食品など)、物流事業(冷蔵倉庫事業・配送事業・通関事業など)、その他事業(造船・船舶修理・船舶運航、エンジニアリング事業など)、の5事業を有する。
当社の事業構造は、祖業の水産事業を原点としつつ、現在は食品事業を中核に据えた複合食品メーカーへと変貌した構造にある。自社で漁業・養殖・加工を手掛けることで原材料を効率的に調達しつつ、自社で家庭用・業務用食品を生産することで、一気通貫のバリューチェーンを構築している。また、一般市場において水産物価格が下落すると水産事業には逆風となる一方、食品事業では原料コスト低下による追い風になるため、両事業の利益構造は相互補完的となっているのも特徴的である。売上高においては水産事業と食品事業が稼ぎ頭であるが、利益面においては食品事業は全社利益の約69%を稼ぐほどに成長している。共働き家庭や少人数世帯が増加したことで、当社が得意とする冷凍食品市場が拡大を続けていることも食品事業の追い風となっている。
✔最終利益と利益率
ニッスイの純利益は2022年まで140億〜170億円ほどで推移していたが、同年以降は200億円台へと拡大。2025年には過去最高となる純利益253億円に上振れしている。営業利益率は長期的に2%〜3%で推移しており、食品・水産業界としてもそれほど高い水準にはない。
✔自己資本比率と純資産
ニッスイの自己資本比率は長期的な増加傾向が継続しており、2025年には43.6%まで向上している。利益剰余金の蓄積によって、財務体質の健全化が着実に進んでいる。純資産は2016年から右肩上がりで増加しており、2025年には2,859億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ニッスイの平均年収は長期的に790万~820万円ほどで推移している。2024年には平均年収766万円に後退したが、2025年には835万円に上振れている。総合職の場合、30歳で年収600万~650万円、課長職レベルで年収900万~1,100万円が目安。平均年齢は43.1歳(2025年)と、大企業の標準的水準。
✔従業員数と勤続年数
ニッスイの単体従業員数は2022年まで増加傾向が続いていたが、2024年からは1,500人ほどの組織規模で横ばいとなっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1万人ほど。平均勤続年数は16.4年(2025年)と、大企業の標準的水準をやや上回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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