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【勝ち組?】伊藤忠商事の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

伊藤忠商事は、穀物・日用品・自動車・不動産・金融・エネルギー・インフラなどを幅広く展開する総合商社。1858年に伊藤忠兵衛が麻布卸売店として創業。戦前は伊藤忠財閥の中核企業であったが、1949年に過度経済力集中排除法によって伊藤忠商事と丸紅に分割された。現在においては五大商社の一角として認知されるが、業績面では三菱商事・三井物産と共に上位3社として君臨。上位3社のなかでは非資源分野に強く、資源価格の変動に業績を左右されにくい。

POINT

・非資源分野に強い非財閥系商社、総合商社トップクラスの業績を誇る
・COVID-19以降は業績絶好調、財務体質も良化傾向
・平均年収1,730万円で福利厚生も卓越、日吉独身寮は新築級

就職偏差値

79(頂点)

日本企業における頂点の1社であり、まさしくトップクラスの勝ち組。誰もが羨望する圧倒的な待遇・地位が約束されるスーパーエリート。しかしそれゆえ、入社できるのは同世代の極一握りに限られ、超人的な能力・努力・運がすべて必要となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

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業績動向

✔売上高と営業利益

伊藤忠商事の売上高は過去8年間に渡って増加傾向が続いており、2024年には14.1兆円に到達*1。営業利益においても増加傾向が続いており、2022年には過去最高となる営業利益7,029億円に到達*2。
*1:2018年の売上高の急増は国際会計基準IFRS第15号の適用による影響。売上高の認識基準の違いから売上高が急増したものであり、業績自体に変化が生じたわけではない。
*2:2022年に営業利益が好調となった理由は、①世界的な資源価格の高騰による金属・資源事業の好調、②ファミリーマートの客単価伸長による業績好調、③食品事業における単価上昇および物流コスト改善、④為替レートの円安推移による為替効果など。

✔セグメント別の状況

伊藤忠商事は、繊維事業(化学繊維・合成繊維・衣料品など)、機械事業(自動車・航空機・鉄道・インフラ設備など)、金属事業(鉄鉱石・鋼材・非鉄金属・レアメタルなど)、エネルギー・化学品事業(原油・ガソリン・水素・電力など)、食糧事業(小麦・穀物・カカオ・菓子など)、住生活事業(タイヤ・ガラス・セメント・生活雑貨・物流など)、情報金融事業(情報機器・医療・保険代理店・投融資など)、第8事業(カンパニー横断ビジネス創造)、の8事業を有する。
伊藤忠商事は売上高の約79%が非資源分野であり、総合商社のなかでも住友商事と並んで非資源分野に強み。五大商社の上位3社として争っている三菱商事・三井物産は資源分野に強いため、上位3社中において唯一、非資源比率が高い。資源価格の乱高下による業績変動が少ないことが安定性に寄与する反面、資源価格の高騰局面において利益を大きく伸ばすこともない。

✔最終利益と利益率

伊藤忠商事の純利益は2021年頃から8,000億円前後の水準に切り上がっている*2。2021年には過去最高となる8,202億円に到達したが、2023年には8,017億円にやや微減。営業利益率は長期的に3%~5%と低めだが、事業規模の大きさによって巨額の利益を得られる構造。
*2:2021年以降の業績好調の要因は、①COVID-19の感染拡大一服からの反動増、②世界的な資源価格の高騰による金属・エネルギー・化学品の収益性向上、③旺盛な新車需要による自動車関連ビジネス(伊藤忠エネクス・ヤナセなど)の好調、④為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔自己資本比率と純資産

伊藤忠商事の自己資本比率は長期的な増加傾向が継続しており、直近では37.5%まで増加。総合商社は自己資本比率が高まりにくい性質があるが*3、それでも良好な自己資本比率まで達している。純資産も右肩上がりで増加しており、直近で5.43兆円に到達。
*3:総合商社は規模・信用を活かして多額の資金を調達して事業に投資するビジネスモデル。常に新たな事業への投資を模索しているため、自己資本比率は高まりにくい業態。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

伊藤忠商事の平均年収は長年に渡って緩やかな増加傾向が継続しており、直近の2022年には1,730万円に到達。業績によって給与水準が大幅に変動するが、大卒総合職は30歳で1,400万~1,550万円、課長職レベルで2,200万~2,700万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

伊藤忠商事の単体従業員数は過去8年間に渡って微減傾向にあり、直近では4,112人ほど。五大商社のなかでも単体従業員数は最少クラス*4。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は11.1万人ほど。平均勤続年数は直近で18年を上回っており、従業員の定着はよい。
*4:2022年時点では三菱商事4,388人・三井物産5,449人・住友商事5,068人・丸紅4,340人と、当社が最少である。

総合評価

企業格付け:SSS

■業界ポジション
三菱商事・三井物産と並んで、総合商社トップ3を争っている非財閥系商社。資源価格の好調時には資源系に強い三菱商事・三井物産が優位になるが、資源価格が低迷すると非資源系に強い当社が優位。五大商社とは言われれるものの、住友商事・丸紅の2社は業績面で突き放しておりライバルではない。丸紅とは源流を同じくする同根企業であるが、終戦後のゴタゴタにより袂を分かった。

■業績動向
絶好調。COVID-19以降の事業環境は追い風となる要素に恵まれ、2021年以降は純利益8,000億円台を安定確保。世界的な景気回復、自動車ビジネスの好調、為替レートの円安などが業績拡大を支える。が、岡藤正広現会長は「世界的な景気回復も一巡しつつあり、当社の業績好調を支えた良好な事業環境もいつまで続くかは不透明」として、今後の業績維持に向けて決して楽観視はしていない。

■財務体質
良好。昨今の業績好調によって財務体質が強化されつつあり、直近では自己資本比率37.5%まで増加。総合商社は本来は自己資本比率が低迷しやすい業態であるが、それでも良好な水準にまで伸ばした。もともと食糧分野をはじめとする生活必需品にも強いため景気低迷局面にも強い方だが、財務基盤も良好となったことで安心感が増している。

就職格付け:SSS

■給与水準
日系大手企業として最高峰の給与水準。昨今の業績好調による賞与増額があるとはいえ、直近では平均年収は1,700万円を上回る。大卒総合職であれば30歳で1,400万~1,550万円には到達し、課長職レベルで2,200万~2,700万円ほど。海外赴任すれば手当によって給与水準は更に上がる。人生における金銭的不安とはまず無縁であろう。

■福利厚生
卓越。若手社員はごく一部を除いて全員が日吉寮に入寮する。新築の美麗な建物であるうえ、食堂・大浴場・トレーニングジムなどの設備が充実。家賃補助制度はないが、転勤者であれば自己負担ほぼなしの借上げ社宅が付与されるため住宅コストはなし。海外勤務者についても住宅は会社が用意するため自己負担はほぼなく、金銭的には更に恵まれる。

■キャリア
総合職・事務職の2職種制。総合職は入社後に配属された各事業部門においてローテーションを経験しながら昇格を目指していくのが基本。入社から8年ほどは差がつきにくいが、9年目以降は昇格ペースに差がついていく。若手のうちは事業部門でビジネスの基礎を学ぶが、40歳以降には小会社・関連会社の社長クラスとして赴任して経営者として成長していく。代表取締役会長は繊維畑、現代表取締役社長は化学品畑の出身。

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出典:伊藤忠商事株式会社(有価証券報告書)