企業概要
タカラトミーは、玩具・ベビー用品・カプセルトイ・アミューズメント機器などを展開する大手玩具メーカー。1924年に富山栄市郎が金属玩具の製造を目的に創業。終戦後の1951年にフリクション玩具「B29」を大ヒットさせ、1959年にはプラレールの前身となるプラスチック汽車玩具を発売、その後も「黒ひげ危機一髪」や「ゾイド」などの人気玩具を次々と生み出した。2005年には同業のタカラと合併して現社名・タカラトミーへと社名変更。現在では世界80ヵ国以上で玩具を展開している。
・玩具業界トップ企業の一角、タカラとトミーが合併して誕生
・売上高・利益いずれも好調、財務体質も目に見えて良化中
・平均年収801万円と業界トップクラス、但し業績による上下変動が大
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:65(中堅上位)
サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用人数は年間20人〜30人とかなり少ない。そのうえ、超有名企業&玩具業界ゆえの好イメージゆえに応募者も多く、入社倍率は極めて高い。
採用大学:【国公立】東京工業大学・名古屋大学・九州大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・立命館大学・多摩美術大学など(出典:リクナビ2025)
業績動向
✔売上高と営業利益
タカラトミーの売上高は2020年に一時的に減少したが、同年以降は増加傾向に転換*1。直近では2,083億円に到達。営業利益は売上高に連動して推移しており、概ね70億〜200億円ほどのレンジ推移。
*1:2020年から売上高が増加している理由は、①人気商品の「トミカ」や「デュエルマスターズ」などの販売好調、②COVID-19以降のリベンジ消費、など。
✔セグメント別の状況
タカラトミーは、日本事業(国内における玩具・ベビー用品・カプセルトイ・アミューズメント機器・玩具菓子など)、アメリカズ事業(同)、欧州事業(同)、オセアニア事業(同)、アジア事業(同)、の5事業を有する。
当社は歴史的にも海外展開に積極的な玩具メーカーであるが、それでも海外売上高比率は約25%に過ぎない。売上高の大半を国内で稼いでいるうえ、利益においては約91%を国内市場に依存している状況。
✔最終利益と利益率
タカラトミーの純利益は40億〜90億円ほどで安定的に推移。2021年以降は純利益90億円台を連続確保しており、業績好調といえよう。営業利益率は5%〜9%ほどで推移しており、高くもなければ比較もない水準。
✔自己資本比率と純資産
タカラトミーの自己資本比率は長期的な増加傾向が継続しており、直近では60.1%とかなりの高水準。2016年時点では自己資本比率32.4%であったから、目覚ましい増加幅である。純資産も右肩上がりで増加しており、直近では1,000億円に到達。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
タカラトミーの平均年収は長期的に700万~900万円ほどで推移しており、年度による上下変動が大きい。総合職の場合、30歳で年収550万~600万円、課長職レベルで年収900万~1,200万円が目安。平均年齢は直近で44.3歳と、概ね大企業の標準的水準。
✔従業員数と勤続年数
タカラトミーの単体従業員数は長期的な増加傾向にあるが、直近でも553人と組織規模はかなり小さい。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,400人ほど。平均勤続年数は増加傾向にはあるが、直近でも12.8年とまずまずの水準。
総合評価
企業格付け:CCC
玩具業界における大手企業の一角であり、業界最大手のバンダイナムコグループに続く第2勢力として君臨。主力商品にはベイブレード・ゾイド・トミカなどの著名製品を多数擁する。2013年には海外市場での失敗で業績悪化して再生計画を打ち出す状況であったが、この10年あまりで復活を遂げた。過去8年間は売上高・利益いずれも安定しており、売上高は過去最高を更新。財務体質も業績悪化時に毀損した状態からの立て直しに成功しており、直近では自己資本比率60%以上に到達。一応はグローバル玩具メーカーであるが、今でも国内市場への依存度は高いために、少子高齢化の時代に適合したビジネス構築が求められている。
就職格付け:BB
日本人ならば誰もが知り、幼少期にお世話になったであろう大手玩具メーカー。知名度は抜群に高いが企業規模は意外と小さく、売上高2,000億円・従業員500人レベルに過ぎない(これは玩具業界自体の規模の小ささがゆえである)。平均年収は直近で800万円と給与水準は高めであり、30歳で年収550万~600万円だにはなる。ヒット商品や業績によりり±100万円ほど給与水準が毎年変わるが、不調時であっても平均年収700万円で底堅い。福利厚生は企業規模なりで家賃補助額は月額1万円ほどと少ないが、ベースとなる給与水準が高めであるため仕方がないろう。