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IT コンサルティング

【勝ち組?】フューチャーの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

フューチャーは、ITを軸とした課題解決を主力とするITコンサルティング会社。1989年に金丸恭文が鹿児島県鹿児島市で創業。経営戦略とIT戦略を両輪として捉える新しいコンサルティング業態によって成長。1997年には米・マイクロソフト社のビル・ゲイツから買収提案を受けるも辞退、2002年には東京証券取引所へと株式上場を果たした。現在では多種多様な業界に向けてITによる課題解決型のコンサルティングサービスを提供する他、スポーツ・教育・出版・ECサービスなどへの事業多角化にも熱心。

POINT

・創業30年以上の老舗ITコンサル会社、業務系システムに強い
・売上高・利益は急成長して過去最高圏で推移、財務体質は堅実で利益率も良好
・平均年収797万円かつ平均年齢30代の若い組織、福利厚生は手薄

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:61(中堅上位)

大手企業の中でも中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。入社できればサラリーマンとして、かなり安定した人生が得られるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用数は年間120名〜170名ほど。一般知名度に対して採用規模がかなり大きいため、選考倍率は高まりにくい。が、IT業界の人気の高まりによってハイレベル大学からの採用も多い。
採用大学:【国公立】大阪大学・東北大学・九州大学・北海道大学・神戸大学・横浜国立大学・お茶の水女子大学・奈良先端科学技術大学院大学・北陸先端科学技術大学院大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・明治大学・中央大学・法政大学・立命館大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

フューチャーの売上高は長期的な増加傾向が続いており、2024年には過去最高となる698億円に到達している*1。営業利益は2020年まで45億~65億円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向。2024年には過去最高となる営業利益146億円に到達している
*1:当社の売上高・利益が長期的に成長している理由は、デジタル投資ブームによるITコンサル需要の高止まりが主要因。金融・小売・物流業界向けの大型案件を着実にこなして規模拡大を続けている。

✔セグメント別の状況

フューチャーは、ITコンサルティング&サービス事業(流通業・金融業・物流業・製造業向けのIT戦略コンサルティング、基幹ITプラットフォーム・戦略業務系システム・次世代バンキングシステムなど)、ビジネスイノベーション事業(スマートフォン・家庭用ゲーム開発、月刊誌『東京カレンダー』・プログラミング家庭教師『CodeCamp』・デザインスタジオ『CURIOSITY』など)、その他事業(ハンドボールチーム『ジークスター東京』運営)、の3事業を有する。
当社は日本初となるITコンサルティング会社として創業した企業であり、現在においても経営戦略とIT戦略を両輪としたコンサルティングサービスを主力としている。豊富な業務ノウハウと技術力を強みとして要件定義~システム設計~開発~導入支援までを一気通貫としてプロジェクトを推進している。

✔最終利益と利益率

フューチャーの純利益は2020年まで35億~45億円ほどで横ばいが続いていたが、同年以降は増加傾向。2024年には過去最高となる103億円に到達している。営業利益率は2021年から増加傾向にあり、2023年には23%まで上振れ。コンサルティング会社としても良好な利益率を誇る。

✔自己資本比率と純資産

フューチャーの自己資本比率は2023年まで75%~77%ほどの高水準で極めて安定していたが、2024年には60.3%にやや下落*2。依然として高水準を維持しているため、財務健全性は極めて良好である。純資産は右肩上がりの増加傾向が続いており、2024年には554億円に到達している。
*2:2024年に自己資本比率が低下した理由は、経営支援会社・リヴァンプの買収資金を金融機関から200億円を借り入れたことが主要因(参考リンク)。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

フューチャーの平均年収は2017年のみ特殊要因で1,178万円となっているが、同年以降は730万~840万円ほどで推移している。大卒総合職の場合、30歳で630万〜700万円、課長職レベルで950万〜1,050万円ほど。平均年齢は36.5歳(2024年)と、若手社員が多い組織体制となっている。

✔従業員数と勤続年数

フューチャーの単体従業員数は331人(2024年)となっており、殆どの従業員は事業会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は3,500人ほど。平均勤続年数は5.8年(2024年)と、大手企業の標準的な水準を大きく下回る。

総合評価

企業格付け:CCC

日本初のITコンサルティング会社として誕生した企業。どちらかといえば事業会社にあたるフューチャーアーキテクトの方が世間一般の認知度は高い(2016年に持株会社制に移行するまでは同社名であったが、同年にITコンサルティング事業を分割して事業会社としたことで同社名は事業会社へと引き継がれた経緯がある)。業績においては過去8年間に渡って売上高・利益を大きく伸ばしており、過去最高圏で推移している。人手不足の深刻化を受けた旺盛なIT需要によってITコンサルティング需要は高止まりしており、受注案件を着実に遂行することで業績を伸ばしている。財務体質においても自己資本比率60.3%(2024年)と高水準にあり、業績拡大と財務健全性をしっかりと両立できている。

就職格付け:CCC

まだIT黎明期であった1990年代から経営戦略とIT戦略を両輪とする思想を掲げて創業された企業であり、1997年には米・マイクロソフト社からの買収提案を受けるも辞退した歴史を持つ。そのため創業者・金丸恭文は「ビル・ゲイツを袖にした男」との異名をもち、IT業界においては著名人として広く知られる。給与水準においては平均年収797万円(2024年)だが、当社は平均年齢36.5歳(2024年)と若い組織であることを考慮する必要がある。大卒総合職の場合、30歳で630万〜700万円、課長職レベルで950万〜1,050万円ほどが目安となるだろう。実力さえあれば若くして給与を伸ばしやすい環境であることは魅力。福利厚生においては「給与で還元」する方針であるため薄く、家賃補助制度・借上げ社宅制度・扶養手当・家族手当などの類はない。

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出典:フューチャー株式会社(有価証券報告書)