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バルミューダの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

バルミューダは、キッチン家電・空調機器・照明機器などを製造販売する電機メーカー。元シンガーソングライターの寺尾玄が2003年にデザイン会社として創業、2010年にはDCモーター扇風機がヒットしたことで業態を転換。2015年にはキッチン家電に進出してトースター・電子レンジを立て続けにヒットさせた。自社工場を持たないファブレスメーカーであり、マーケティング・デザインに特化した組織体制で他社との差別化を図る。2021年に京セラとの共同開発体制でスマートフォン事業に参入するも2023年に撤退。

POINT

1.独特の世界観・優れたデザインで熱心なファンを抱える家電メーカー
2.売上高・利益は急成長したが、2022年以降は売上高・利益いずれも失速気味
3.平均年収795万円とかなりの高水準だが、福利厚生は極めて弱い

業績動向

✔売上高と営業利益

バルミューダの売上高は過去8年間で約6倍に急増しており、成長企業そのもの。ただし、直近の2022年には成長が鈍化してやや減少*1。営業利益は15億~16億円レベルで安定していたが、2022年には急激な減少に見舞われた(2017年以前は非公開)。
*1:バルミューダは過去8年間で製品ラインナップを急速に拡充、とりわけ2015年から投入したキッチン家電が立て続けにヒットしたことで急速に売上高を伸ばした。
*2:2022年の減益は、為替レートの記録的な円安推移が原因。バルミューダの生産工場は海外のみであるため、為替レートが円安に振れると仕入れコストが急増する構造となっている。

✔セグメント別の状況

バルミューダは、空調関連事業(空気清浄機・扇風機・加湿器など)、キッチン関連事業(電子レンジ・トースター・炊飯器・コーヒーメーカーなど)、携帯端末関連事業(バルミューダフォン)、その他事業(掃除機・照明・スピーカーなど)、の4事業を有する。
バルミューダは多種多様な家電製品を展開しているが、キッチン関連機器が売上高の約60%を占める稼ぎ頭となっている。通販情報サイト大手の価格.comにおいてもトースター・電子レンジが最量販商品となっている。新興メーカーでありながら海外進出も進めており、韓国市場は売上高の約25%を占める。

✔最終利益と利益率

バルミューダの純利益は年度により好不調が分かれるが、2021年には過去最高となる純利益10億円を記録。が、2022年には再び純利益は急減。営業利益率は好調時には10%~15%に達しており良好な水準だが、不調時には赤字圏まで低下する*3。
*3:バルミューダは自社工場を持たないファブレスメーカーであるため、固定費負担が軽く利益率を高めやすい。反面、海外工場に生産を依存するため、為替に業績を左右される。

✔自己資本比率と純資産

バルミューダの自己資本比率は右肩上がりで急増しており、直近では自己資本比率63%と極めて健全(2017年以前は非公開)。過去8年間で財務体質を極めて堅実化させた印象。純資産は2021年まで急激な増加を描いており、直近の2022年には純資産63億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

バルミューダの平均年収は長年に渡って750万~950万円ほどの水準で安定的に推移(2017年以前は非公開)。新興メーカーながら大手家電メーカーに近いレベルの給与水準だが、業績賞与により年収が左右されやすい。大卒総合職は30歳で550万~650万円、課長職レベルで750万~900万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

バルミューダの単体従業員数は増加傾向にあるが、直近の2022年でも168名と極めて少数精鋭の組織規模(2017年以前は非公開)。平均勤続年数は直近で3.1年と極めて短いが、過去8年間で社員数を大幅に増やしているため低いのは仕方がない。

総合評価

企業格付け:B

創業者である寺尾玄の世界観を色濃く表現した家電メーカー、過去10年間で急成長を遂げた企業としても著名。ビジネスモデルは極めて洗練されており、①シンプルながら優れたデザインによる独特の価値観・価値を訴求、②自社工場を持たないファブレス化による高い利益率、③モデルチェンジ頻度を少なくして1製品を長く販売することでコストを抑える…など枚挙に暇がない。業績は過去10年間に渡って右肩上がりであったが、2022年以降は為替レートが円安に振れたことで利益率が低迷。また同年に発売したバルミューダフォンの失敗によりブランドイメージを毀損したことも痛手となった。他方で、過去8年間で稼いだ利益によって財務基盤は大いに健全化しており、多少の業績悪化であれば耐え凌げるだけの財務基盤は確立されているのは安心感。最近では韓国市場において勢いがあり、日本市場が失速した2022年においても韓国市場では増収が続いている。今までも経営危機を乗り越えて成長してきた企業であるため、今回の逆風も乗り越えられるものと期待したい。

就職格付け:C

大手家電メーカーとはまったく違う世界観の製品ラインナップを有しており、熱心なファンを多数抱えていることでも著名。2022年にはバルミューダフォンが市場に受け入れられず辛辣なレビューで溢れかえったことで悪い意味で知名度が上がってしまったが、元々はお洒落な家電メーカーとしてのポジショニングを確立していた。企業規模は知名度の割に極めて小さく、売上高100億円程度と極めて小粒企業。給与水準は平均年収700万円以上で推移しており、大手家電メーカーに近いレベルの給与体系を実現している。ただし、各職種にみなし残業44時間/月もしくは裁量労働制を採用しているため、残業を多く重ねても給与がこれ以上に増えることは期待できない。福利厚生も新興メーカーゆえ充実しておらず、独身寮・家賃補助制度・退職金制度はすべてなし。交通費は支給されるが最大5万円/月の制約がある。が、そもそも従業員数が160人規模のベンチャー企業であるため、高い給与や福利厚生を期待して目指す会社ではない。仕事を通して成し遂げたい夢・理想、そしてキャリアビジョンがしっかり合致する場合にこそ目指すべき会社であろう。

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