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自動車部品メーカー

小糸製作所の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

小糸製作所はランプ・光技術を結集した自動車向け照明機器を主力とする自動車部品メーカー。LED・HID・ハロゲンなど多様な光源のヘッドランプ・補助灯・標識灯を製造する他、鉄道車両・航空機向けランプ・道路照明・トンネル照明なども展開。過去には世界で初めて自動車用LEDヘッドランプ・オール樹脂製ヘッドランプを実用化、自動車用ランプのイノベーションを牽引してきた企業である。トヨタ自動車が発行済み株式数の約20%を保有する筆頭株主であり、トヨタグループと親密。

POINT

1.静岡県の大手自動車部品メーカー、自動車向けランプが最主力商品
2.売上高は安定的だが利益率が近年停滞、財務体質は超優良
3.平均年収629万円と普通、静岡県に主力工場が集中

業績動向

✔売上高と営業利益

小糸製作所の売上高は概ね7,500~8,600億円のレンジで推移しており、2022年には過去最高を更新*1。営業利益は2017年頃まで右肩上がりで成長していたが、同年以降は停滞感が強い。
*1:2021年頃にCOVID-19感染拡大による新車生産台数の落ち込みで売上高が減少したが、同年以降は新車生産台数の回復によって増収。

✔セグメント別の状況

小糸製作所は照明機器事業(自動車部品・鉄道部品、信号機・交通システム)のみの単一事業会社である。
売上高・利益を地域別に分解すると、日本国内における売上高・利益が最主力。北米地域は売上高こそ高いが利益が低く、アジア地域は売上高としては低いが利益貢献が大きい。

✔最終利益と利益率

小糸製作所の純利益は2017年をピークに縮小傾向*2。とはいえ、COVID-19感染拡大による急変動期にも純損失には転落していない底堅さが強み。営業利益率は近年振るわないが、2019年までは10%以上と良好な水準であった。
*2:2017年までは高採算なLEDヘッドライトの拡販で利益拡張が続いていた。しかし近年は、①新車生産台数の不安定化による固定費増加、②物流費・原材料費・光熱費の高騰、により利益率の苦戦を強いられている。

✔自己資本比率と純資産

小糸製作所の自己資本比率は緩やかな増加傾向。直近の2022年には69%と極めて高水準であり、財務体質は極めて健全。安定的な利益体質と堅牢な財務体質を両立している。純資産も増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産9,059億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

小糸製作所の平均年収は長年に渡って600万円レベルで推移しているが、2017年以降の利益停滞で平均年収は伸び悩む。年功序列型の給与制度であり、大卒総合職は30歳前後で年収400万~500万円ほど、課長職レベルで年収1,000万が目安。

✔従業員数と勤続年数

小糸製作所の単体従業員数は長年に渡って横這い傾向が続いており、4,100人~4,500人ほどの組織規模。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.34万人ほど。平均勤続年数は直近で20.4年とかなり長めであり従業員の定着が良い。

総合評価

企業格付け:CCC

自動車用ランプではスタンレー電気・市光工業と並んで知られた存在だが、同業2社を企業規模で大きく凌駕しているため事実上の自動車用ランプメーカーとして日系首位の存在。企業規模としても自動車部品業界で上位15社以内には数えられ、業界大手である。売上高は安定的であるが、2017年頃から利益減少が続いている点が辛い。原材料費高騰や新車生産不安定化によって苦戦を強いられている。とはいえ、自動車用ランプは機能性・デザイン性において新型車の商品力を大きく左右する部品であるため、高付加価値化による利益確保がしやすい商品。1990年代には売上高1,000億円規模に過ぎなかったが、それから約25年で売上高を7倍にまで増やした過去もある。外的環境が落ち着けば再び成長軌道に回帰できるかもしれない。

就職格付け:CCC

自動車部品に特化した企業であるため一般的知名度は高くはないが、主力4工場が集中する静岡県内においてはスズキと並んで著名な大手企業。しかしながら、売上高8,000億円を優に上回る企業規模は日系企業でも上位250位以内に入ることから、一定以上のリテラシーがある層ならば誰もが知る企業である。平均年収は600万円台とそこまで高くはなく、年収は大手メーカーとしては凡庸な水準。しかし、居住地が静岡県であることを加味すれば、大きく化けるポテンシャルがある。物価・土地価格が安い静岡県内であれば、余裕で持家取得して豊かな人生を楽しむことができる。静岡県内であればトップ企業の1社であるため、同県内であれば世間体・豊かさいずれも不満ないだろう。同県のトップ企業であるヤマハ・ヤマハ発動機・スズキと比べると知名度が低い点を活かし、地元志向が強い静岡県出身者は積極的に狙いたい。

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