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【勝ち組?】ワークマンの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ワークマンは、ワークウェア・作業用品・カジュアルウェアを主力とする衣料品チェーン。1980年に群馬県伊勢崎市のスーパー・いせやがワークウェア販売店として創業。価格競争が激しい法人向け販売を捨て、個人向け販売に特化することで成長。1990年代には全国300店舗まで拡大して株式上場を果たした。2018年にはワークウェア技術をカジュアルウェアに反映した『ワークマンプラス』を開始、市場規模が大きいカジュアルウェア分野を強化。現在では全国1,051店舗を展開、うち95%以上がフランチャイズ店舗。

POINT

・個人向けワークウェアで断トツ首位、カジュアル分野へも積極進出
・売上高・利益いずれも急成長するもピークアウト、無借金経営で高利益率
・平均年収756万円と業界上位級、平均勤続年数11.6年で福利厚生も良い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:61(中堅上位)

大手企業の中でも中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。入社できればサラリーマンとして、かなり安定した人生が得られるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用数は年間15名~20名と少ない。昨今のワークマンブームによって選考倍率も上昇傾向にあり、難化傾向。総合職の採用においても中堅大学からも幅広く採用している。
採用大学:【国公立】静岡大学・滋賀大学・福島大学・広島市立大学・釧路公立大学など、【私立】明治大学・立教大学・法政大学・立命館大学・日本大学・専修大学・駒澤大学・国士舘大学・玉川大学・産業能率大学・神戸学院大学・大阪産業大学・平成国際大学・東京女子大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

ワークマンの売上高は急速な増加傾向が続いており、2024年には過去最高となる1,369億円に到達している*1。過去8年間で売上高は約2倍以上に急拡大している。営業利益に2021年に過去最高となる268億円に到達したが、同年以降は横ばい傾向に転換。
*1:当社の売上高が急成長した理由は、①新規業態「ワークマンプラス」のヒットによる販売急拡大、②COVID-19以降のアウトドアブームによるワークウェアの需要拡大、③ワークマンブームを追い風と捉えたフランチャイジーによる新規店舗の積極出店、など。

✔セグメント別の状況

ワークマンは衣料品販売事業(ワークウェア、カジュアルウェア、作業用品などの直営店販売・加盟店卸売)のみの単一事業会社である。同事業は加盟店収入・直営店販売・加盟店卸売から構成される。
当社は全国1,000店舗以上を展開するが、うち95%以上はフランチャイズ店舗。当社はマーケティング・製品開発に特化して店舗運営をフランチャイジーに委ねることで高利益率なビジネスモデルを構築している。2018年から新型店舗『ワークマンプラス』によってカジュアルウェア領域への進出に成功したことで、現在では売上高の約25%をカジュアル・ファミリーウェアが占める。

✔最終利益と利益率

ワークマンの純利益は2021年には過去最高となる183億円まで到達したが、同年以降は横ばい傾向*2。営業利益率は長期的に17%〜23%ほどの高水準で推移しており、衣料品業界としてはファーストリテイリングをも上回る最高峰の利益率を誇る。
*2:当社の利益拡大が2021年で止まった理由は、①新型店舗『ワークマンプラス』の成長一服、②世界的な原材料価格の高騰によるコスト高、③為替レートの円安推移による商品製造・輸入コスト上昇、など。

✔自己資本比率と純資産

ワークマンの自己資本比率は長期的に80%前後の超高水準で安定しており、実質無借金経営を達成している。安定的な利益体質を加味すれば、財務体質は極めて堅実であると評価できよう。純資産は右肩上がりで増加しており、2024年には1,353億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ワークマンの平均年収は2018年までは620万円前後で推移していたが、同年以降は微増傾向が続いている。2023年には平均年収756万円に到達しており、アパレル業界としてはトップレベルの給与水準を誇る。総合職の場合、30歳で550万〜650万円、課長職レベルで年収880万~980万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

ワークマンの単体従業員数は業績拡大に応じて増加傾向にあり、2023年は381名の組織体制となっている。直営店が僅かであるため、従業員のほとんどが企画・管理業務を主としている。平均勤続年数は11.6年(2023年)となっており、アパレル業界としてはトップクラス。

総合評価

企業格付け:C

■業績動向
急成長から一服、減益傾向。2016年から『ワークマンプラス』を起爆剤として売上高・利益を急速に伸ばしたが、2021年をピークに減益傾向に転換。為替レートの円安推移や原材料価格の高騰によるコスト高騰が逆風となっている。とはいえ今なお営業利益率17.8%(2024年)と業界トップクラスの利益率を維持しており、優良企業であることに変わりはない。

■財務体質
極めて良い。長年に渡って実質無借金経営を維持しており、自己資本比率83.4%(2024年)と極めて高水準。有利子負債は13億円(2024年)のみと企業規模を考えれば些少であり、まさに「金融機関とのお付き合い」レベルしか有利子負債はない。他方で手元の現預金は374億円(2024年)と圧倒的に潤沢であり、財務基盤は盤石。

■ビジネス動向
カジュアル分野で拡大した事業規模の安定化を模索。当面は「ワークマン」「ワークマンプラス」「ワークマン女子」の3ブランドを出店地に応じて使い分ける方針。足元では早すぎる業績拡大による品切れ頻発が問題化しており、フランチャイズ店舗の適正在庫コントロールが必要な局面。

就職格付け:CCC

■給与水準
2019年以降は平均年収700万〜720万円での推移。直営店舗を最低限しか持たないビジネスモデルにより、アパレル業界としては最上位級の待遇となっている。総合職の場合、30歳で550万〜650万円、課長職レベルで年収880万~980万円ほどが目安。

■福利厚生
大いに恵まれている。若手社員向けの独身寮は家賃5,000円と格安かつ水道光熱費も月額5,000円までは会社負担。借上げ社宅制度も充実しており、住宅コストを格安で済ませられる。外勤社員には社用車も貸与される。実家への帰省の際に交通費が全額支給される帰省旅費支給制度も。

■キャリア
スーパーバイズ・製品開発・営業企画・開発の4職種制。入社後は直営店での販売実務に携わることもあるが、直営店をほぼ持たないビジネスモデルのため早々に本社部門へと異動となる。他アパレル会社より店舗での叩き上げ期間が相当に短いため、早々に本社部門で仕事をしたい場合には魅力的。

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出典:株式会社ワークマン(有価証券報告書)