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【勝ち組?】雪印メグミルクの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

雪印メグミルクは、牛乳・チーズ・バター・ヨーグルトなどの製造・販売を主力事業とする乳製品メーカー。1950年に過度経済力集中排除法によって北海道酪農協同から分割設立された雪印乳業を源流とし、1990年代には売上高1兆円を越える巨大食品グループに発展。が、2000年代に集団食中毒事件・産地偽装事件を引き起こしたことで瓦解。現在では乳製品に特化した企業に変革しており、バター・マーガリン・チーズで国内シェア首位を誇る。牧草・飼料種子も手掛けており、国内シェアは50%以上。

POINT

・大手乳業メーカー4社の一角、最近はチーズ・バターが利益の柱に育っている
・売上高・利益いずれも安定的、財務体質も大いに健全
・平均年収765万円で業界上位クラス、住宅補助がかなり充実している

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:64(中堅上位)

大手企業の中でも中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。入社できればサラリーマンとして、かなり安定した人生が得られるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

総合職の採用人数は年間20人~40人と知名度の割に少ないうえ、食品メーカーの例に漏れず選考倍率は高倍率になりがち。事業の性質上、酪農系・農業系の専門性があると有利。
採用大学:【国公立】京都大学・九州大学・筑波大学・広島大学・千葉大学・金沢大学・大阪公立大学・帯広畜産大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・明治大学・立教大学・立命館大学・日本大学・成蹊大学・名城大学・東京理科大学・東京農業大学・酪農学園大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

雪印メグミルクの売上高は長年に渡って5,900億~6,100億円ほどで極めて安定的に推移しているが、2021年のみ5,500億円まで後退している*1。営業利益は130億~190億円レベルで安定的に推移しており、景気後退局面にも利益をしっかりと確保できている。
*1:2021年に売上高が減少した理由は、会計基準の変更が主要因である。2020年3月31日から収益認識に関する会計基準が新たに適用され、同基準に従ったことが変化点となっている(参考リンク)。

✔セグメント別の状況

雪印メグミルクは、乳製品事業(チーズ・バター・マーガリンなど)、飲料デザート事業(牛乳・乳飲料・乳酸菌飲料・果汁飲料・ヨーグルトなど)、飼料種苗事業(雪印種苗による牧草種子・野菜種子など)、その他事業(共同配送センター運営・不動産賃貸など)、の4事業を有する。
当社は牛乳分野において国内シェア3位の業界大手として知られ、バター・チーズ分野では国内シェア1位にある。酪農生産から加工・販売までに至るバリューチェーンを構築しており、子会社・雪印種苗を通じて酪農に必要となる牧草種子の開発・生産までを担っている。利益においては乳製品事業が全社利益の約55%を占めており、チーズ・バターなどが利益のコアとなっている。

✔最終利益と利益率

雪印メグミルクの純利益は90億~190億円ほどの水準で推移しており、景気後退局面にも安定している。営業利益率は2%~3%ほどで安定推移しており、飲料メーカーとしては利益率はやや低め。

✔自己資本比率と純資産

雪印メグミルクの自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2024年には56.8%に到達している。安定した利益体質を加味すれば、財務体質は大いに健全と評価できよう。純資産も長期的な増加傾向が続いており、2024年には2,480億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

雪印メグミルクの平均年収は長期的な微増傾向が続いており、2024年には765万円に上振れしている。食品・飲料メーカーとしては上位クラスの給与水準となっている。大卒総合職の場合、30歳で500万~560万円、課長職レベルで900万~1,050万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

雪印メグミルクの単体従業員数は3,100人前後で長期的に推移しており、増えも減りもしない横這いが続いている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,750人ほど。平均勤続年数は16.1年(2024年)と大手企業の標準的な水準にある。

総合評価

企業格付け:B

大手乳業メーカー4社の一角として知られ、明治森永乳業・よつ葉乳業と並ぶ業界大手として著名な企業。1999年には売上高1.2兆円を超える巨大グループとして君臨していたが、2000年代に集団食中毒事件・産地偽装事件によって経営危機に瀕した歴史がある。今でこそ忘れられているが、2000年に発生した雪印集団食中毒事件は被害者数が1.4万人以上にも及ぶ戦後最大の集団食中毒事件として世間を震撼させ、当社を経営危機に追い詰めるに至った。現在では経営再建に成功しているが、全盛期に比べれば事業規模は大幅に縮小している状況。業績においては売上高・利益の安定性が強く、景気後退局面においても着実に利益を積み上げてきた。少子高齢化の影響で牛乳の需要は緩やかな縮小傾向にあるが、最近では健康志向の高まりで乳製品の売上高が拡大。チーズやバターなどが利益の柱として育ってきている状況。財務体質においても自己資本比率56.8%(2024年)と高く、安定した利益体質を加味すれば倒産リスクとはほぼ無縁。成長企業ではないが、安定感においては優良企業と評価することができるだろう。

就職格付け:CCC

日本人ならば誰もが口にしたことがあるであろう『恵ヨーグルト』や『雪印コーヒー』などの製品を販売する大手乳業メーカー。牛乳分野においては国内シェア5%弱で業界3位に君臨している(意外とシェアが低く見えるのは、牛乳業界は各地域の地場の中小牛乳メーカーが健在であり、一般的な飲料業界とは異なり大手企業による支配があまり進んでいないことが理由)。最近ではヨーグルト・バターなどへのテコ入れを進めており、マーケティング・ブランド力を巧みに活用することでシェア拡大を進めている。給与水準においては平均年収765万円(2024年)と、食品・飲料メーカーとしては(一部の超最大手企業を除けば)高い方である。福利厚生においては相当に恵まれており、住宅補助はかなり手厚いことで知られる(家賃補助制度では月額家賃の60%~75%を補助してくれるうえ、年齢制限などが設けられていないのは珍しい)。北海道に主力拠点が多数立地しているため、北海道での勤務可能性が高いことは念頭に入れておきたい。

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出典:雪印メグミルク株式会社(有価証券報告書)