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【勝ち組?】リンナイの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

リンナイは、給湯器・コンロ・乾燥機・ヒーターなどを販売する国内最大手の総合ガス機器メーカー。1920年に名古屋ガス(現・東邦ガス)の林兼吉・内藤秀次郎が石油コンロ卸売業者として創業。創業当時はスウェーデン製の機器輸入を事業としていたが、戦前にはガス機器の自社開発に着手。戦時中は航空機部品メーカーに転身したが、戦後はガス機器メーカーに回帰。同業のパロマと長年に渡って競合関係にあるが、1990年代以降はリンナイがシェアを伸長。現在では総合ガス機器メーカーとして国内首位。

POINT

・愛知県地盤の国内シェア首位のガス機器メーカー、パロマの永遠のライバル
・売上高は海外展開の加速で緩やかに成長、利益は非常に安定的
・平均年収678万円と企業規模なり、平均勤続年数が18.8年と長い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:61(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用数は年間50人規模とそれほど多くはない。ただしBtoCメーカーであるため知名度は高く、一定以上の倍率には例年達する。地盤である中部地方からの採用がやや多め。
採用大学:【国公立】名古屋工業大学・名古屋市立大学・愛知県立大学・静岡大学・金沢大学・新潟大学・広島大学など、【私立】青山学院大学・南山大学・中京大学・中部大学・同志社女子大学など(出典:マイナビ2025

業績動向

✔売上高と営業利益

リンナイの売上高は2021年まで3,500億円前後で横ばいであったが、2022年から急増。2023年には過去最高となる4,301億円に到達*1。営業利益は長年に渡って340億~410億円レベルで極めて安定的。
*1:2022年から売上高が急増した理由は、①世界的な原材料価格・人件費上昇を受けた値上げ対応による単価向上、②為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

リンナイは日本事業(日本国内)、米国事業(アメリカ・メキシコ・カナダ)、豪州事業(オーストラリア・マレーシア)、中国事業、韓国事業、インドネシア事業、その他事業(台湾・ベトナム・タイ・ニュージーランド)の7事業を有する。
リンナイは日本国内が成熟市場であることを見越して、1967年からグローバル展開を開始。現在では世界19カ国にグループ会社を持ち、世界80カ国で販売を行っている。

✔最終利益と利益率

リンナイの純利益は長年に渡って200億~270億円レベルで極めて安定的。2020年には過去最高となる純利益276億円を記録した*2。営業利益率は10%前後で推移しており、中堅メーカーとしては良好かつ安定的な利益水準を誇る。
*2:2020年の好決算はCOVID-19感染拡大による巣ごもり需要により、オート調理機能付きガスコンロやガス衣類乾燥機などの高付加価値商品の特需が発生したことに起因。

✔自己資本比率と純資産

リンナイの自己資本比率は60~70%台での推移が続いており、直近は66.9%に位置。絶対値としても高めであるうえ、安定的な利益体質も加味すると極めて堅実な財務体質。純資産は順調な右肩上がり、2023年には4,374億円を記録。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

リンナイの平均年収は直近で678万円と中堅メーカーの標準的な水準。大卒総合職であれば30歳で500万~650万円ほど、課長職レベルで780万~880万円ほど。平均年齢は過去8年間で右肩上がりの推移、直近では40.6歳に到達。

✔従業員数と勤続年数

リンナイの単体従業員数は2020年までは3,700人ほどで推移していたが、同年以降はやや減少。直近では3,532人となっている。平均勤続年数は右肩上がりで伸長しており、直近では18.8年に到達。大手メーカーに勝るとも劣らない長さであり、従業員の定着は良い。

総合評価

企業格付け:CC

業績安定かつ堅実な中堅メーカー、生活必需品であるガス機器を扱っている背景から安定的に利益を確保できている点は優秀。財務体質は自己資本比率60%レベルと、倒産の心配はまずないレベル。意外と海外展開が進んでいるメーカーであり、海外売上高比率は既に50%を超える水準に到達。愛知県に本社を持つパロマとは長年に渡る良きライバル関係、国内シェアはリンナイが強いが海外展開ではパロマが先行。2007年に湯沸器死亡事故が発生し一大スキャンダルとなりかけたが、調査により通常の使用方法の範疇であれば起こり得ない事故であるとして起訴処分は見送られた(奇しくも同時期にパロマも湯沸器死亡事故がスキャンダル化、こちらは会長辞任と国内シェア首位陥落にまで至る大事件となった)。

就職格付け:CC

中堅メーカー界隈における優良ホワイト企業の1社。平均勤続年数が右肩上がりで直近では18.8年と大手メーカーに匹敵する長期勤続を実現。業績が極めて安定的かつ財務も堅いため、安定して長く働けるメーカーを探す場合には候補たりうるポテンシャルがある。ただし、平均年収678万円と給与水準の魅力はそこまでないため、安定とバーターと割り切れるかがポイントとなるだろう。営業支店は日本全国にある一方、本社・研究所・工場は愛知県の地方部に集中している。愛知県出身者であれば転勤リスクが少ない安心要素だが、中部地方以外の出身者からすると、同地に骨を埋める覚悟ができるか要検討。

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出典:リンナイ株式会社(有価証券報告書)