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素材メーカー

【勝ち組?】帝人の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

帝人は、化学繊維・繊維材料・自動車部品・医療機器・ITサービスなどを展開する大手素材メーカー。1915年にレーヨン製造を目的として山形県米沢市で創業。1927年には大阪へと本社移転、戦前において国内トップクラスの繊維メーカーとして躍進。終戦後には東レがナイロンで化学繊維市場を席捲したが、当社はポリエステルの大量生産化によって対抗。1970年代以降は事業多角化を推進、現在においても炭素繊維・医療機器・ITサービス・自動車部品など多種多様な事業を展開。

POINT

・東レと双璧を為す繊維系素材メーカー、事業多角化が進展
・売上高は伸びるが利益低迷が辛い、財務体質は良くも悪くもない
・平均年収769万円と素材メーカー上位、福利厚生は住宅補助が手厚い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:65(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

就職人気ランキング上位常連だが、総合職の採用人数は年間50人ほど。人気度に反して枠がやたら狭いため、相当な難関である。総合職の出身大学もハイレベル大学で固められており、競争はやはり激しい。
採用大学:【国公立】東京工業大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・九州大学・神戸大学・広島大学・東京外国語大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・東京理科大学・関西学院大学など(出典:マイナビ2025

業績動向

✔売上高と営業利益

帝人の売上高は緩やかな増加傾向が続いており、直近2年は1.0兆円ほどで推移。営業利益は2017年には698億円に達していたが、同年以降は売上高の増加に反して低下傾向。2022年・2023年は100億円前後にまで低下*1。
*1:2022年以降の利益低迷は、主力のマテリアル事業の赤字転落が主要因。これは、①原燃料価格の高騰によるコスト増加、②海外拠点での生産トラブルや労働力不足、③中国経済の減速による販売停滞、などが理由。

✔セグメント別の状況

帝人は、マテリアル事業(アラミド繊維・ポリカーボネート樹脂・炭素繊維・複合成形材など)、ヘルスケア事業(医療品・医療機器など)、繊維事業(ポリエステル繊維・繊維製品など)、IT事業(情報システム開発・電子コミック配信サービスなど)、その他事業(電池材料・メンブレン・再生医療・埋込医療機器など)、の4事業を有する。
当社は東レとの競争が激化した1970年代以降に事業多角化を推進。祖業の繊維事業に依存しすぎない事業ポートフォリオの構築に成功した歴史がある。現在ではマテリアル事業が繊維事業を上回る規模にまで成長している他、医療やITなどの先端分野でも存在感を放つ。

✔最終利益と利益率

帝人の純利益は2016年の501億円をピークに低迷傾向。2020年・2022年の2度に渡って最終赤字に転落している*2。営業利益率も2020年までは6%以上と優良であったが、同年以降は低迷が続く。
*2:2020年はCOVID-19影響で炭素繊維事業において減損損失392億円が発生したことが主要因。2022年はマテリアル事業における減損損失154億円を計上したことが主要因。

✔自己資本比率と純資産

帝人の自己資本比率は2018年の40.2%をピークに微減、直近は36.3%とまずまずの水準。グローバルな大手素材メーカーとしては高くもなければ低くもない。純資産は長期的に増加傾向にあり、直近の2022年には4,819億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

帝人の平均年収は長期的に730万~780万円ほどで推移。総合職の場合、30歳で年収600万~700万円、課長職レベルで年収950万~1050万円が目安。平均年齢は直近で45.8歳と、大企業としてもかなり高めの水準にある。

✔従業員数と勤続年数

帝人の単体従業員数は2020年以降は2,800人規模で安定的。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.1万人ほど。平均勤続年数は直近で23.2年と全業界見渡してもトップクラスの長さ。

総合評価

企業格付け:BBB

東レと双璧を為す繊維系素材メーカーの雄。戦前においてはレーヨン製造で急成長を果たしたが、戦後には東レのナイロンに押されて経営危機に。その危機を事業多角化で乗り越えたことで歴史的に多種多様な事業展開を社是としてきた過去がある。時には事業多角化が災いして業績低迷した時期もあるが、現代において売上高1兆円規模を誇れるのは、繊維事業だけでは到底不可能だっただろう。業績面では2020年以降はマテリアル事業の不振で利益低迷しており苦戦が続くが売上高は成長基調を維持できている。財務体質も特段の問題はないため、しばらくは臥薪嘗胆の時期か。

就職格付け:BB

BtoB主体の素材メーカーながら長年に渡って一定の人気を博しており、就職人気ランキング上位常連。平均年収は730万〜780万円で最大手メーカーと比較すると低いが、当社の強みは卓越した福利厚生制度。とりわけ借上げ社宅制度では9万〜12万円/月が会社負担となるため、平均年収に現れてこない金銭的メリットが年間100万円以上はある。持ち家を取得した場合には購入支援金150万円が支払われる上、住宅補助が1万円/月が支給となる。課長職レベルともなれば年収1,000万円には到達できるため、給与面でもかなり良い。給与・福利厚生・知名度いずれもバランスよく備わる優良企業である。強引にケチをつけるとすれば、昨今の業績停滞で借上げ社宅制度にメスが入ると旨みが一気に削られることだろうか。

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出典:帝人株式会社(有価証券報告書)