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【勝ち組?】三菱UFJリサーチ&コンサルティングの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、三菱UFJフィナンシャルグループのコンサルティング会社。1985年に三和銀行が三和総合研究所として設立。2002年の三和銀行・東海銀行の合併によりUFJ総合研究所となり、2006年の三菱UFJ銀行の発足によりグループのコンサルティング会社が再編されて誕生。現在では約450名のコンサルタントを擁する日系大手コンサルティング会社へと成長。企業向け戦略・組織コンサルティングの他、官公庁向けの政策提言・調査研究も展開する日系シンクタンクとしても認知される。

POINT

・三菱UFJフィナンシャルグループのコンサル会社、シンクタンク機能も
・売上高・利益は成長が続くが利益率は高くない、財務体質は大いに良好
・30歳のコンサルタントで年収850万〜950万円ほど、福利厚生も良好

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:75(最高峰)

給与だけなら外資系コンサル会社に劣るが、高待遇・終身雇用を確保しつつ質の高いコンサル経験を積めるキャリア価値が高査定の理由。官公庁への政策提言を通じた社会的影響力も強み。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:最難関級

総合職の採用人数は年間25名~30名と少なく、大量採用の外資系コンサル会社とは違った難易度の高さ。総合職の出身大学は国内外のハイレベル大学が揃っており、選考難易度も相当以上である。
採用大学:【国公立】東京大学・一橋大学・東京工業大学・大阪大学・九州大学・神戸大学・広島大学・横浜国立大学・東京外国語大学・シンガポール国立大学・サンフランシスコ州立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・国際基督教大学・明治大学・ハーバード大学・シカゴ大学など(出典:リクナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの売上高は2020年のみ182億円に減少したが、同年以降は増加傾向。2023年には過去最高となる売上高237億円に到達している。営業利益も2020年に5.8億円まで減少したが、2023年には29.4億円まで増加。

✔セグメント別の状況

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、コンサルティング事業(戦略領域・組織領域・IT領域・国際領域における各種コンサルティング、官公庁向け調査研究受託・政策提言、経営情報サービス、マクロ経済調査、ビジネスセミナーなど)のみの単一事業会社である。
当社は大企業向け各種コンサルティングサービスを展開するが、よくあるシステム導入案件を主力としていない点に特徴がある。日本では珍しいシンクタンクとしての機能を併せ持ち、高度な専門性を有する研究員が多数在籍している点も他社にはない特徴。

✔最終利益と利益率

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの純利益は2020年のみ減少したが、同年以降は増加傾向。2023年には過去最高となる29.4億円に到達。営業利益率は2020年を除いても7%〜12%レベルで推移しており、コンサルティング会社としては低め。

✔自己資本比率と純資産

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの自己資本比率は70%〜75%の高水準で長期的に推移しており、財務健全性は非常に良好。純資産は2021年から増加傾向が続いており、2023年には249億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの平均年収・平均年齢は非公開。総合職の場合、30歳のコンサルタントで年収850万〜950万円ほど、チーフコンサルタントで1,200万〜1,350万円ほどと推定。

✔従業員数と勤続年数

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの単体従業員数は1,400名(2023年)となっている*1。なお、これは三菱UFJフィナンシャルグループからの出向者も含めた人数である。平均勤続年数は非公開。
*1:当社の従業員のうち民間向けコンサルティングに従事するコンサルタントは約450名、官公庁向け政策提言に従事する研究員が約250名となっている。

総合評価

企業格付け:AA

日本有数の大手金融グループである三菱UFJフィナンシャルグループにおいてコンサルティング機能を担う企業。かつてメガバンクが再編される以前の1985年に三和銀行が開設したシンクタンクが源流であり、今なおシンクタンクとしての機能を併せ持っている。業績においては、コンサル需要の拡大を追い風に成長が続いており、2023年には過去最高となる売上高・利益に到達している。強いて言えば利益率はそれほど高くはなく、業績好調であった2023年も営業利益12.4%に留まっている。非公開会社のために詳細は不明であるが、当社はシンクタンクとしての機能を保つために数多くの研究員を抱えており、この人件費の高さが高コスト体質を招いていることは要因として考えられるか。財務体質においては極めて優良であり、自己資本比率は70%以上で安定的。有利子負債は殆どなく、実質無借金経営であると評価できよう。

就職格付け:AAA

日本においては稀有なシンクタンク機能を持つコンサルティング会社として著名。給与水準においては30歳のコンサルタントで年収850万〜950万円ほど、チーフコンサルタントで年収1,200万〜1,350万円ほどに達する。給与だけで言えば外資系コンサルティング会社には劣るのは事実であろう。が、当社の強みは、①システム導入案件ばかりに当たるリスクが少ない点、②日本企業ゆえの終身雇用が期待できる点、にある。大量採用大量離職を前提とせず、質の高い案件を通じた専門性の醸成ができるのは大きな魅力。福利厚生においては企業規模なりであり、年収700万円を下回る若手社員のみ家賃補助制度として最大5万円/月が支給される。資格取得や書籍購入の補助も完備されており、主体的な学びへのサポートは良好である。強いて言えば、親会社にあたる三菱UFJフィナンシャルグループからの天下り人事は少なくなく、銀行経験が長い上司にあたる可能性は他のコンサルティング会社にはない部分である。

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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(決算公告)